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  新旅行業法で何が変わる?コギト工房  Cogito-Kobo

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 200541日施行で旅行業法が改正されました。 いままで「主催旅行」と呼ばれていたパッケージツアーは「企画旅行」と名称が変わりました。でも、変わったのは呼び名だけでなく、その中身です。これがどのように消費者(旅行者)に影響するものなのか、ポイントを見てみましょう。旅行好きなひとにとってはとても大切です。しっかり理解して、かしこい消費者になりましょう。まずは、変更ポイントを整理・理解します。

  改定項目 消費者への影響
1 旅行業者による補償拡充・責任拡大
(1) 営業保証金
@ 3種旅行業の営業保証金が250万円から300万円に引き上げられます。 保証が上がることは喜ばしいのですが、このような保証が必要となるような旅行会社は利用しないこと。
(2) 旅程保証
@ 変更補償金の支払対象を、
.契約書面→確定書面で記載内容が変更された場合、
イ.確定書面→実際に提供されたサービスが変更された場合の両方となります。 消費者としては当然のこと。約束されていたことはきちんと守ってほしいもの。常日頃から会社の運営・経営方針がしっかりとしているのかよくみておきたいものです。
    
A 変更補償金の支払対象に、出発・帰着空港の変更、直行便から乗継便・経由便への変更、レディースフロアなど「その他客室の条件」の変更が新たに追加されます。 パンフレットではどのように表現されているのか、よく注意をしましょう。
        
B 寝台列車など運送機関が宿泊設備を兼ねる場合、変更補償金は1泊につき1件で算定するように変更になります。 従来は3泊のる船があっても1回としか数えてなかったものが、3回と数えるようになります。当然のこととは言え、消費者のとっては改善となります。
C 運送機関で等級・設備がより高いものへアップグレードする場合は、変更補償金の支払を対象外になります。 エコノミーが取れずにビジネスクラスにアップグレードした場合でも、いままでは変更補償金を払わないといけませんでしたが、これは消費者にとってもともと得な変更でしたから、二重取りをやめたもの。
(3) 特別補償
@ 死亡・後遺障害補償金を、 パッケージを利用するメリットがあがります。このようなものがついていてもやはりご自分で旅行障害保険にはいることはお勧めします。
海外旅行で2000万円から2500万円に、
国内旅行で1000万円から1500万円に、
 それぞれ500万円引き上げられます。
A 入院見舞金を引き上げ、 これも消費者にとって改善された点です。
7日未満を国内2万円・海外4万円、
7日以上90日未満を国内5万円・海外10万円、
90日以上180日未満を国内10万円・海外20万円、
180日以上を国内20万円・海外40万円
に引き上げられます。
B 通院見舞金を新設し、 通院見舞いがでるようになりました。世界でも始めてかもしれません。過保護のような気もしますが、最近は入院をしないというケースが増えてきましたの実勢に合わせた、ということのようです。
3日以上7日未満を国内1万円・海外2万円、
7日以上90日未満を国内2.5万円・海外5万円、
90日以上を国内5万円・海外10万円
     となります。
C 入院見舞金、通院見舞金の支払事由が重なった場合は、 いずれか多い金額を支払います。 これは当然のことですね。
D 特別補償の免責を見直し、旅行者が故意に法令違反または法令違反サービスの提供を受けている間の事故は免責となります。携行品では、電磁的記録媒体に記録されたものは免責と明確になります。 最近はパソコンに重要な書類を入れていたから補償しろ、というトラブルが起きるようになりました。補償の対象外を明確にしています。紙の書類も補償していませんので、くれぐれもバックアップをしっかり作っておきましょう。
E 旅行者等は、旅行業者の関知しえない事由で損害を被った場合、30日以内に報告しなければならないと規定されます。 30日という日にちの制限ができました。クレームはすみやかにあげるのが消費者の義務となります。
F 「企画旅行参加中」の定義を見直し、旅行業者が一切の旅行サービスを提供しない日は、企画旅行参加中とはせず、特別補償の対象外となります。 自由行動中の事故は特別補償が適用されなくなります。ご自分の安全は自分で守ることが大事です。海外旅行傷害保険は必須アイテムと言っていいのではないでしょうか。
?パンフレットなどでは「無手配日」と記載されるようになり、「特別補償」の対象とならない旨記載されます。 パンフレットの表記に注意をしましょう。
(4) 取引条件説明等の充実
@ 有効な旅券、査証の取得などの情報が追加されます。 旅行会社が記載を義務つけられますが、消費者としても知らなかったとはいえなくなるということになります。
A 危険情報、衛生情報などの情報が追加されます。 旅行会社が記載を義務つけられますが、消費者としても知らなかったとはいえなくなるということになります。
B 個人情報取扱に関する情報取扱が追加されます。 旅行会社の申込書にこの項目が追加されるようになります。
(5) 広告内容の適正化
@ 安全・衛生や、旅行業者等の業務範囲に関する誇大表示が禁止されます。 当然のことです。たとえば、温泉で旅館からの報告でそのようになっていたから、ということでは旅行会社は責任を逃れることができなくなります。より厳しくなります。旅行会社は自社の責任で厳しくチェックをしなくてはなりません。
(6) 保護措置
@ 旅行中に旅行者が、疾病、傷害等で保護を要する場合、旅行業者は必要な措置をとることが明記されます。 当然のことですが、旅行会社は病気・怪我などのお客様に必要な面倒をみることになります。
ただし、あとで出てきますが、それにかかった費用はあくまでも消費者が負担をすることになります。旅行代金にはこのようなことに対応するコストは含まれてはおりません。
   
(7) 禁止行為
@ 旅行地で特定サービスまたは特定物品の購入を強要する行為が禁止行為に追加されます。 旅行中に旅行会社がお客様にみやげ物などを強制的に販売するようなことが禁止されます。
でも、みやげ物屋にお連れしてはいけない、ということではありません。買い物を楽しみにしておられる方も沢山います。買い物はあくまでも自己責任でお楽しみください、ということになります。
 2 旅行者の自己責任や費用負担など
(1) 旅行者の責任の明確化
@ 旅行者は契約内容について理解するよう努めなければならないとする努力義務が規定されます。 ここが一番重要かもしれません。消費者の責任も明確化されるようになりました。これは平成16年6月に改正された「消費者基本法」との関連が深いものです。以前は「消費者保護法」であったものから「保護」がなくなっております。「消費者の自立」がうたわれるようになってます。
A 旅行サービスが契約通りに提供されていないと認識した場合、速やかに旅行業者等に申し出なければならないとする義務が規定されます。 「速やかに」ということが重要になります。苦情を旅行中にはっきりと伝えることによって、トラブルは随分と減るものです。旅行会社、消費者にとっても重要なことです。
(2) 費用負担
@ 介助者同行など、特別な配慮を要する旅行者のために要した費用は、旅行者側の負担となることが明記されます。 いままでこういった費用を無料と思われている方がいかに多かったかということであります。旅行代金にはこのようなものが組み込まれていることはありません。消費者側の理解が必要となります。
A 旅行契約の変更や、旅行開始後の契約解除(旅行業者に責任がない場合に 限る)の際に、旅行業者が旅行サービス提供者に支払う取消料、違約料等は、旅行者側の負担となることが明記されます。 これもトラブルが多かったもの。旅行を途中でやめる場合の、取消料などの問題です。かかる費用がお客様の負担になることを明確にすることになります。
B 旅行中の疾病、傷害等により、旅行者が旅行業者の保護措置を受けた場合、その費用は旅行者側が負担することが明記されます。 これも@と同じです。
3 除権・契約関係の明確化など
(1) 解除権
@ 特別な優遇を迫るなど、合理的範囲を超える負担を求める旅行者は、旅行業者が旅行開始前に契約を解除できるとする規定が整備されます。 お客様の中には結構ご自分だけを特別扱い、優遇することを求める方がいます。このような人がいるために他の人からの信用をなくしてしまうということもあります。
これからはお客様に旅行をやめていただくことができるようになります。
A 介助者の同行が必要と認められる旅行者で、介助者の同行なしに旅行に参加するなどした場合、旅行業者が旅行開始前または後に契約を解除できるとする規定が整備されます。 実はこれも結構多いことなのです。旅行を申し込みにこられる方はなんら問題はなかったのですが、いざ旅行にいく日に集まった方は介助がなくてはとても旅行がいけないという方が。それも一人で参加された、といったことが。
旅行会社には正直に伝えておくほうが何かとトラブルを避けることができます。
B 添乗員等の指示に違背したり、添乗員や他の旅行者等に暴行、脅迫を行う旅行者は、旅行業者が旅行開始後に契約を解除できるとする規定が整備されます。 これもやはり結構多いことなのです。女性添乗員の80%はセクハラにあった体験をしているというデータもありました。このようにうたわなければならないということは残念ですが。モラルの向上を期待したいです。
C 天災地変など不可抗力発生時の旅行業者・旅行者の解除権は、不可抗力事由が「生じた場合」に明確化されます。 よくあることですが「あぶなそうだからやめたい。でも取消料ははらいたくない」という件です。これは明らかに不可抗力事由が発生した場合、と明確にされます。
  *「生じそうだから」ということでは解除できません。
(2) 旅行業者の免責
@ 天災地変など旅行業者等の関与し得ない事由で、旅行者が損害を被った場合、旅行業者は免責となることが明記されます。 これもよくあります。旅行中にいろいろなことに遭遇することがあります。旅行会社がすべて費用を負担をするということはできません。もともとのコストにそのようなものは含まれておりません。
4 旅行サービスの内容に関連する事項
(1) 契約責任者
@ 家族旅行や団体・グループ手配の際、契約責任者による申込みが可能となった。 よくあるのが申し込みに行った人が旅行をやめてしまった。あとで、残った人で取り消しが発生した場合に、取消料のことは聞いてない、、などというトラブルです。
 

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