2024年 新年特別号back

 

あけましておめでとうございます。

部屋の中から眺めていれば青空が広がり穏やかな元旦、
しかし外に出ると結構風があって前に進むのも大変なほど。
ずっと室内にいることもできないから、
風に負けず外に出ようかな。

丁度1週間前にお送りした1月号で、次号は1月25日にとお伝え…、
う~む、去年の事は忘れました。
皆様においても忘れてよろしく。
新年特別号をお送りします。

コロナがいつ終焉するのか分からない中、
ウクライナに加えイスラエル/ハマスの戦争が起こり、こちらも終焉が見えない。
しかし日本国内においてはほぼコロナ前の状況になり、普通の生活が戻ってきた。
今日は朝一番で「映画 窓際のトットちゃん」を見てきた。
なんだか懐かしいアニメ、戦争になって青森に疎開するまでが描かれる。
子供の心を忘れずにと訴えてくる。
大晦日に見たアニメ「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」よりは余程楽しめた。
昨年後半からは映画館もかなりコロナ前に戻ってきた。
しかし、今朝8:10からの1回目は流石にというか、
当然というか2名での鑑賞だったが。
映画業界も必ずしも元に戻った訳ではない。
ヒットする作品と、しない作品の格差はさらに開いてきているようだ。
大ヒットではないヒット作の本数が減っているという印象だ。
いわば普通の作品の集客が伸びていない。
さらに苦しいのは全国のミニシアターや名画座だと言われる。
若い人が浴びるように映画を見ることがなければ、次の映画館客が育ってこない。
それにはこうした映画館が必要だ。

2023年に見た新作390本から選んだ年間ベスト10は次の通りです。


 


 

2023年間ベスト10


<日本映画>

1.PERFECT DAYS

2.福田村事件

3.BAD LANDS バッド・ランズ

4.キングダム 運命の炎

5.沈黙の艦隊

6.最後まで行く

7.バカ塗りの娘

8.TNO選挙、NO LIFE

9.逃げきれた夢

10.月

 

 

第1位に外国人監督で作られた作品を選んだのは初めてだ。
監督の国籍などに構っている時代ではなくなっているのだろう。
ヴィム・ヴェンダース監督は以前から日本映画に興味を抱き、
「東京画」というドキュメンタリーを作っている。
他にもドキュメンタリーをかなり作っていて、
そのドキュメンタリー体質と今回の映画の内容がうまくマッチして、
傑作を生みだしたのだろう。
3~6位には活劇・アクションを集めてみた。
現在の韓国映画に勝てるのはこうした路線かもしれない。
特に「キングダム 運命の炎」と「沈黙の艦隊」は漫画の映画化であり、
この2作で初めて漫画を超える、あるいは同等の映画が作られたという印象だ。
それもあって、2023年も多く見られたドキュメンタリーは「NO選挙、NO LIFE」のみだが、
他にもドキュメンタリー映画にも見るべき作品はかなりあった。
2023年の日本映画界における最大の損失は、
河村光庸プロデューサーが亡くなったことだろう。
彼が生きていれば「月」ももう少し違うものになったのでは?



 

 

 

<外国映画>

1.枯れ葉

2.イニシェリン島の精霊

3.TAR/ター

4.キャロル・オブ・ザ・ベル 家族との絆を奏でる詩

5.あしたの少女

6.EO イーオー

7.君は行く先を知らない

8.モリコーネ 映画が恋した音楽家

9.フェイブルマンズ

10.極限境界線 救出までの18日間

 



久しぶりのアキ・カウリスマキ監督作品「枯れ葉」は、
彼の集大成のような、しかし決して堅苦しくなく、
むしろその軽さが作家としての成長を感じさせる。
何の知識もなく見ても笑うことができる労働者映画。
そのしみったれぶりが心地よい。
反対にその完璧性に驚いたのが「TAR/ター」のケイト・ブランシェットだ。
この天才女優と一緒の時代にいることの幸せを感じるほど。
1本だけ入ったドキュメンタリーは「モリコーネ 映画が恋した音楽家」。
彼の音楽の幅広さを教えてくれる。感謝。

 

2023年のそれぞれの1位は、先月号のベスト1同士。
なんだか先月号のつづきのよう。

 

2024年にはさらに多くの映画を楽しめますように。
今年も宜しくお願いします。
次号は、確実に1月25日にお送りします。



                         - 神谷二三夫 -


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