今年も残すところ6日のみ、
今日はクリスマスですね。
寒波到来で北日本や日本海側では大雪、
ホワイトクリスマスなどと言っていられないほど積もっています。
雪かきご苦労様です。
疲れた時は映画館でのひと時を!
来週の今日、1/1の元旦は勿論映画1000円、お楽しみください。
11/26~12/25の今年最後の30日間に出会った映画は28本、日本映画では昔の映画が多くなりました。
外国映画にはお正月映画が何本か入っています。お正月休みに映画をという方はご参考にしてください。
EDEN
カミハテ商店
二つの祖国で日系陸軍情報部
(古)暖簾
日本の悲劇
雁の寺
女であること
破れ太鼓
人生とんぼ返り
浪華哀歌
夜の河
炎上
007スカイフォール
恋のロンドン狂騒曲
ウォリスとエドワード
ロックアウト
ドリームハウス
ホビット思いがけない冒険
教授とわたし,そして映画
ハハハ
次の朝は他人
レ・ミゼラブル
もうひとりのシェークスピア
シェフ~三ツ星レストランの舞台裏にようこそ~
(古)戦争の真の終わり
サボタージュ
奥さまは魔女
シャーロック・ホームズ殺しのドレス
①-1 007スカイフォール
50周年の23作目、半世紀も続いた007シリーズ。新作は古いもの、新しいものが様々に見られ、どなたにも見ていただきたい作品です。
①-2 レ・ミゼラブル
ロンドンでは28年目に入っている大ヒットミュージカルの映画化。最近のミュージカル映画と大きく違う点は、クローズアップで歌う人物をカメラをあまり動かさず撮っていること。ほぼ、全編音楽にのせて語り、歌われるセリフ、歌詞に感動します。
②もうひとりのシェークスピア
シェークスピアの謎(直筆原稿が無い、生い立ちなどが不明)に挑み、面白い物語を見せてくれる映画。まるで、シェークスピアの戯曲そのままを見せられているような。
③-1 EDEN
船戸与一の短編の映画化。新宿2丁目のゲイのショーパブの主人公たちをはじめ、都会の隅に生きる“弱い”人たちを描く感動編。
③-2 恋のロンドン狂騒曲
ウディ・アレンお手のものの人間喜劇。現役引退の高齢者離婚から始まるドタバタは、娘夫婦も巻き込んで、解決のない結末へ。笑うしかない。
他にも面白い作品があります。お勧めです。
◎二つの祖国で日系陸軍情報部:
太平洋戦争では多くの二世が参戦しているが、兄弟でアメリカ、日本の軍隊に分かれ闘った人もいる。これは泣けます。いずれにしろ、それを語る人が80代後半から90歳代、もう残された時間がない。
◎ドリームハウス:
007とは全く違うイメージを見せるダニエル・クレイグ。なかなか上手くだまして、見るものを最後までひっぱて行ってくれる映画です。
◎ホビット 思いがけない冒険:「ロード・オブ・ザ・リング」の前章譚。
お馴染のファンタジーワールドが広がります。「ロード」と同じく3部作の第一部です。
◎ハハハ:
先輩と後輩が語り合う、酒を酌み交わしながら女について、合間にハハハと笑いながら。
今月の韓国映画参照。
◎次の朝は他人:
これまた、しゃれた作品で、繰り返しがどんどん楽しくなる恋愛映画。
今月の韓国映画参照。
◎シェフ~三ツ星レストランの裏側にようこそ~:
なんだかほんわか、あまり抵抗もなく単純に楽しみました。ジャン・レノのちょん髷姿が似合いすぎ、あれくらい日本人化を徹底すると笑うしかない。
今月見た韓国映画は「教授とわたし、そして映画」「ハハハ」「次の朝は他人」の3本。
いずれも51歳の監督ホン・サンスの作品で、“恋愛についての4つの考察”という名前で、特集上映された4作品の中の3本である。
最近何かの本で読んだような気がするが、韓国人男性は恋愛一直線で恋愛を大事にする。愛することに恥じらいやためらいはないという。まあ、恥じらい(?)やためらいがある方が異常かもしれないが。それにしても、この3作を見て驚いた。まさに恋愛一直線である。3作いずれも、会話がずっと続くような印象の映画だが、男は“きれいだ”“愛してる”と言い続けてる。日本人男性はここまでできるかというところ。ホン・サンスの映画はいずれも工夫があり、それぞれ違うテイストで楽しめる。
今回、まとめて連続して見たので食傷気味のところもあるが、これだけ言い続ければ女性はきれいになるなあと感心した。
●イエジー・カヴァレロヴィッチの映画を見ていると、映像の力強さが印象的だ。「戦争の真の終わり」もその力強さは変わらないが、特に俳優の印象深さが目立つ。
●これからの半世紀へのスタートとして最高の作品になった「007スカイフォール」、母親に対する愛憎を見せ、まるでギリシャ悲劇のエディプスコンプレックスという人がいるほどの陰りを見せてくれるかと思えば、Qやマネーペニー、さらに60年代のアストン・マーチンまで出てきて、古くからのファンも楽しませる。
●実は今月の日本映画の(古)の内2本は前に見た作品だった。「暖簾」と「浪華哀歌」だ。見始めてすぐに気付いた。なぜこんなことを繰り返すのか?
考えてみたら、題名を覚えていないことがその要因。当たり前すぎる!
●「日本の悲劇」は1953年の木下恵介作品。あの頃、こうした状況にある母親や家族は結構いたんだろうなと思わせる。貧しさがそうさせていたのだが。
●「ロックアウト」はリュック・ベッソン(「グラン・ブルー」の監督)が作ったヨーロッパ・コープの作品。会話は英語、見るだけで分かるアクションを基本に作品を作ってきた。ハリウッドに対抗する作品を生み出そうとしているようだ。「TAXI」とか「トランスポーター」シリーズですね。「ロックアウト」もこの線に沿って作られた作品で、ガイ・ピアースもいい味を出している。
監獄を宇宙ステーションに作る、囚人は冬眠状態にしてという設定だが、冬眠状態にするんなら別に宇宙に作らなくてもと突っ込みを入れたくなりますね。
●ついに映画化された「レ・ミゼラブル」は、元々ほぼ全編歌というミュージカル。歌う人のクローズアップが多用され、しかもカメラの動きも少ないという近ごろ珍しい作り方。歌い手の感情の動きを大きく見せてくれる。舞台での歌唱よりもより感情の動きが出ているようにも見える。役者はそれぞれかなり歌っているが、一番驚いたのはマリウス役のエディ・レッドメイン、凄く上手い。気に入ったのはジャベール役のラッセル・クロウ、話すより高い声だがソフト。印象に残るのはエポニーヌ役のサマンサ・パークスのON MY OWN。
ヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイは感情を大きく表現していた。反対に踊りは舞台よりも少ない。
11/17~18の週末興行収入ランキングで1位になったのは「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」。日本映画、外国映画合わせたランキングの1位である。しかも、今年最高の出足を記録、それまで最高の「BRAVE HEART海猿」(450スクリーンで上映)の記録を224スクリーンでの上映で破ってしまったという。1スクリーン当たり約2倍の人が見に来たことになる。12/15~16の週末興行収入では「ONE PIECE FILM Z」が「エヴァンゲリヲン」を上回り、今世紀最高のオープニング記録になったという。
どちらもアニメーションで、流石、アニメーション大国日本である。と、感心したのだが、考えてみるとこれらの映画は一般の人(?)に見られているだろうか?アメリカでもアニメーションは多く作られるようになり、ディズニー以外にもシュレックなどシリーズになった人気作品もある。ハリウッドのアニメーションは世界市場を目指して、大人も楽しめる作品を作るようにしたと言われている。その商業性は、世界的に見れば日本作品の比ではなく大きい。オタク文化の一つマンガが世界へと言われて結構経つが、世界でのブームは一時に比べれば随分縮小しているらしい。その間、ハリウッドは戦略としてのアニメーション制作を続けてきた。
オタク文化が表面に出てきて何年になるだろうか?30年位か。この間に、ある種の世界進出を果たし、その広がりがあったようにも思えたが、上に書いた2つの作品の受け入れられ方を見ていると、日本においてさえ客層が広がったとはあまり思えない。一般の人が話題にしていないもの。それでいいとするのがオタクの生き方だと思うが、産業、文化としての映画・アニメーションを考えるとき、それでは先が見えないのではないか?内輪だけで楽しむ、まさに内向き志向から抜けきれない。このままでオタク的映画が続いていっても、一般の人を巻き込むまでの動きとなっていけるのか?折角の日本のある種の力を世界に広げていく構造があるといいのだが。
“NO MORE 映画泥棒”と叫びながら踊るカメラ男、10月号でも話題にしたが、その3代目が登場した。今回は人海戦術とばかりにカメラ男5人、赤ランプ男5人も登場、人数の割には音は徐々に小さくなっているようだ。この新作は約1カ月前くらいから登場している。今月見た韓国ホン・サンスの恋愛作3本はいずれも初代のカメラ男だった。公開する方もどんなふうに公開したらいいか長く悩んでいたというか、検討していた風が見て取れる。
今月はここまで。
次回は新年特別号を元旦にお送りする予定です。