見せよう会通信

映画はいつも今が一番おもしろい!
今月のお勧めベスト!
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すべて神谷二三夫が独自の視点で
書いているものであります
皆様が映画を楽しまれる時の
ご参考にしてください

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2024年4月号  アカデミー賞 結果と話題

 

 

桜の開花時期が遅れつつありますが、
これからは春に向ってまっしぐら。
何かに向ってまっしぐらはいかにも若い。
時にはゆっくり座ることも必要だ。
それには、そう、映画館!


 

2/26~3/25のなかなか春になれない寒さのあった29日間に出会った作品は39本、
邦/洋画は11/28と洋画は旧作8本もあり圧倒した。
新作は11/20となり、洋画が邦画の約2倍となった。
先月と同じく外国の旧作にあげた8作品の内「夢の涯てまでも」を除く7作品は、ロードショー劇場で見ることになった。ピーター・グリーナウェイとか東京という特集テーマのもとに特集上映されたものや、4K版とか、新作が公開される監督の前作とかで公開されたものだ。「夢の…」は東京都写真美術館で鑑賞した5時間弱の作品。


 

 

  今月のベストスリー

 

①-1 デューン砂の惑星Part2
フランク・ハーバートのSF大河小説の映画化第2弾。監督、出演者は同じで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメが主演、ゼンデイヤ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリンなど前作と同じ人が多く出演している。今作で新たに登場するのはクリストファー・ウォーケン、フローレンス・ピュー、オースティン・バトラーなど。圧倒的な描写でデューンでの戦いが描かれる。

 

①-2 流転の地球-太陽系脱出計画-
ベストセラー「三体」作者の短編『流浪地球』を原作に作られたSFの続編。残念ながら前作は見ていないが、この作品だけでも十分楽しめる。特にSFが好きな人は必見。中国映画が力を結集して、65億の製作費もかけた超大作。アンディ・ラウまで出演していた。今月のつぶやきも参照。

 

②-1 落下の解剖学
アカデミー賞脚本賞受賞のフランス映画。カンヌ映画祭ではパルムドールを受賞、更に犬のメッシがパルムドッグを受賞している。監督はジュスティーヌ・トリエで、脚本は私生活のパートナーであるアルチュール・アラリと共作している。雪山の山荘で転落死した男を巡り、妻が殺人容疑で裁判へ。目撃者は視覚障害のある11歳の息子のみというミステリー法廷劇で、引き込まれる。

 

②-2 かづゑ的
1938年にハンセン病と診断され10歳で岡山県の長島愛生園に入園、以来86年暮らしてきた宮﨑かづゑさんを追ったドキュメンタリー。古くはらい病と呼ばれたハンセン病は、長く療養所に隔離することで感染を防ぐ政策を取られてきた。家族から隔離され、進行する病と闘いながら、差別とも戦いながら生きてきたかづゑさん。84歳で出版した彼女の本「長い道」を読んだこの映画の監督熊谷博子さんが“あなたの人生を残したい”と会いに来ると、いきなり入浴場面を撮らせたという。本当のことを知ることが大事だという信念のもとに。

 

③-1 津島-福島は語る・第二章-
福島の浪江町津島は福島第一原発から30㎞以上離れているが、帰還困難区域に指定されたまま住民は帰れていない。そうした住民を訪ねインタビューした作品。津島での生活を思い出しながら語る人々の嬉しそうな表情は、最近の映画ではめったに見られないほど幸福感に満ちていた。今月のトークショーも参照。

 

③-2 12日の殺人
監督のドミニク・モルはドイツ人の父とフランス人の母の息子として1962年ドイツで生まれ、ニューヨーク市立大学で演出を学び、今はフランスで映画を作りながらフランスの映画学校La Femis(ラ・フェミス)で教鞭も取っている。映画はパーティから帰宅中にガソリンをかけられ、火をつけられる女性から始まり、翌朝焼死体で発見される。捜査が進むにつれ、彼女の奔放さも判明し…。2013年5月に実際にあった事件を映画化。10年以上経った今現在も未解決になっている。共同で脚本も書いているモル監督はどう描いたのだろうか。

 

 



 

 

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