 
			  梅雨が明けたら突然真夏、
			      当たり前ではありますが猛暑は結構つらい。
			      最近は暑さも35℃以上の猛暑日が結構あり、
			      日本は熱帯だと再認識のこの頃。
		        ここは、最適環境の映画館に出かけましょう!
		        
 6/26~7/25 梅雨から真夏への30日間に出会った映画は30本、極端な洋高邦低となりました。
				     何でも見ているつもりですがポケモンとかアンパンマンとか日本の幼児向けアニメは流石にちょっと…。
				     試写会で見て、まだ公開されていないものには(試写会)と入れています。
				    
			      
必死剣鳥刺し 
                      踊る大捜査線 ヤツらを解放せよ 
                      シュアリー・サムディ
                      きな子 見習い警察犬の物語(試写会) 
                      借りぐらしのアリエッティ
                      風の又三郎(古) 
                    風の中の子供(古)
ザ・ウォーカー
                      セックス・アンド・ザ・シティ2 
                      ザ・ロード
                      イエロー・ハンカチーフ 
                      あの夏の子供たち 
                      ヒックとドラゴン(試写会)
                      パリ20区 僕らのクラス 
                      レポゼッション・メン 
                      アデル/ファラオと復活の秘薬
                      ボローニャの夕暮れ 
                      トイ・ストーリー3 
                      プレデターズ 
                      シスタースマイル ドミニクの歌
                      アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち 
                      ガール・フレンド・エクスペリエンス
                      特攻野郎Aチーム(試写会) 
                      エアベンダー
                      インセプション 
                      ぼくのエリ200歳の少女
                      ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 
                      ハロルドとモード 少年は虹を渡る(古)
                      小さな命が呼ぶとき 
                    ゾンビランド 
① インセプション
			       「告白」をご覧になりましたか?先月、日本映画に吹いた突風はまるでインセプションのよう。二人の監督の映画をつくる姿勢がはっきりしています。その力に押し流される、その快感に酔いましょう。
② 必死剣鳥刺し
			       しっかり地に足を付け、劇的描写ではなく心根の座った静かな画面で、サラリーマン社会のような武士社会を描き、おじさん達の共感を呼ぶ藤沢周平原作の映画化。
③ プレデターズ
			       どこかの惑星に人間が2週に一度の間隔で送り込まれ、約10人ずつパラシュートで地上に落とされる。そこから始まる追いかけっこをただひたすらに描いている。B級テイストの作品ながらバランスの取れた描写で力強くすっきり。
		        
今月は1、2が飛び抜けていました。その他に面白い作品は次の通り、見に行きましょう!
●あの夏の子供たち:映画プロデューサーの話、自分の作りたい作品のため東奔西走の日々、幸せな子供たち。
●パリ20区 僕らのクラス:パリ20区の高校生のクラス、先生と生徒のやり取りは真剣だ。ほとんどドキュメンタリーのドキュドラマ。
●トイ・ストーリー3:流石に手堅い作りで見せてくれるディズニー・ピクサープロ作品。おもちゃは子供に!
●アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち:凄い人たちがいっぱいの中でベリンジェリのピアノには心躍りました。
●特攻野郎Aチーム:製作にリドリーとトニーのスコット兄弟が関わっていて流石に話が複雑だが結構スカッと豪快。
●きな子 見習い警察犬の物語:ダメな子はみんなの共感を得ることができる。実際のきな子もまだ試験は受かっていません。
●借りぐらしのアリエッティ:ジブリの新作は新人監督の作品ですが、強い個性を感じさせないところがいいのか、悪いのか。
●ぼくのエリ 200歳の少女:スウェーデンの街で暮らす少女エリ、雪に覆われた白い世界で赤い世界が描かれる。
●小さな命が呼ぶとき:アメリカの凄いところはいろんな人がいて、その違いを尊重しているところでしょうか?
●ゾンビランド:ゾンビの国アメリカで生きる4人、主人公がひきこもりでゾンビによって引き出されたというのがオカシイ。
★トイ・ストーリー3の声優たち
 トイストーリー3は3Dの字幕版で見ました。流石ディズニー、声優陣も超豪華と最後の配役を見ていて気付きましたカウボーイのウッディ役はご存知トム・ハンクス、カウガール、ジェシーはご贔屓ジョーン・キューザックです。
			      他には、マイケル・キートン(ケン役)、ウーピー・ゴールドバーグ(ストレッチ役)、ネッド・ビーティ(ロッツォ役)、ティモシー・ダルトン(ミスター・ブリックルパンツ役)と懐かしい人がずらり。いずれもある時代を築いたスターばかり。もっとも、今回声だけで気が付いた人はほとんどいなくて、
			      やはり顔を見せていただきたいと思うのです。
		        
		        
		        
		        
A:ボローニャの夕暮れ
外国映画の題名がカタカナばかりになって久しい。たとえば今月に私が見た外国映画23本のうち、カタカナ(プラス数字)だけで名付けられたものが11本、地名や人名がカタカナになるので仕方がないが、カタカナが一切使われていない題名は「あの夏の子供たち」「小さな命が呼ぶとき」の2本だけである。そんな中、日本映画にも「シュアリー・サムデイ」なんてのがありますけどね。
 カタカナが多く使われる理由としては次のようなものがあげられる。
  ・なんとなく大作風に見える、聞こえる。
   (→インセプション、プレデターズなど)
  ・イメージが広がる。
   (←セックス・アンド・ザ・シティ2 ?)
  ・的確な日本語が見つからない。
   (→エアベンダー)
  ・現地製作者の指示で。
   (今回確認できておりません)
  ・宣伝担当者の知恵なしで。
(→ザ・ウォーカー とか。
    これ角川映画です。しかも原題はThe Book of Eli)
  ・趣味で。(→シュアリー・サムデイ・・・)
そんな中「ボローニャの夕暮れ」が現れた。懐かしい。何がって? 夕暮れですよ、夕暮れ。なんとなく人生に結び付けたくなる夕暮れという響き、イメージだけで具体性のない言葉、人によってどのようにも取ることができ、さらに単独でも他の言葉と結び付けても心地よい柔軟性。
実は映画の内容とはほとんど関係がないのに、何を見ようかと迷う人を一押ししてしまう便利な言葉。最近こうした題名を見ることが少ない、というかほとんどない。日本語題名が少なくなったことがこの傾向の第一原因でしょう。
 「ボローニャの夕暮れ」の原題はイタリア語で、「ジョバンナの父」というごく具体的で内容ぴったりのもの。舞台はボローニャだから偽りはないが、
  夕暮れはどこに出てきたのだろうかなど、疑問に思ってはいけないのである。
  題名に似合わずちょっと変わったお話だという点は心の隅にしまい、この懐かしい題名を愛でていただきたい。
B 小さな命が呼ぶとき
 “余命1年―君を失うには、早すぎる”
   “不可能といわれた《治療薬》開発に挑む、父親の軌跡。”
   というのがこの映画の惹句です。
最近の映画宣伝において、各作品の公式ホームページがどの程度の力を持っているのか検証したことはないが、90%近く(この数字も検証していないが)の作品にホームページがある。WEBデザイナーが腕によりをかけ作りだしたホームページは、バラエティに富んで面白い。ほとんどのホームページのURLはその作品から直接想像できるものになっている。
例えば、
・インセプション → www.inceptionmovie.jp
  ・必死剣鳥刺し → www.torisashi.com (
          お刺身かいと思うかもしれない)
  ・あの夏の子供たち → www.anonatsu.jp 
  ・借りぐらしのアリエッティ → www.karigurashi.jp
というように、題名の一部をそのまま使ったものがほとんどだ。そんな中、「小さな命が呼ぶとき」のURLは次のようなものだった。
www.papa-okusuri.jp
予告編の最後に出てくるこのURLを見る都度、なんだかニコッとしてしまった。
6/19に「ザ・ウォーカー」、6/26に「ザ・ロード」と2本のアメリカ映画が封切られた。2本の題名を合わせれば「道を歩く人」のようになるが、確かにどちらも歩く人たちが主人公だ。
どちらの作品も通常の世界が終焉した後の世界を舞台にしている。「ザ・ウォーカー」は戦争の後、「ザ・ロード」は自然現象なのかはっきりしないが、いずれも人間のほとんどが死に絶え、草木を含め自然生物の多くも死に絶えた世界、殺風景なむき出しの大地を西に南へそれぞれ希望を求めて歩き続ける。
そこでは風景が似ているばかりでなく、他にも似た事柄が多く見られる。
最も重い事柄は食糧不足→食糧の奪い合い→人間狩り→人肉食である。人間が生き延びるうえで基本となる食糧だから当然のことか。車が使えないとなるとものを持ち歩くのにショッピングカートが利用される。重いものを持ち運ぶにはショッピングカートが便利なのだ。しかし、こうした状況下でのショッピングカートは、巨大消費社会の残滓のように見え、哀れな風景だ。
「ザ・ロード」は2006年に発表された原作があり、「ザ・ウォーカー」はオリジナルという違いはあれ、ほぼ同時期に製作されたのを見ると、今のアメリカ社会には終末思想が蔓延しているのだろうか?熟し切った消費社会に対する宗教的反省として、作られたようでもある。「ザ・ウォーカー」は妙に宗教的結末となり、おいおいというところだが、「ザ・ロード」ははっきりした希望もなく、終末的現実のまま終焉となる。その生真面目な物語がアメリカ人の宗教観を際立たせてもいる。
7/24アメリカ映画「ゾンビランド」が封切られた。ゾンビに占領されたアメリカで生きる4人+ビル・マーレー、ほとんど上記2本と同じ設定ながら、ここには絶望も希望もなく、笑い飛ばしているところが気持ちいい。
 6月号でお伝えした通り、ニューヨークに行ったとき映画関係で見たのは、
  泊まったニューヨークヒルトンの隣にあった映画館ジーグフェルド劇場だけ。
「セックス・アンド・ザ・シティ2」を見ていたら、大作(?)映画のプレミア試写会場としてこの映画館が出てきた。というだけのことですが…。そういえば、あの時舞台後の劇場外で見かけたヴィオラ・デイヴィスさんは、共演のデンゼル・ワシントンともども、トニー賞(舞台のアカデミー賞)のドラマ部門主演女(男)優賞を受賞しました。ミュージカルの主演女優賞はキャサリン・ゼタ・ジョーンズでした。
 ではまた来月!
