2017年 12月号back

今日は11月25日、来週は既に最後の月、師走に入る。
寒さも増して冬らしく、年の瀬迎えて忙しさもひとしお。
忙しさの中、心落ち着けて楽しむ場所、
そう、それは映画館!

 

 

 

 

 

今月の映画

 

10/26~11/25、めっきり寒くなってきた31日間に出会った映画は50本、先月お伝えしたように、この期間には2つの大きな映画祭と、他の映画祭もあり、映画祭関係だけで18本をみました。その中には8本の旧作が含まれます。映画祭名を【 】の中にいれて、その後ろに本数だけ書いています。映画祭で上映された作品で日本での上映予定がないものは、今月のベストスリーに入れていません。映画祭関係で見た映画については今月のトピックスにまとめました。
映画祭以外では日本映画の新作が2本のみと極端に少なく、外国映画は20本と通常のペースでした。

 


 



<日本映画>

彼女がその名を知らない鳥たち 
ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~
或る女(古) 
西城家の饗宴(古) 
裏階段(古) 
幸福の限界(古)


【東京国際映画祭】2本

 

 

 

<外国映画>

立ち去った女
  (Ang Babaeng Humayo / The Woman who Left) 
ゲット・アウト
  (Get Out) 
ブレード・ランナー2049
  (Blade Runner 2049) 
アトミック・ブロンド
  (Atomic Blonde) 
バリー・シール/アメリカをはめた男
  (Barry Seal) 
マイティ・ソー バトルロイヤル
  (Thor:Ragnarok) 
ノクターナル・アニマルズ
  (Nocturnal Animals) 
ポリーナ,私を踊る
  (Polina, Danser Sa Vie / Polina) 
はじまりの街
  (La Vita Possibile / A Possible Life) 
リュミエールLumiere!
  ( Lumiere!) 
ザ・サークル
  (The Circle) 
ホリデイ・イン
  (Holiday Inn) 
IT イット“それ”が見えたら,終わり。
  (It) 
ゴッホ 最後の手紙
  (Loving Vincent) 
KUBO/クボ 二本の弦の秘密
  (Kubo and The Two Strings) 
人生はシネマティック
  (Their Finest) 
不都合な真実2 放置された地球
  (An Inconvenient Sequel:Truth to Power) 
ローガン・ラッキー
  (Logan Lucky) 
ギフテッド
  (Gifted) 
夏の夜の人々
  (Thmiset Suoiyossa / People in the Summer Night)


【東京国際映画祭】4本
【フィンランド映画祭】3本
【東京フィルメックス】3本


イタリアン・アメリカン(古)
(ItalianAmerican) 
賭博師ボブ(古)
(Bob Le Flambeur) 
いぬ(古)
(Le Doulos) 
影の軍隊(古)
(L!Armee des Ombres) 
モラン神父(古)
(Leon Morin, Pretre / Leon Morin, Priest)) 
バンドワゴン(古)
(The Band Wagon)

 

【東京国際映画祭関連】6本


 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

 

 ブレードランナー 2049
リドリー・スコット監督が1982年に作った「ブレードランナー」の続編は30年後の2049年が舞台になっている。レプリカントはますます進化し、どんどん人類に近づいているのだが、それに抵抗する部分も人類には残っていて、いつまでも平衡の部分があるのだ。今作の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴは前作のテイストをうまくキープしながら、より進んだ世界を作り出している。リドリー・スコットは製作総指揮。

 

②-1 ゴッホ 最期の手紙
ゴッホの死の謎に迫るこの作品は、何とも芸術的というか、手間をかけた映画作りで出来上がっている。生涯800枚の絵を描き、生前に売れた絵は1枚だけだったというゴッホは周りの人を多く描いている。描かれた人々をその絵のまま動かしてアニメーションにする、しかもCUPではなく手書きの絵をつなげていくことで。世界から125名の画家が参加、62450枚の絵が描かれたという。日本からは古賀陽子さんが参加。

 

②-2 KUBO/クボ 二本の弦の秘密
今年のアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた作品だが、受賞した「ズートピア」に勝るとも劣らない作品だ。舞台は日本、祖父に片目を奪われた少年クボと母親の逃避行、追手との闘いを折り紙と三味線で優雅に見せる。これほど繊細に日本人的感性を描いたスタッフには日本人はいず、監督トラヴィス・ナイトは黒澤明や宮崎駿を敬愛しているという。

 

③-1 マイティ・ソー バトルロイヤル
マーベルコミックスのアメコミ軍団の中でマイティ・ソーはどちらかと言えばダサい主人公だった。大体、あの髪型は?いくら何でもと思っていたのだが、今回スタン・リー名誉会長によって髪が映画の中でカットされイメージチェンジ、作品自体もかなり面白くなっている。ケイト・ブランシェット、ジェフ・ゴールドブラムなど出演陣も一段とアップ、浅野忠信もちょっと出演、オススメです。

 

③-2 ギフテッド
与えられた才能がなければ、7歳の少女が数学の難問を解けるはずはない。その才能を伸ばしてあげるのは大事だが、それ以上に大事なのは普通の子どもとして愛してあげることとだと教えてくれるうれしい作品だ。トム・フリンの脚本がしっかりしている。天才少女メアリーを演じるマッケナ・グレイスは天才子役と評判だし、叔父フランク役のクリス・エヴァンスはキャプテン・アメリカよりずっといい感じだ。

 

 

おもしろい作品は他にも、お楽しみください。

 

ゲット・アウト:アメリカにおける黒人差別の歴史は長い。最近の映画でも多く取り上げられている。60年代に「招かれざる客」という映画でリベラルな両親のもとに黒人の彼を連れて行くという内容が話題になったが、その現代版がこれだ。今や微妙になった差別感覚、これを日本人が理解するのはなかなか難しいが、この作品はなかなか頑張っている。

 

アトミック・ブロンド:ベルリンの壁が崩壊する1989年を舞台に、崩壊寸前時点での東西対決スパイ合戦がクイーンの曲に乗ってテンポよく展開される。MI6、KBG、CIAなどなど、最後に勝つのは?

 

ノクターナル・アニマルズ:ファッション界の大立者トム・フォードが「シングルマン」に続く2作目として7年ぶりに発表したのは、元夫から送られた小説に心乱される美術クリエーターの心模様を描く。小説と現実が互いに侵食し合いながらラストへ。隅々まで感じられる美意識がいい時もあれば、気に障ることもある、いずれにしても繊細な映画。

 

ポリーナ、私を踊る:フランスの漫画、グラフィックノヴェルを映画化した作品は、バレエ好きのロシアの少女がボリショイバレエ学校から、フランス、ベルギーのバレエ界に流れていく様を描く。それにしてもロシアにおけるバレエに対する尊敬の念はここでも顕著。

 

彼女がその名を知らない鳥たち:イヤミスの書き手の一人沼田まほかるの原作を映画化、性格最悪の女主人公と外見バッチい男主人公の見ておられない関係を描く。まほかる原作は最近「ユリゴコロ」も映画化されているが、未見。気分悪くなりましたか?

 

リュミエール:光を意味するリュミエールは、フランスのリュミエール兄弟が1895年に世界で初めての映画作品を撮りだした後1905年までの10年間に製作された1422本の中から108本を選び、約50秒の作品群を繋いだもの。有名な「工場の出口」にいくつかの別パターンがあるなど、発見もあります。

 

ザ・サークル:「いいね」のために、生きている。というのが、この映画のキャッチだから、ザ・サークルというSNSはフェイスブックを模したものだろう。気を付けよう、心に良くないSNS!

 

ホリデイ・イン:「ホワイトクリスマス」という曲が歌われた映画として有名な「スイングホテル」(ビング・クロスビー、フレッド・アステア主演)という映画(1942年)があったが、その原題はホリデイ・インでその題名で2016年にブロードウェイで舞台ミュージカルとして上演された。その舞台を撮って映画にしたものがこの作品。楽しめます。

 

IT イット“それ”が見えたら、終わり。:少年たち主演のスティーヴン・キング原作の映画と言えば「スタンド・バイ・ミー」が思い出される。これはそのお化け屋敷版と言えばいいか。ヴィヴィッドな少年たちの日常もありながら、驚き一杯。日本題名も驚き。

 

人生はシネマティック:2次大戦下のロンドン、政府の戦意高揚映画製作にかかわった女性を中心に描く。ダンケルクでの一般市民が7~800艘の船を出して退却する兵士を助けた話を映画にする、その製作場面を映画にした作品。脚本を書くチームの話が中心で、この映画自体の脚本にも力が入っている。平坦ではない話の進め方、楽しめます。

 

不都合な真実2 放置された地球:前作から10年、地球の状態はどんどん悪くなっていると訴えるアル・ゴアの第2弾。トランプ大統領がパリ協定を破棄してもめげないそのエネルギーに感嘆する。

 

 

 

 

 


Ⅱ 今月のトークショー

 

 

今月のトークショーは総て映画祭関係でした。今月のトピックスをご参照ください。

 

 

 

 

Ⅲ 今月の懐かしい人


☆ブレンダ・バッカロ
日本人は関係していないのに日本を舞台に素晴らしい物語を見せてくれた「クボ 二本の弦の秘密」のクレジットを見ていたら、ブレンダ・バッカロの名前を見つけた。勿論声優として。このちょっと変わった名前の女優を見たのは1969年の「真夜中のカーボーイ」、男娼ジョン・ヴォイトを買った女性の役でだった。
その彼女がKameyoの声優役で声を聞かせている。残念ながら顔は見えないが、元気な声で村のおばあさん役を演じていた。1939年生まれの78歳、TVを中心にずっと活躍してきたようだ。

 

 

 

Ⅳ  今月の旧作

 

ジャン=ピエール・メルヴィル特集
今年の秋は色々なところでジャン=ピエール・メルヴィル監督の特集が行われた。生誕100年を記念したものだ。まだすべてが終わってはいない。12月には横浜まで見に行く予定。
今までに見た4本は(古)に入れた次の作品:賭博師ボブ、いぬ、影の軍隊、モラン神父
影の軍隊」のみ再見、アクション映画のような緊張感の中に、レジスタンの生き方が静かに描かれていた。4本の中ではこの映画が一番静かというか、抑制が効いていた。それだけメルヴィルが成長してきたのか、あるいはスタイルが完成してきたのか。この作品は1969年、他の3本は1956~62年で少し時代が違っている。
もともとアメリカ映画が好きで、カッコよいものが好きだったのだろう。外見的スタイリッシュという意味で「賭博師ボブ」が面白い。ジャズが大音響で奏でられ、ボブの最後の勝負がスマートに描かれる。この作品では監督も脚本もMelvilleとのみ名乗っている。

フィルムセンターでは「生誕100年 ジャン=ピエール・メルヴィル、暗黒映画の美 展」が9/26~12/10の期間、展示室で開催されている。展示の90%くらいを用意したのが、オリヴィエ・ポレール氏、「コードネームはメルヴィル」というドキュメンタリー映画を作った人だ。彼のトークイベントが11/04に展示室であり、聞きに行った。展示に沿って移動しながら話をするというもので、30人くらいが話を聞きながらぞろぞろと約1時間半楽しんだ。

 

イタリアン・アメリカン
(古)に入れたが、日本では初公開かもしれない。1974年製作、49分の中編はマーティン・スコセッシの監督・構成・出演である。

彼が両親を撮ったもので、自宅で母親がトマトソースを作りながら父親共々会話している。ファミリー・ムーヴィーそのもので、いかにもイタリア人一家らしく話が面白い。

 

 

 

Ⅴ 今月のつぶやき


●3時間48分と言えば、あの「旅芸人の記録」にほぼ近い長さ。監督ラヴ・ディアスは他に11時間の映画も作っているという。その初めての日本の劇場公開作となった「立ち去った女」は、充分には楽しめなかった。多分私の体力が落ちていたのだろう。

 

●またまた、アメリカは変な国だと思わせるのは「バリー・シール アメリカをはめた男」で主人公バリー・シールが実在の人間だと知ったときだ。海外から自分のプライベート空港に色々な品物を運び、儲けた金を置く場所がなく色々なところに置きっぱなし、時には地中に埋めている。

 

●義母の作り方を覚えたと日本と同じようなことを言っているのはスコセッシの母親、披露してくれたトマトソースは夫の家のレシピーだったそう。「イタリアン・アメリカン」は「アリスの恋」と同じ年に作られているので、彼が名作を連発し始める時期と重なる。

 

●現地では大問題なんだろうが、フロリダ州マイアミで海面上昇が激しいことを知らなかった。「不都合な真実2 放置された地球」で最も驚いたことの一つだ。

 

●できすぎ感のある物語でちょっとがっかりなのが「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」、実話ではないんですね。多くのスターが出演、食べ物話で、更にスターシェフの話では、まるでTV的な乗り。二宮がそこにはまっているのは、それでいいのか?

 

 

 

 

 



今月のトピックス:映画祭は続く 



Ⅰ 映画祭は続く 

 

この1か月間に映画祭関係で見た映画は次の通り。映画祭ごとにまとめました。
映画祭そのものに対する感想と、各作品には一言コメントを載せました。

 

【東京国際映画祭】30回目の今年、どの程度盛り上がったのだろうか?審査委員長はトミー・リー・ジョーンズ、結果発表の閉会式にはアル・ゴア(不都合な真実2が上映された)が登壇したが、華やかな外国スターの参加はなかった。普通の人たちに如何に興味を持たせるかをもう少し研究した方が良いという印象。運営面では、チケットの発売方、会場が六本木に一本化、実際の上映などには問題はなかった。


<日本映画> (古)
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲:原恵一特集で上映
やっと見られた「オトナ帝国の逆襲」は面白かったが、期待したほどではなかった。
上映後のトークショーでは、しんちゃんシリーズで初めて自分のしたい事をした作品と発言あり。また、携帯は嫌いなので持たず(パチパチ)飲む誘いもFaxでしているとか。


ケンとカズ:日本映画監督協会新人賞の少路紘史監督作品として上映
昨年一部で話題になった作品だが見逃していた。作品はそれなりによくできていると思うが、内容が残念。チンピラあんちゃん系の話で、私にとっては安易すぎるという気がする。
トークショーでは次回作を準備中と言っていたが、内容吟味してください。


<外国映画> 
グレイン(Grain):トルコの名匠セミフ・カプランオールの作品は今年のグランプリ。近未来の地球の食糧危機をモノクロ画面で描く、いかにもなグランプリ作品。
主演ジャン=マルク・バールもトークショーに登壇。「グランブルー」の初来日で見る気に。


スパーリング・パートナー(Sparring):45歳の負け犬ボクサーを主人公にフランスの新人監督サミュエル・ジュイが描いた切なくも面白い勝負の世界。負ける主人公に感嘆。
トークショーには監督の他に主演の二人、マチュー・カソヴィッツとソレイマヌ・ムバイエが登壇、俳優業の傍らキックボクサーで来日経験もある前者と後者は元プロボクサーチャンピオンで面白い話が聞けた。


レインボウ(Rainbow):イタリアのタヴィアーニ兄弟の監督作品。ファシスト党と闘ったレジスタンス青年の友情と愛。主題歌のように使われるオーヴァー・ザ・レインボウ。


サッドヒルを掘り返せ(Sad Hill Unearthed):「続・夕陽のガンマン」のロケ撮影地スペインのサッドヒルにラストの墓地での決闘場所を発見・再現する様を追ったドキュメンタリー、メタリカのイエテボリでのコンサート場面から始まる映画は構成が上手い。
トークショーでは監督ギルレモ・デ・オリベイラと女性製作者が登壇、盛り上がる。

 

 

 

 

【東京国際映画祭関連】ジョージ・イーストマン博物館は1949年に開館した写真と映画のアーカイブ。8本の古い35㎜フィルムが運ばれてきてフィルムセンターで上映。6本鑑賞。


ベン・ハー(Ben-Hur:A Tale of The Christ)(1925年版):有名な1959年版の前の作品だが、これも素晴らしい出来。サイレント作品で新垣隆さんの伴奏付きで鑑賞。


戦艦バウンティ号の叛乱(Munity on The Bounty)(1935年版):18世紀後半に実際に起こった事件はこの後にも映画化されている。今回はクラーク・ゲーブルの溌剌が目立つ。


マルクス一番乗り(A Day at The Race):マルクス兄弟の狂気の喜劇はかなりあくの強いものだが、その中でこの作品は最もミュージカル的に上手くできている。


人生の乞食(Beggars of Life):男装してホーボー風に逃避行する主人公を描くサイレント映画。


生まれながらの悪女(Born to be Bad):清楚でおとなしそうなジョーン・フォンテインが演じる悪女、それに振り回される人々を描くニコラス・レイ監督作品。


グランド・ホテル(Grand Hotel):のちに舞台ミュージカルにまでなったその大本作品。いくつかのエピソードを並行的に描くグランドホテル形式はここから生まれた。

 

 

 

【東京フィルメックス】アジアを中心に作家主義を謳って開催してきたフィルメックスは今年が18回目。開会式を見たが、定員1000名弱のTOHOシネマズ日劇1の8割くらいは埋まっていた。5人いる審査委員の委員長は原一夫監督、23年ぶりの新作「ニッポン国VS泉南石綿村」が来年3月に公開される。


相愛相親(Love Education):中国、台湾合作、シルヴィア・チャンが監督・主演のドラマ、母の死に際し、父と同じ墓に入れようとするが…。もう一つと感じたが。


ファンさん(Mrs.Fang):中国ワン・ビン監督の新作は、認知症で寝たきりのファンさんとその家族を追ったドキュメンタリー。中国人の生態が垣間見られるが面白くはない。


サムイの歌(Samui Song):タイ発のフィルム・ノワールと書かれていた(Filmexのチラシに)が、それ以前に映画としてよく分からなかった。残念。拍手する人が2~3いたので大いに驚いた。なんでも拍手が映画祭の礼儀?

 

 

 

【フィンランド映画祭】9回目になる映画祭。フィンランドと言えばアキ・カウリスマキ監督が頭に浮かぶがそれ以外の人がなかなか見えない。初めて3本見てみた。


ペット安楽死請負人(Armomurhaja / Euthanizer):この作品は東京国際映画祭にも出品されていて脚本賞を受賞している。監督・脚本はテーム・ニッキで初めて作品を見る。映画は凄く面白い、よくできている。フィンランドでは11/24に公開されるとある。日本では公開されるのか?
トークショーに製作のヤニ・ペセが登壇、なかなか面白そうな人物、仕事しやすそうな人でした。


ラップランドの掟(Armoton Maa / Law of the Land):人が少なく、自然環境も厳しい北欧は絵的には西部の荒野に似ているともいえる。そうした風景の中で展開される複雑な家族関係から派生した復讐劇。


月の森のカイサ(Kuun mestsan Kaisa / Kaisa’s Enchanted Forest):スイスの作家とフィンランド北部のスコルト・サーミ部族の交流を描いたドキュメンタリーだ。

 

 

この他、11~12月にかけて東京では次のような“映画祭”がありました(す)。ただし、私の知る限りです。これ以外にもあったのではと思います。それくらい多くの映画祭、特集上映が行われています。機会があればトライしてください。何か発見があるかも。

 

11/11~12 船堀映画祭  タワーホール船堀 
11/11~17 ギンレイ🎼ピアノ映画祭  飯田橋ギンレイホール
11/11~12/01 60年代チェコスロヴァキア映画祭  イメージフォーラム
11/18~26 第27回映画祭 TAMA CINEMA FORUM  パルテノン多摩大・        小ホール等
11/25~12/15 ポーランド映画祭  東京都写真美術館ホール
12/09~15 第9回つながり映画祭  アップリンク渋谷

12/09~15 映画祭 映画と天皇  ユーロスペース

  

 

 

Ⅱ 句読点など

  

先月紹介の「ミックス。」は題名に「。」が付いていた。何の意味があるのだろうとずっと悩んでいたが、そうか、これは「君の名は。」効果かと思い当たった。「君の名は」ではなく「君の名は。」は超大ヒットだった。単にそれにあやかりたかったのだろう。
今月の「IT…」の原題は「IT」だけである。その日本語名は「IT イット“それ”が見えたら、終わり。」になっている。文字以外に “” 、 。 が使われ、さらにローマ字の IT までが含まれ、勿論漢字、ひらがな、カタカナも使われたという、前代未聞の題名になっている。これは記録を狙って日本題名を付けましたよね、担当者殿。

 

 

 

 

Ⅲ 神谷


昨日(11/24)の朝刊を見た時、大阪の自民党議員神谷昇氏のことが出ていた。市議等に現金を配ったというのだ。同じ姓の人が偉いことしてくれたなあと思ったのもつかの間、読み方は“カミタニ”で“カミヤ”でないことにちょっとホッとした。

 

夏まで働いていたオフィースは神谷町にあった。それまでに10回も行ったことはなかった神谷町で2年半ほど働いた。地下鉄日比谷線の駅で降り外に出ると、まるで多くの人から呼びかけられるように、“~神谷町店”、“神谷町~ビル”、“神谷町~クリニック”などが目に呼びかけてくる。東京に来てからこれほど呼びかけられたことはない、当たり前だが。

 

最近、映画館でも呼びかけられる。“お前に神谷さんの何が分かるねん”と菅田将暉が叫んでいる。その都度、菅田君いいこと言うじゃないかなどと思う。又吉の「火花」が映画化され、11/23から公開されているがまだ見ていない。予告編だけでもこんなに呼びかけられて、本編では大変だろうなと想像しながら、そろそろ見に行こうかなと思っている。

 

 

 

 

今月はここまで。
次回は2017の収支決算を検証します。映画祭の料金はシニアでも1500円が結構多く、どう影響するか。12/25クリスマスにお送りします。




                         - 神谷二三夫 -


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