10月下旬にやってきた超大型台風21号、
不思議天候続きの今年の気候を象徴するように、
12年ぶりに東京に上陸して北に去った。
台風一過の晴天の後しばらく良い天気が続きそう。
これで、晴々として行こう、そう、映画館へ!
(この後、台風22号も誕生、本州接近かも)
9/26~10/25、まるで梅雨のように雨の多かった30日間に出会った映画は40本、日本映画の新作にも力強い作品が現れ楽しめましたし、色々な国からやってきた外国映画も変化にとんだ内容で魅せてくれました。
ナミヤ雑貨店の奇跡
パーフェクト・レボリューション
74歳のペリカンはパンを売る
あゝ,荒野 前篇
エルネスト
夜間もやってる保育園
亜人
あゝ,荒野 後篇
ミックス。
打倒(古)
拳銃無頼帖 抜き射ちの竜(古)
拳銃無頼帖 電光石火の男(古)
拳銃無頼帖 不敵に笑う男(古)
紅の拳銃(古)
拳銃無頼帖 明日なき男(古)
ニッポン無責任時代(古)
日本一の色男(古)
プラネタリウム
(Planetarium)
スイス・アーミー・マン
(Swiss Army Man)
笑う故郷
(El Ciudadano Ilustre / The Distinguished Citizen)
ドリーム
(Hidden Figures)
わたしたち
(/ The World of Us)
ハイジ アルプスの物語
(Heidi)
ポルト
(Porto)
汚れたダイヤモンド
(Diamont Noir)
サーミの血
(Sameblod / Sami Blood)
スクランブル
(Overdrive)
あさがくるまえに
(Reparer Les Vivants / Heal The Living)
エタニティ 永遠の花たちへ
(Eternite / Eternity)
ブルーム・オブ・イエスタデイ
(Die Blumen von Gestern / The Bloom of Yesterday)
ソウル・ステーション・パンデミック
(/ Seoul Station)
愛を綴る女
(Mal de Pierres / From The Land of The Moon)
旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス
(Journal de France)
静かなふたり
(Droles D’Oiseaux / Strange Birds)
ジュリーと恋と靴工場
(Sur Quel Pied Danser / Julie and The Shoe Factory)
猿の惑星:聖戦記グレート・ウォー
(War for The Planet of The Apes)
ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス
(Mr. Gaga)
ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ
(The Price of Desire)
女神の見えざる手
(Miss Sloane)
婚約者の友人
(Frantz)
①-1 あゝ、荒野 前篇/後篇
原作は寺山修司の唯一の小説。彼が生きた昭和の時代を感じさせる部分をうまく生かしながら実は設定年が2022年の近未来物語。寺山らしい自殺防止クラブのエピソードなど今一つ消化しきれていないところもあるものの、登場人物の情念の深さは前後編を通じて我々観客を引き付けていく。ヤン・イクチェン、菅田将暉のふたりも素晴らしく、テンションを切らさない岸善幸の演出も長編映画2作目とは思えない。
①-2 エルネスト
1959年ゲバラが広島を訪れ、原爆ドーム、資料館、病院などを訪れていたとは知らなかった。当時キューバに医学留学していたボリビアからの学生の一人に日系人がいたことも初めて聞いた。フレディ前村ウルタードは後にエルネストと命名される。
キューバ革命の1959年から二人のエルネストが亡くなる1967年までを描く阪本順治監督の新作は、知らなかった歴史の一部を見せてくれる。オダギリジョーも熱演。
②-1 ドリーム
東西冷戦真っただ中の1961年、ソ連はボストーク号で有人宇宙飛行を成功させる。
勝たねばならないアメリカはNASAで必死の巻き返しを図ろうとする。
IBMのコンピューターもまだ完璧ではなかった時代、裏で支えていた黒人女性たちの奮闘ぶりを描く感動作。
②-2 ポルト
ポルトガル第2の都市ポルト、ポートワインで有名だ。35歳のブラジル人監督ゲイブ・クリンガーの長編劇映画デビュー作は、この街で出会った二人の一夜のふれあいを音楽のように繊細に描く。製作総指揮をしたジム・ジャームッシュにも少し似ている。
③ 笑う故郷
主人公はアルゼンチンの田舎町サラスで生まれた。少年時代に家族とスペインに移り住み、40年後作家としてノーベル文学賞を受賞する。名誉市民の授与式に招待され、初めて訪れた故郷の町で温かく迎えられる。その裏で、徐々に表れてくる住民たちの真の思い…。
かなりのブラック、面白く、知的で、怖い映画です。
オススメ作品は他にも、お楽しみください。
◎スイス・アーミー・マン:スイス・アーミー・ナイフは多くの用途に使える万能ナイフ。
無人島に流れ着いた遭難者がそんなナイフのように使える男の身体を使い、悪夢から醒めるまでを描くこれまたブラック風味のファンタジーだ。
◎わたしたち:10歳と言えば小学4年生、ドッジボールをしている児童たちの表情をクローズアップでとらえた画面から始まる映画は、主人公の女の子と転校生との夏休みを挟んでの微妙な状況を繊細に描く静かな韓国映画。35歳の女性監督の作品。
◎ハイジ アルプスの物語:ヨハンナ・スピリの原作は70年代日本でTVアニメになり、その後ヨーロッパへも輸出。高畑勲演出、宮崎駿作画校正のアニメは日、欧で人気に。
実写版は10年前にイギリス版があったが、今回はスイス・ドイツ版で手堅く映画化。
アルムおんじを演じたのはブルーノ・ガンツ。
◎汚れたダイヤモンド:ダイヤモンド加工職人の家に生まれた主人公、父は作業中の事故で手先を失い精神を病み…。生家から追放され音信不通だった父が野垂れ死んだと知らされた時、パリでヤクザな生活をしていたアラサーの主人公は父を追放した一族への復讐を誓う。フランスの新人監督アルチュール・アラリの長編デビュー作は新鮮でわくわく。
◎サーミの血:北欧・北極圏のトナカイ遊牧民がサーミ民族、一般にはラップランドと呼ばれる地域に住む人々。1930年代サーミ人はスウェーデン人から差別を受けてきた。
差別と闘いながらスウェーデン人として生きることを選んだ女性の感動記。主人公を演じるレーネ=セシリア・スパルロクの素晴らしい演技を引き出したのは、自身もサーミの血が流れる31歳の女性アマンダ・シェーネル監督、長編デビュー作だ。
◎あさがくるまえに:フランスの37才女性監督カテル・キレヴェレの長編3作目は、生体移植に係る人々を群像的に描いている。音楽の使い方を含め軽快なテンポで心地よく進む。
◎パーフェクト・レボリューション:バリバラをご存じだろうか?NHK Eテレ発の障害者バラエティ、障害者自身が障害を笑おうとする(?)バラエティ。そこにも出演している熊篠慶彦の企画・原案をもとに障害者とSEXについての映画。
◎静かなふたり:主人公のパリジェンヌはあまり普通のパリジェンヌらしくないと監督エリーズ・ジラールは言っていたが、確かにルームシェアしている女性がいつも彼氏を連れ込んでうるさくしているのに文句言わないとか、静かに猫と暮らしているとか、ちょっと変わっていて、古書店主のおじいさんとの関係もユニーク。
◎夜間もやってる保育園:子供は国の未来、その育てられ方を見れば国の姿勢が見える。
待機児童をゼロにするとお題目のように施政者は言うが早くしなければその時は過ぎる。
夜間も預けざるを得ない親は増えるばかり。言葉より実行の人々に感動する。
◎猿の惑星:聖戦記グレート・ウォー:動物は本来同じ種族同士で殺し合うことはない筈と猿のリーダー、シーザーが涙しているが、人間はどうしてこうも戦争をするのだろうか?
◎ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス:今年の夏に公開された「セルゲイ・ポルーニン」に続き、天才ダンサーの映画がやってきた。イスラエルの65才の振付師オハッド・ナハリンは正式には20代で踊りを始めたのにその動きは圧倒的だ。イメージが明快。
10/28,29さいたま、11/03名古屋、11/05びわ湖ホールで彼の率いるバットシェバ舞踊団の来日公演があるが、さいたまでの2回は売り切れだった。
◎女神の見えざる手:アメリカの政治の世界ではロビイストたちの力が強い。とはいえ、これ程かと驚かされる。この映画は実話ではない。練りに練られた脚本を書いたのは、イギリス人のジョナサン・ペレラ、弁護士を辞めて韓国の小学校で英語を教えていたという。
初めて書いたのがこの作品。驚きの完成度。
◎婚約者の友人:フランソワ・オゾンの新作は第一次世界大戦の時代、敗戦国ドイツと戦勝国フランスの間で語られる一人の戦死者(フランツ)を巡る婚約者とフランスの友人の物語。近年になくスムースで落ち着いた作りの映画で、最後まで破綻なく鮮やかな手際。
その① 10/14 静かなふたり
時間の関係で出かけたこの作品の終了後、トークショーがあり監督が登壇した。
この作品、監督をフランスから呼ぶほどの評判になっていただろうかという疑問がよぎる。
アラフォーの女性監督エリーズ・ジラールは飾り気なく普段着的に現れた。
映画の主人公より少し年上だが、よく似た感じのすらりとした感じの人だ。
パリジェンヌらしくない主人公やジャン・ソレル(今月の懐かしい人参照)について、これまた飾り気なく話してくれた。好感度大。
最後に次回作は?と聞かれた彼女、ちょっと嬉しそうに“日本を舞台に恋愛もの”と答えた。そうだったのか、その調べと準備のために日本にいるのだなと理解した。
後でネットで彼女のインタビューを読んだら、京都を舞台にした恋愛ものらしい。
見てはいないが彼女の長編デビューは「ベルヴィル・トーキョー」だった。
東京が舞台になっていた訳ではないと思うが、日本が監督にとって気になる国なのかもしれない。
その② 10/21 神保町シアター 植木等と渡辺プロダクションの映画の世界
「ニッポン無責任時代」「日本一の色男」と2本の植木等主演映画を見て、植木の才能を堪能した後、中尾ミエが登壇。本来は最後のクレージーキャッツ、犬塚弘の予定が88歳になる彼の体力的問題のため彼女に変更となった。
古希となった今もトリプル古希としての三人娘コンサートを毎年続けているとか。
谷啓は随分変わっていて、仲間とはほとんど付き合わず近所(彼女は幸い近所)の人たちと麻雀をしていて、ロンをされそうになるとことわった上で席を外すとか。
音楽映画を作っている時、ブロードウェーから有名な振付師を招き撮影したが、カメラ1台での撮影にびっくりされたとか。ハリウッドでは1つの場面を複数のカメラで同時に撮るのが当時から常識であったからだ。
例によって歯に衣着せぬおしゃべりで楽しませてくれた。
☆ジャン・ソレル
「静かなふたり」で謎の多いパリの古書店主を演じていたのはジャン・ソレル。
1934年9月25日マルセイユ生まれの83歳、カペー王家の末裔という名家出身。
1959年に映画デビューした後、「熊座の淡き星影」(ヴィスコンティ監督作品)、「昼顔」(ブニュエル監督作品)などに出演、その美貌からしばしばアラン・ドロンと比較されたとある。「静かなふたり」でも83歳とは思えぬ魅力を見せている。
トークショーでのジラール監督のお話では次のようなことがあったという。
ある時TVを見ていたら、マルチェロ・マストロヤンニについての番組でジャン・ソレルが出ていた。彼を見た時この映画の古書店主は決まったと感じたが、その後彼に連絡を取ろうとしたが連絡先が分からない。出演映画は180本くらいを数え、フランス人俳優ながら80%くらいはイタリア映画(奥さんは元イタリア女優)だったらしい。その関係でMM(マルチェロ・マストロヤンニの略ですが、M・モンローと同じ)の番組に出たのでしょう。
しかし、この14年くらい彼は活動をしていず、マネージャーもいない状態だったという。
やっと連絡を取ることができ会うことができ、出演依頼をしたらすぐOKをしてくれたとのこと。
◇蘇える赤木圭一郎 神保町シアター
日活のスター赤木圭一郎の特集があり6作品を見た。
タフガイ石原裕次郎、マイトガイ小林旭に次ぐ3番目のアクションスターという事で「第三の男」と呼ばれ、通称のトニーは風貌が似ているとしてトニー・カーティスから取られたという。初主演したのが1959年、撮影所内でのゴーカート事故で亡くなったのが1961年と2年強という短いスター生命だった。当時の日活は無国籍アクションというジャンルの作品が多く作られていた。バタ臭い風貌の赤木は大スターになると思われ2年間に20本以上の主演作が作られた。
唯一のシリーズ物が拳銃無頼帖で4作が作られた。
このシリーズ、主人公の名前がすべて同じという訳ではないが、赤木が演じるのは拳銃が上手い流れ者で、敵役は総て宍戸錠が演じているがこの役名もすべて違う。
まあ、そんな細かいことは置くとして、この二人のやり取りが4作品でどんどん発展し、ほぼ漫才コンビのようになっていく。これぞシリーズ物の醍醐味。
舞台となる街は神戸、四日市、金沢、岐阜とちょっと地味目ながら観光要素も上手く取り入れていて楽しめる。
●自分たちの国をブラックに笑い飛ばすには、冷静に見る目と批判を怖れぬ勇気が必要と思われるが、2人のアルゼンチン監督が共同監督した「笑う故郷」は最後まで徹底的に描き、笑いつくす。改めてアルゼンチンという国の奥深さを実感する。
●for Antonだったか、in memory of Antonだったかを覚えていないのだが、主演者アントン・イェルチェンの死を悼んだのは「ポルト」。まるで夢のようなあの一夜を繊細に描いた本作で圧倒的な演技を見せたアントン、2016年6月19日に事故で亡くなった。
27歳はいかにも若すぎる。
●臓器提供は日本ではそれほど普及していないのではないか?息子が朝早く仲間とサーフィンに出かけていくシーンから始まる「あさがくるまえに」はフランスの臓器移植に係る人たちについての映画だ。息子が脳死判定された時、両親は悲しみから一旦病院を後にするが戻ってくる。それが普通のことのように承諾しドラマが始まる。
●浅草(田原町)のパン屋さん「ペリカン」をご存知だろうか?ドキュメンタリー「74歳 のペリカンはパンを売る」は残念ながらそれほど面白くはなかった。
知らない店だったが、新しく学べる事がほとんどなかったためだろうか?
●「新感染 ファイナル・エクスプレス」の前に作られた同じヨン・サンホ監督の「ソウル・ ステーション・パンデミック」は実写ではなくアニメ、前日譚と書かれていたが残念ながらあまり怖くない。アニメの絵柄が原因ともいえるが、実写ではないためリアル感が薄い。
さらに、感染の原因も描かれていず、まあ見なくても良いかと。
●ゲバラ没後50年の今年、没地ボリビアでは記念式典が行われたという記事と共に、ボリビアの人々を苦しめたという反対の評判もあることが報じられていた。「エルネスト」を見ると、キューバ革命直後に広島を訪れ大きな影響を受けたことが描かれている。
今年30回目を迎える東京国際映画祭が今日10/25(水)から始まった。
長らく映画祭で上映されるコンペティション作品を見に行くことはなかった。
働いていれば行くのはなかなか難しい。
今年は時間が取れるようになったので少しは参加してみよう。
東京の秋は2つの大きな映画祭で彩られる。
① 第30回東京国際映画祭
10/25(水)~11/03(金)の10日間、一部を除き六本木のTOHOシネマズとEXシアターを会場として行われる。情報はHPやGUIDEから得ました。
オープニング作品:鋼の錬金術師 (日本映画、ワーナーブラザース作品、12/01封切り)
オープニングスペシャル:空海 10分の特別映像上映(中国/日本/香港2018.2月封切り)
空海は10分だけの映像上映だったんですね。映画祭の予告編では分かりませんでした。
クロージング作品:不都合な真実2:放置された地球 (アメリカ パラマウント作品 11/17)
コンペティション:15作品 日本、フランス各2本、マレーシア、イタリア、イラン、フィンランド、ドイツ、中国、ブルガリア、カザフスタン各1本、残りの3本は次の国々による共同製作が各1本ずつ トルコ/ドイツ/フランス/スウェーデン/カタール、ルクセンブルク/ドイツ/ベルギー、ジョージア/リトアニア
アジアの未来:長編3本目までのアジアの新鋭監督が競う賞、10本が参加。
日本映画スプラッシュ:日本のインディペンデント作品で海外に飛び出すような映画に与えられる賞、9本が参加。
特別招待作品:これから日本で封切られる作品を先取り上映、全18本。
ワールド・フォーカス:日本での公開未定の世界の秀作、傑作、全20本。
台湾電影ルネッサンス2017:台湾からの作品、全4本。
JAPAN NOW:過去1年の日本映画で海外に紹介したい7本をセレクト、さらに4人の女優の出演作を2本ずつ計8本。安藤サクラ、満島ひかり、蒼井優、宮崎あおいCROSSCUT ASIA:国際交流基金アジアセンターが紹介するこれからのアジアの映画9本+カンボジア若手短編集4本ユース:子どもや若い世代に映画の素晴らしさを知ってもらいたい全10本。
日本映画クラシックス:最新技術で修復された日本映画の古典的名作3本。
映画監督原恵一の世界:デビューから30年、クレヨンしんちゃんなどのアニメを中心に全7本。
Cinema Arena 30:過去の上映作6000本の中から選んだ30本を無料野外上映。
他にもスティーヴン・ソダーバーグの世界(3本)、トリビュート・トゥ・ミュージカル(6本)、ミッドナイト・フィルム・フェス!(様々なジャンルで16本+α)と流石に数多くのプログラムが並ぶ。
お楽しみください。
② 第18回東京フィルメックス
11/18(土)~11/26(日)の9日間、有楽町の朝日ホール及びTOHOシネマズ日劇3で行われる。
オープニング作品:相愛相親 (中国/台湾)
クロージング作品:24フレーム (イラン/フランス)
コンペティション:9作品 中国3本、フィリピン、台湾各1本、残り4本は次の国々の共同製作が各1本ずつ、キルギスタン/フランス/ドイツ/オランダ/日本、インドネシア/オランダ/オーストラリア/カタール、インドネシア/フランス/マレーシア/タイ、日本/フランス
特別招待作品:気鋭の監督たちの新作、全6本。
フィルメックス・クラシック:デジタル修復版でよみがえった2本。
特集上映 ジャック・ターナー:フランス生まれでハリウッドに行ったジャック・ターナー(1904~1977)の2本
上記2つの映画祭以外に東京の映画館では最近映画祭というか特集上映が満開です。
その状況は来月号でお伝えできるかな。
時間があればお楽しみください。
今月はフランスの若い監督によって作られた作品が次のように目立った。
「プラネタリウム」レベッカ・ズロトヴスキ監督 1980年生まれ 長編3作目
「汚れたダイヤモンド」アルチュール・アラリ監督 1981年生まれ 長編1作目
「あさがくるまえに」カテル・キレヴェレ監督 1980年生まれ 長編3作目
「静かなふたり」エリーズ・ジラール監督 1974年生まれ 長編2作目
「ジュリーと恋と靴工場」ポール・カロリ監督 1978年生まれ 長編1作目
共同監督 コスティア・テスチュ監督 1980年生まれ 長編1作目
上記の5本以外にもフランス映画は4本あり、計9本は外国映画の40%弱を占めている。
アメリカより多い。これを見ても、今フランス映画は結構隆盛ではないかと思うが、上記の5作品は若い人たちによって作られている。
フランスの若い映画監督たちと言えば、1950年代末~1967年頃のヌーヴェル・ヴァーグが有名だ。ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーを中心に多くの若い監督が参加していた。
今回の若い監督たちはある種の運動とまとめられる訳ではないので、ヌーヴェル・ヴァーグのように名前を付けられることはないだろう。それにしても若い監督の新昨がこんなに見られるのはうれしい限り。
小林信彦の少し前の新刊に「わがクラシック・スターたち」(文芸春秋)がある。
この本、本屋で映画の棚にないことが3度あった。
ご想像の通り、音楽の棚に並べられていたのだ。
クラシックとはあるがこれは映画スターのことで音楽ではない。
失礼ながら、正しく映画の棚に並べるように店員さんにお願いした。
初めに見つけた豊洲ららぽーと内の紀伊国屋は次に見た時は正しく直されていたが、神保町の三省堂本店では2度お願いしたが、2度とも直っていなかった。
まあ、それぞれの本屋さんの考え方があるのでしょうが…。
今月はここまで。
次回は師走の忙しさが目前という11/25にお送りします。