いよいよゴールンウィーク、
長い休み、旅行でしょうか?
旅先でも時間があれば映画館へ。
3/26~4/25の間に出会った映画は20本、アカデミー作品賞受賞作も登場しました。
鑑識・米沢守の事件簿
ドロップ
フィッシュストーリー
ハリウッド監督学入門
ニセ札
鴨川ホルモー
おっぱいバレー
クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国
ウォッチメン
フロストXニクソン
イエスマン“Yes”は人生のパスワード
マーリー世界一おバカな犬が教えてくれたこと
ザ・バンク落ちた偶像
マダガスカル2
トワイライト―初恋
レッドクリフPart Ⅱ
ある公爵夫人の生涯
いとしい人
スラムドッグ$ミリオネア
バーン・アフター・リーディング
①バーン・アフター・リーディング
登場人物のだれもが、自分勝手に、周りの人がその人に期待する方向とは違う方向に動く。そのおかしみ。コーエン兄弟は「ファーゴ」と同じ路線か。「ファーゴ」ほどの妙な冷たさがないのは残念だが。
②フロストXニクソン
本当にあったニクソンへのインタビューを題材にまずは舞台劇になったものが今回映画化された。いかにも舞台劇に合ったセリフ劇であるが、映画版は脇役たちのドキュメンタリー度が高く、最後までわくわくさせてくれる。
③-1ある公爵夫人の生涯
予告編はダイアナ妃から始まっていて、どういうこと?だったが、見てみれば、主人公ジョージアナはスペンサー家の娘で、オルソープ邸で育てられたのが分かる。その後の夫との関係においても確かにダイアナとの類似点が多い。制約の多い貴族の、さらに女性の生活ぶりが興味深い。
③-2ドロップ
タレント品川ヒロシの原作、監督ということで話題の作品。自伝的なものであり、知っている世界を生き生きと描く。まるで部活のような不良活動、周りにいる奇妙な大人たち、喧嘩場面とお笑い要素の程良いバランスがうまくいっている。
次点:ウォッチメン
アメリカンコミックが原作、なかなか凄い内容だ。単純スーパーヒーローのアメコミの世界かと思いきや、スーパーヒーロー自体についての議論にまで発展する。宇宙にまで飛び出していくDR.マンハッタンも、顔のマスクに模様がうごめくロールシャハもアメコミとは思えない暗さ。
次の作品もオススメです。
*鴨川ホルモー:アホらしい話をじっくり描いてホルモーワールド。
*おっぱいバレー:実際にあった話だそうで少年たちのリアルさもなるほど。
*レッドクリフPart Ⅱ:Ⅰほど群雄割拠感がないが、まあ面白い。
*ザ・バンク落ちた偶像:銀行のダークサイドを実にリアルに描く。
*スラムドッグ$ミリオネア:個人的にはちょっとがっかりでしたが、
何せアカデミー賞作品賞です。
○キャスリーン・ターナー
と言えば、かつて「白いドレスの女」でミステリアスにデビュー、どちらかと言えば美人女優で売り出し、「ロマンシング・ストーン/秘宝の谷」などその路線で進み、「女と男の名誉」、「ローズ家の戦争」など主演作も目白押しだった。いずれにしても「白いドレスの女」の印象が強く、いい女、謎の女の女優だった。
「マーリー世界一バカな犬が教えてくれたこと」でバカ犬マーリーを教育しようとするトレーナーは、当然マーリーにコテンパンにやっつけられる。見た目頑丈で力強いおばちゃんトレーナーなのに。で、決して美しくはないこのトレーナーを演じていたのがキャスリーン・ターナーだったのだ。最近この路線に来ていることはある程度知っていた私でさえ、これにはかなりのショックだった。舞台では「バージニア・ウルフなんか怖くない」を演じているという。
映画でエリザベス・テイラーが演じたあの怖いおばさんですね。で、最近のキャスリーンさんは最近この路線が妙に似合ってますね。
最近吉本興業は映画に力を入れているようだ。噂では映画祭さえ開いているとか。今月、吉本タレントが監督した映画が2本公開された。「ドロップ」と「ニセ札」である。「ドロップ」は私の今月3位である。驚くくらい、映画のタイミングをつかんでいる。笑いのタイミングで鍛えられた感性が生かされているのだろう。笑いと暴力の出し方は本当にうまい。「ニセ札」も映画の素人が作ったとは思えない出来である。場面転換で使われる風景や落ち着いた画面作りは、まるで昔の映画を見ているようである。2本とも見る価値のある映画になっている。やはり芸人は人に見せるコツを知っているのだろう。もちろん、お笑いと映画はイコールではないから、お笑い芸人=上手い監督ではないが。
このレベルの映画がつくられるのであれば、吉本映画いらっしゃ~いである。
“今の若い人はねえ”などと言えば、それは立派なシニアである。まあ、私はシニア料金の人だから、言っても大丈夫かなと想像し、今月はこの話題。
最近といってもここ5~6年くらいだろうか、若い人が映画を見ないと言われる。要因はいろいろ言われているようである。
・1800円、1500円という入場料金が高い。
・TV番組で満足している。
・DVDで見て映画館に行かない。
・ゲームをはじめ映像を使うシステムは映画以外に多くある。
・携帯の使用にお金を使っている。
旅行業界でも若い人が海外に行かないのが最近の大きな問題だ。
これも色々な原因が考えられている。
・新しいことを知るのが面倒。
・自分のいる環境(自分の部屋→家庭→学校・職場→地域・
都市→日本)に居る方が楽。
・海外はTV等で見慣れていて新しい発見はない(と思っている)。
・携帯の使用にお金を使っている。
共通の敵は携帯のように見える。確かに携帯に縛られている人は多いし、お金もそれなりにかかるだろう。しかし、根本のところは新しいことに興味を示さないということではないだろうか?今の時代、情報は無尽蔵と思えるほどにあふれていて簡単に手に入れられることが多い。コンピューターのキイをたたけば、そこに答えがある。自分が勉強して知識として得る以上に、コンピューターには完全な情報がある。自分で努力するよりも、神のようなコンピューターに依存したほうが楽である。
自分の知らないことが出てきたとしても、
コンピュータの中に答えはあるのだから驚くことはない。自分は知らないけど、そのことは別に新しいことではない。新しいことに出会って自分のものにしても、コンピューターの情報量に比べれば大したことではない。だから、新しいことを無理して自分のものにしてもそれほど価値がない。
自分の知っている世界に充足し、新しい世界に踏み入れる努力をするよりも、慣れ親しんだ世界で楽に生きたい。などと思っている若い人が増えているのではないだろうか?
最近の映画状況で、ひょっとして若い人の在り方にかかわるのかもと思われた事柄。
1.昨年の興業成績では、日本映画が外国映画を圧倒した。
(最近のハリウッド映画がつまらないという別の要因もある。)
2.外国映画に字幕版と吹き替え版があり、最近は吹き替え版が
増えつつある。(下のトピックス参照)
3.単館ロードショー的作品(芸術性など新しいものを持った作品)
の成績が不振。
自分の知っている世界から広がらないのであれば、当然縮小均衡になり、自分の世界自体が小さくなる。映画館で見る映画と、TV画面で見る映画の違いや、現地に行かなければ分からない海外など、無知の上に自分の世界を築いている。はすかしいことだと思うだが…。
それ以上に、新しいことを知る喜びを知らないとはかわいそうと思う。
「マダガスカルⅡ」はなかなか面白いアニメーション作品だ。ニューヨークの動物園を脱走した動物たちが、偶然にも故郷(アフリカですね)に帰ってしまうというあれこれが、面白く描かれる。
声優を務めるのは、ベン・スティーラーやクリス・ロックなどハリウッドのスターたち。そして日本版は玉木宏や柳沢真吾となる。
動物たちはいわばニューヨーカーだ。主人公のライオン・アレックスには、
ニューヨーカーの憂鬱と都会人的客観性が奇妙に混在するベン・スティーラー(ナイト・ミュージアム)の声を聞きたいと字幕版を探したのだが…。
東京都内で封切り時にマダガスカルⅡが上映されたのは23館。手元にあるのはそのうち20館の情報だが、字幕版を上映したのはそのうち10館のみ、しかもどの館も最終回か夕方の回の1回のみ。更に8館は字幕版を上映したのは封切り日の3/27のみという状況だ。3/28以降は2館のみでの上映で1日1回のみ。
ここ数年、吹き替え版は勢力を増しつつある。かつて吹き替え版は子供向けアニメ作品にのみ存在していたのだが、最近はアニメではない大人向けドラマにも大作を中心に増えている。“タレント~が声優を!”などと話題性だけで、
らしくもないタレントが吹き替えて最近は少し批判が出てきたが、映画配給会社は、なにせ話題が命とばかりに旬のお笑いタレントを起用したがる。でもねえ、我々はそのタレントを見に行く訳ではないよね。
吹き替え版の増加の理由としては、
・漢字を読めない人が増えた
・TVを見るように楽にみたい人が増えた
などが考えられる。
しかし、とくに俳優自身の声が聞けない通常映画の吹き替えはいかがなものか?別の作品といってもいいかもしれない。ブランドのフェイク品みたいなものか。それがいいという人が増えているのだ。
皆さんはどう思いますか?
久~しぶりに映画館で一人だった。平日の昼間だったし、「クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国」だったりするから、まあ、仕方がないかもしれない。広い映画館に一人は、贅沢極まりないと共に、妙に孤独、さびしいことを再確認した。
GW楽しんでください。
また、来月。