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チャイルド44 上・下 CHILD44
 作者:トム・ロブ・スミス  TomRob Smith
 翻訳:田口俊樹
 新潮文庫 
 2008年9月出版
 定価:上巻705円 下巻667円(税別)
 ISBN978-4-10-216931-5   ISBN978-4-10-216932-2
2008年のナンバーワン作品
衝撃的なデビュー作品

 うーん、確かにすごい作品だ。いきなりこんな場外ホームランがでてしまった。とても20代のデビュー作品とは
思えない。すごすぎる。しかも舞台はソ連である。1953年、まだ世界大戦が終わってそれほどの時は過ぎていない。
ソ連と米国の冷戦を描いたのであれば作品は数多くある。違う。この作品はソ連そのものでの物語だ。
 とにかくどんどん読ませる。そして飽きさせない。しかも読後感がよい。傷ついた男女の再生の物語でもある。

<冒頭>
 モスクワ
 1953年2月11日

 雪玉がジョーラの後頭部をとらえた。耳のまわりで雪が弾け、彼は驚いた。背後の
どこかから弟の笑い声が聞こえてきた。大声で笑い転げていた。- ただ1回のまぐれ
あたりなのに得意げに。ジョーラはコートの襟から雪を払った。が、そのうちのいく
らかはすでに背中にはいり込んでしまっていた。

<出版社のコピー>
  この国家は連続殺人の存在を認めない。
   ゆえに犯人は自由に殺しづづける。