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しんく 深紅 |
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著者:野沢尚 | |||||
講談社文庫 | |||||
解説:高橋克彦 | |||||
定価:695円+税 | |||||
ISBN4-06-273917-8 |
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カバーデザイン:石倉ヒロユキ | 2000年12月刊行 2003年12月15日文庫にて刊行 | ||||
野沢作品の代表作 | |||||
一読して感じたのは、よくぞこんな物語を考えだしたものだ、ということに驚きました。 まさか、加害者と被害者のそれぞれの残された娘が接近をする物語とは。 被害者の娘秋葉奏子(かなこ)が傷ついたこころを、リアルに何度も何度も客観的に見つめて いるのが痛々しく、せつなくなる。殺された被害者の苦しみをそのまま引き継がなければならない 残された子供の辛さ。実にリアルである。 一方、加害者として残された娘も様々な苦しみに耐えてゆかなければならない。犯罪が犯罪者だけの 問題ではなく、その周辺の人々にとっていかに深く関わるものかを、描いた秀作。ぜひ、ご一読を。 作家紹介:1960年愛知県生まれ 日本大学芸術学部映画学科卒業 シナリオライターとして活躍 1997年 「破線のマリノス」で江戸川乱歩賞受賞 2001年 「深紅」にて吉川英治文学新人賞受賞 2004年6月 死去 |
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<冒頭> | |||||
第一章 1 薄墨色の闇に、廊下の白熱灯の明かりが流れこんでくる。 スリッパの足音が聞こえた時から、奏子(かなこ)たち八人の小学校六年生は気配を察して布団をか ぶっていた。夜十一時過ぎまで起きていたと分かれば、井原先生のきりきりした神経質な怒 号を聞く羽目になる。坊ちゃん然とした顔立ちだが、怒らすと結構怖いのだ。 |
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<出版社のコピー> | |||||
父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、演奏子はj彼女に会うが!? 吉川英治文学新人賞受賞の衝撃作。 |
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<おすすめ度> | |||||
☆☆☆☆ |