2007年 5月号back

桜が散ってやっとと思いきや、
寒かったり、雨が降ったりなかなか前に進まなかった季節も、
そろそろ春になろうかというこのごろ、
映画にとっての桜の季節、GWがやってきます。


 

今月の映画

 3/26~4/25の31日間で楽しんだ映画は21本

<日本映画>

あかね空 
アンフェア 
アルゼンチンババア 
蟲師 
大帝の剣 
東京タワーオカンとボクと,時々,オトン
神童 
蛇いちご 

 

<外国映画>

ホリディ 
ハッピーフィート 
パラダイスナウ 
黒い眼のオペラ
ブラッド・ダイヤモンド 
ママの遺したラブソング 
素粒子
オール・ザ・キングスメン 
クイーン 
サンシャイン2057
絶対の愛 
ロッキー・ザ・ファイナル 
ドレスデン運命の日

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

クイーン
 本当にこういう映画を作ったイギリスに感服。エリザベス女王以下王室メンバーの私生活も興味深々ながら、女王の尊厳を損なうことなく、王室、首相、市民の1週間の戦いをたっぷり見せてくれる。


オール・ザ・キングスメン
 権力という闇にかすみ取られていく人間、アメリカ南部という特殊な社会。
権力者をみつめる語り手自身がその闇にはまっていくという、脚本的弱さがあるにしても、その迫力は見るべきものあり。

 

素粒子
 インドに行ってしまったヒッピー母親に見捨てられた異父兄弟、愛に関しては両極端にぶれて傷つくことばかり。
彼らの細かい生活を描きながら、いつか社会の大きな流れにまで達するような面白さ。

 


 ベスト3には入らなかったけど、次の日本映画も面白い。


あかね空:出てくる人達が温かい江戸時代深川の町。


蟲師:民間伝承・フォークロアの世界を手書き風画面で描写。


*神童:柄本明、西島秀俊、出番の少ないにも関わらず印象的。ちょっと漫画のところも。


蛇いちご:「ゆれる」の西川美和監督デビュー作。いやーさすがの面白さ。
旧作なのでベストスリーに入れませんでした。4/27まで渋谷シネマアンジェリカで。

 

 

Ⅱ 今月の懐かしい人

 

①「ホリディ」のイーライ・ウォラック
「ミスティック・リバー」にもでていたので久しぶりではないが、「ホリディ」の老脚本家を演じた時は91歳というのが驚き。
「荒野の七人」の昔から幾多の作品に出演の名バイプレイヤー。

 

②「オール・ザ・キングスメン」のフレデリック・フォレスト と ジャッキー・アール・ヘイリー権力の暗い罠にはまっていくルイジアナ州知事スタークの父親、貧しい農家の父親を演じるフォレストは20年ぶりくらいにお会いしました。昔、「ハメット」で探偵だった人。拳銃を持った知事の用心棒・運転手シュガー・ボーイを演じていたのはジャッキー・アール・ヘイリー、「がんばれベアース」でバイクを乗り回していた不良少年の成長した姿。

 




今月のトピックス:ゴールデンウィーク特集


 ゴールデンウィークという言葉は映画業界で作られたことは以前にもお伝えした通り。映画興行にとっての稼ぎ時をゴールデンウィークと名づけたのですね。
 今年のお休みは4/28(土)~5/6(日)の間に7日間、5/1、2を休めば9日間の長い連休。少なくとも1回は映画館に出かけましょう。

 今回はゴールデンウィーク映画をご案内、映画業界の方々に儲けさせるだけでなく、たっぷり楽しんで損をしないようにしましょう。勝手なジャンル分けと、各ジャンルでのオススメ順番号を付けています。見ていないものも入っていますので、そこんとこヨロシク。


 作品名の前の*は未見です。作品名の後は宣伝に使われた惹句です。


A.シリーズ好き好きハリウッド!
①*スパイダーマン3:もう一人の敵、それは「自分」。
”なるまで”物語で始まったスパイダーマンは、自分の中での悪との対決みたいですねえ。青春物語から自己の悪との戦いという成長ぶり。


②*ハンニバル・ライジング:レクター博士「誕生」に秘められた謎が、今解き明かされる!ご存知レクター博士の”なるまで”物語。

 

③ロッキー・ザ・ファイナル:自分を信じなければ人生じゃない!
泥臭さにどっぷりはまり込めれば、至福の時となりましょう。

※それにしてもハリウッドは今年もシリーズものの花盛り。
初夏から秋にかけては、パイレーツ・オブ・カリビアンの最終作、ワールド・エンド、ハリー・ポッターの最新作、不死鳥の騎士団、ダイ・ハードの最新作、ダイ・ハード4.0、ファンタスティックフォーの続編、銀河の危機、11人から13人に増殖するオーシャンズ13などなど。やはり、アイディア不足なのでしょうかねえ。

 

 

 

B.人間ドラマの世界…
①*こわれゆく世界の中で:かけがえのない絆が生まれる
イングリッシュ・ペイシェント以来、愛する人々の繊細な心の動きを描いてきたアンソニー・ミンゲラの最新作。ホリディ、オール・ザ・キングスメンに続いてジュード・ロウが主演しています。


②ドレスデン運命の日:美しいその街は、一夜で崩壊した
2次大戦~東ドイツ時代までの時代に冷徹な眼を向けるドイツ映画界、その最新作はちょっとメロドラマも入りましたが。慎太郎知事の「俺は君のためにこそ死にいく」なんてのを作る日本と大違い。


③*恋愛的睡眠のすすめ:大好きな人に夢でも会いたい、と思ったことはありませんか?夢と現実の入り乱れはよくあるお話ですが。

 

 

C.波も涙も暖かい!!!
①*黄色い涙:”夢と希望””出会いと別れ”を描いた青春群像劇
青春の傷つきやすさに感じ入った永島慎二の漫画、本当にあの時期に出会えてよかった。どんな映画になっているやら、期待と不安。


②東京タワー:オカン、ありがとうね。
いまや涙は何より強い宣伝文句、う~む、私はちょっとね。


③*恋しくて:沖縄・石垣島の青い空と海にようこそ
沖縄の青い空の下若者たちの青春が弾ける。ゆったり時間が流れているはず。


④*ボンボン:幸せの種を蒔こう
犬が出てるんですよね、ボンドンという。アルゼンチンの映画です。

 

 

 

D.わっ、わっ、話題です!
①クィーン:ダイアナの死から10年、本当に何が起こったのかいよいよ、明かされる!何せ女王です、何せブレア首相です、何せダイアナです、そしてチャールズも。


②*バベル:届け、心。凛子さんだけでなく、役所広治、B・ピット、K・ブランシェット、G・G・ベルナルなど曲者役者わんさか。

 

 

E.笑ってなんぼ~~~
①*ラブソングができるまで:彼は忘れられた80’ポップスターだった。彼女の詩に出会うまでは・・・D・バリモアとH・グラントでラブコメの最強カップルといわれておりますが・・・。

 

 

F.アフリカは燃えているか???
①ツォツィ:拳銃を持つその手で小さな命を拾った
南アフリカ・ヨハネスブルグの貧民街、赤ちゃんが袋小路の若者を救う。


②ブラッドダイヤモンド:ダイヤの価値を決める4つのC、実は5つ目のC<conflict>が存在するシエラレオネもその首都フリータウンも知りませんでした、もちろんその内紛も。勉強になりましたが、皮肉な見方をすれば、ハリウッドのアクションものに便利なアフリカ。

 

 

G.がんばれ日本映画!!!
①神童:大丈夫、あたしは音楽だから。
”あたしは音楽だから”と言い切る神童うたの至福のピアノを楽しみましょう。


②ゲゲゲの鬼太郎:ゲゲゲ旋風日本上陸「どろろ」ができれば鬼太郎だって。

 

③あしたの私のつくり方:大人になった少女たちに、見てほしい物語があります。神童の成海璃子が私として主演してます。

 


●見た・見てない作品ごちゃ混ぜの想像的見たい・見せたい作品総合ベストテン:


①クイーン、②スパイダーマン3、③バベル、④黄色い涙、⑤ツォツィ、⑥神童、⑦こわれゆく世界の中で、⑧恋しくて、⑨ラブソングができるまで、⑩ハンニバル・ライジング


 良いゴールデンウィークを!!


                         - 神谷二三夫 -


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