そろそろ秋、勿論映画の秋です。
秋は芸術系の映画が多く公開される季節。
楽しんでください。
8/26~9/25にめぐり合った映画は、23本。
遠くの空に消えた
ベクシル
22才の別れ
エヴァンゲリオン新劇場版:序
サッドヴァケイション
ジャンゴ
HERO
めがね
長江哀歌
私のちいさなピアニスト
シッコ
オフサイドガールズ
明るい瞳
ショートバス
デス・プルーフinグラインドハウス
恋とスフレと娘と私
ミリキタニの猫
ミス・ポター
題名のない子守唄
ファンタスティックフォー銀河の危機
サイバーボーグでも大丈夫
キャンディ
サルバドールの朝
①長江哀歌(エレジー)
中国では強制立ち退き取り壊しが社会問題になるほど頻繁に起きているらしい。この映画の主人公は、男一人、女一人、が、二人が交わることはない。田舎からかつての妻を捜しに出てきた男、現在の夫を探しに来た女。二人の過去現在、未来はいずれもそれぞれの事情がある。その中で、彼の仮住まいが強制取り壊しになった。変わりゆく中国の姿をこれほどヴィヴィドに描いた映画を知らない。傑作です。
②ミリキタニの猫
ソホーでのふとした出会いから、このドキュメンタリーの監督リンダは、ミリキタニとの関係にどんどん入り込んでいく。それほどに不思議な存在の強さを感じさせる老人、ミリキタニ。文字通り波乱万丈の人生、60年ぶりに姉と会う姿には感動しました。
③サッドヴァケイション
北九州の運送屋、傷つき訳ありの人々が集まる。流れ着いた主人公は子供の頃に別れた母親に出会う。石田恵利の母親が絶品、すべてを、誰をも包み込んでいく。
次の映画もオススメです。
*めがね:「かもめ食堂」に続く荻上ワールド、不思議な時が流れます。
*オフサイドガールズ:知ってましたか、イランでは女性はサッカー場に入れないって?
*デスプルーフ:ここまでやるかのB級映画作り、フィルムは跳んだり、傷付いていたり。
*ミス・ポター:最近には珍しく93分と短いにも関わらず、内容充実、スッキリ。
*シドニー・ポワチエ
タランティーノ監督の「デス・プルーフ」の始まり、怪しげな出演俳優名シーンを見ていたらいきなりシドニー・ポワチエの名前が。初の黒人アカデミー主演男優賞を「野のユリ」で受賞、「夜の大捜査線」でも忘れられないあの人が出てくるのか。期待して見るも、80歳のポワチエは現れず。最後の配役リストを見ると、あのジャングル・ジュリアを演じた女の子の名前となっている。
調べてみると、彼女の正式名はシドニー・タミーア・ポワチエで、シドニー・ポワチエと、なんとジョアンナ・シムカスの娘と判明。ジョアンナ・シムカス、勿論あの「冒険者たち」のレティシアです。ポワチエと結婚したことは知ってましたが、(それにしてもこの二人の結びつきは何だったのでしょうか?)娘がこんな(きれいですよ)になっているとは知らなかった。シムカスは永遠の女性の一人ですよね。
8月のある日、平日の1回目、開始は09:40の「遠くの空に消えた」、これがなんと映画館は私一人、平日で、それほどヒットではない作品、仕方がないこととはいえ寂しいというか、映画館独り占めで嬉しいというか。
映画館一人は、1998年ロサンゼルスのダウンタウンの劇場での夜の回以来。
夜になると寂しくなるLAのダウンタウンの、さらに寂しい映画館で、ぞくぞくするほどの孤独感。それに比べると今回の一人は、明るい昼間、人の多いショッピングセンターの中の映画館でなんだか優雅に貸し切り映画館の雰囲気。
ところが、時間になっても始まらない。CMさえ、予告編さえ、ましてや本編は言うに及ばず。一人だから、客席にいるのが見えず、お客様ゼロで映写必要なしと、誤解されているのではなかろうかと、”ここにいま~す”と叫んだ方が良いだろうか。
予定開始時間を10分過ぎた頃、係りのお兄さんがやって来て、”すみません、もうまもなく始まります。”で、さらに7~8分、お兄さんは階段のところでじっとしいるが、何故かぜんぜん始まらないのだ。この日は、終了後にも予定がある。時間の余裕はない。あきらめて出ようかと思っていると、コーラとポップコーンが届けられた。う~む、飲んでなるものかと何故か妙に身構えたりして。
それでもやはり始まらない。35分経った。もう待てない時間である。久しぶりの一人の映画館、しかしあきらめざるを得なかった。前売り券の半券は返してもらい、さらに2枚の平日招待券をもらい、この日は映画無しの日となった。映写ミスで映画無しは初めて。
8月のこれも平日のある日、久しぶりに友人と映画に行くことになった。めったに人と映画に行くことがない。別に、あえて避けている訳ではない。むしろ人と一緒に見て刺激を受けることが多い。ただ、結構自分本位に見ている自分は、映画の開始時間や、見る作品で相手に合わせることが時々面倒なのである。
この日は、時間も作品もこちらの希望通りに上手くいった。指定席制の劇場だから早めに行って良い席を確保しようと、開始2時間前には劇場窓口に。
しかし、希望通りの席はなく、少しはなれた席で妥協して確保。この作品、それほど評判になっていたっけ?
10分前、席について驚いた。ほぼ、満席なのである。その後もどんどん人が入ってくる。約200席の映画館は上映開始時には完全に満席・満員となった。平日の2回目、13:50開始の回がですよ。しかも、この日はレディースデーの1000円日でもないのだ。
(レディースデーは混むのである。)
客層はシルバー層が多かった。確かに1000円で見られる方々ではあるがそれは、土・日でも、夕刻でも、好きな時間で1000円の方々なのだ。
ま、確かに1回目か、2回目の方が良い人たちではある。
作品は今月のベスト「長江哀歌」、本当に素晴らしい作品なので嬉しい限りだが、これほどの状況になるとは想像できなかった。
う~む、シルバーパワー、恐るべし。どこから、こんなに正確な情報を得ているのだろうか。
先月の見せよう会通信に間違いあり。レミのおいしいレストランなんて、まるで平野さんの映画のようでした。ねずみはレミーです。
ここに謹んで訂正させていただきます。