あけましておめでとうございます。
今年の初日の出も、
静かな、ほとんど雲も風もない状態で見ることができました。
昨年も同じような日の出ではありましたが、
厳しかった社会情勢を思うと、
今年こそ穏やかな年になってほしいと祈願しました。
5回目の新年特別号をお送りします。
これほど続けられるとは考えもせず始めた見せよう会通信、
時にいただける皆様の声が励みになりました。
ありがとうございます。
今年生誕60周年(と、自分で云うか!)ではありますが、
今まで同様これからもお送りしてまいります。
よろしくお願いします。
なお、送信停止希望にもいつでも対応しております。
こちらも遠慮なくお申し付けください。
では、恒例のベストテン、2008年版をお送りします。2008/1/1~12/31に見た本数は248本でした。ベストテンからは旧作は除いています。
1.実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
2.トウキョウソナタ
3.その木戸を通って
4.青い鳥
5.ぐるりのこと
6.おくりびと
7.闇の子供たち
8.パコと魔法の絵本
9.歩いても歩いても
10.クライマーズハイ
次点 チームバチスタの栄光
中堅監督がいかんなく力を発揮し、ベテラン監督はなお新しい感覚で作品を出し、新人監督も百花繚乱的なにぎわいを見せる。日本映画は今、バランス的にはかなりいい状態にあるのかもしれない。
もちろん、ヒットする映画に偏りがある一方、作られても公開場所がない作品があったり、TV的な分かりやすさを目指し過ぎた作品などの問題はある。それでも、これだけバラエティに富んだ作品群を提供できているのは、素晴らしい。この状態をいかに長続きさせていくことができるか、見る側としても考えていきたい。
若松孝二監督の連合赤軍は題名通りあさま山荘に至るまでの道程を描き、大きな衝撃を与えた。
理念だけに走り、内部粛清という事態に至る姿は、真面目な日本人像でもあり、その後のオウム事件にも続いていく。今や理念が見えない日本社会は、どこに向かおうとしているのか?
1.ダークナイト
2.ブロードウェイ・ブロードウェイ コーラスラインに架ける夢
3.つぐない
4.ノーカントリー
5.イースタン・プロミス
6.4カ月、3週と2日
7.懺悔
8.魔法にかけられて
9.ジェシー・ジェームズの暗殺
10.その土曜日、7時58分
次点 レッドクリフ
本日、元旦の朝日新聞一面トップは"陰るハリウッド"。世界変動というシリーズ記事の一つとはいえ、今までの在り方が通じなくなりつつあるハリウッドについて書かれていた。
今年の正月映画に従来のハリウッド大作が少なかったのも一つの表れだが、
製作費が膨大なものとなる大作はそれだけギャンブル性が高い。製作者はそのリスクを避けるため、有名スターを使い、ヒット作の続編やアメコミなどで有名な原作を作りたがる。それが、却ってハリウッド作品を幅の狭いものにしつつある。本日1000円で見たK・サザーランド主演の「ミラーズ」は韓国映画のリメイク。各国でのヒット作品がリメイクされているが、これもリスクを避ける方法の一つだ。
経済的に厳しい状況は作品製作にも影響する。ハリウッドではアート系(日本でいえば単館系)映画への出資が減っているという。上のベストテンでいえば、3、4、5、9、10位はア-ト系といえようか、もしこれらの作品が無くなるとすると、なんと寂しいことだろうか。
アメコミが原作であろうが単純な善悪ではなく、架空都市であるのにまるで現実社会のようにリアルに描き、なんとも重い作品となった「ダークナイト」、クリストファー・ノーランの才能に脱帽。
前号でもお伝えした通り、今年は正月第2弾の方が面白いかもしれません。
今年もどうぞいろいろな映画をお楽しみください。