2018年 8月号back

真夏日・猛暑日が何日も続いて疲れがたまるこの頃、
水分を取り、躊躇なく冷房を使い熱中症予防に気を遣う。
ここまで暑い日が続くこともあるんだと改めて自然を知る。
人生についての過酷な状況は実際に出会う前に
準備しましょう、それは映画館で。

 

 

 

 

 

今月の映画

 

6/26~7/25の早くも何日も真夏日を記録した30日間に出会った作品は42本、
邦画は14本、洋画は28本で1:2の割合、新作は28本、旧作が14本となった。
邦洋、新旧共にバラエティに富んだ作品類だったが、ベスト1級は邦洋ともに旧作にというのがちょっと残念。

 


 



<日本映画>

焼肉ドラゴン 
パンク侍,斬られて候
猫は抱くもの 
菊とギロチン 
返還公証人 いつか,沖縄を取り戻す、フジコ・ヘミングの時間 
カメラを止めるな! 
愛と法(試写、9月公開予定)
県警と組織暴力(古) 
アフリカの光(古) 
青春の殺人者(古) 
太陽を盗んだ男(古) 
続青い山脈(古) 

毎日がアルツハイマー2(古)

 

 

<外国映画>

天命の城
  (The Fortress) 
オンリー・ザ・ブレイブ
  (Only The Brave) 
ワンダー 君は太陽
  (Wonder) 
アメリカン・アサシン
  (American Assassin) 
ブリグズリー・ベア
  (Brigsby Bear)
正しい日 間違えた日
  (Right Now,Wrong Then) 
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
  (Solo: A Star Wars Story) 
ワンダーランド北朝鮮
  (Meine Bruder und Schwestern im Morden /

   My Brothers and Sisters in The North) 
いつだってやめられる 7人の危ない教授たち
  (Smetto Quando Voglio /

  I Can Quit Whenever I Want) 
セラヴィ!
  (Le Sens de La Fete / C’est La Vie) 
バトル・オブ・ザ・セクシーズ
  (Battle of The Sexes) 
エヴァ
  (Eva) 
ボリショイ・バレエ 2人のスワン
  (The Bolshoi) 
ジュラシック・ワールド 炎の王国
  (Jurassic World:Fallen Kingdom) 
グッバイ・ゴダール
  (Le Redoutable / Godard Mon Amour) 
最後のランナー
  (On Wings of Eagles) 
クレアのカメラ
  (Claire’s Camera) 
ウィンチェスターハウス アメリカでもっとも呪われた屋敷
  (Winchester)
あのバスを止めろ
  (Notturno Bus / Night Bus) 
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス
  (Buena Vista Social Club:Adios)

 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

 

 

新作にはベスト1級がありません。残念。

 

②-1 ジュラシック・ワールド 炎の王国
「ジュラシック・パーク」から4半世紀も経つのだ、初めて恐竜がこちらに迫ってくるのに感動したことを思い出す。シリーズ5作目、「ジュラシック・ワールド」の続編は楽しめた。パークの続編2作から比べると、今のアメリカ映画界の充実ぶりを実感させる出来の良さだ。

 

②-2 カメラを止めるな!
ゾンビ映画を作っている撮影チームを題材にした映画とは知っていた、予告編から。しかも、本物のゾンビが出てくるとか…ありがちパターンだなあとも思っていた。さらにいかにもダサいチラシを見て、ちょっと引いていたのだが。3重構造の造りにやられた。面白い。(今月のトピックス Ⅴ平日の昼間なのに 参照)

 

③-1 天命の城
国の未来を考えて如何に今の状況に対処していくか、治世者にとって最も重要なことを忘れずに冷静に考え行動する主人公。1636年に清が朝鮮に侵入した事実に基づいて作られた映画を見ていると、国の在り方を守るために何が必要かを実感する。最近のイ・ビョンホン、一層大きくなってきた。

 

③-2 フジコ・ヘミングの時間
彼女の生き方、演奏の仕方、芸術に対する考え方などに焦点を合わせ、彼女と同じように感性を大事に映画化されたドキュメンタリー。パリ、ベルリン、ロサンゼルス、東京、京都などに家(趣味の一つ)を持ち、猫、犬を飼いながら、マネージャーなしに自分で演奏会管理をしながら世界を巡る、多分85歳くらいのピアニスト。

 

 

 

他にもおすすめ作品は沢山、お楽しみください。


焼肉ドラゴン:鄭義信はかつて映画界では脚本家(「月はどっちに出ている」「愛を乞う人」等)で有名だった。彼が2008年に舞台で脚本・演出をし多くの賞を獲得した「約肉ドラゴン」を映画化した。大阪万博があった1970年を舞台に、大阪で生きる在日の家族、人達の生き方、その後の進み方を描いている。ちょっと舞台的過ぎるところも。

 

オンリー・ザ・ブレイブ:アメリカにおける山火事はニュース等でよく見る。この映画を見ていると乾燥度合いが尋常でなく、山火事が頻発しても不思議はないなと納得するとともに、そのための消火隊が様々な形で存在することにも感心した。

 

ワンダー 君は太陽:なかなかに考え抜かれた脚本によって、単にかわいそうという涙頂戴ものにはなっていないのが良い。

 

ブリグズリー・ベア:赤ちゃんの頃から放射能に汚染された外に連れ出されることはなく、自宅の中で毎週届く「ブリグズリー・ベア」の番組を見て育った主人公は、25歳の青年になっている。その裏には色々な秘密が…、それを知った後も「ブリグズリー・ベア」の続きを作ろうとする主人公の父親を演じていたのは「スター・ウォーズ」のマーク・ハミル。

 

ワンダーランド北朝鮮:ドイツ映画だが監督は韓国人女性チョ・ソンヒョン。彼女は北朝鮮に入るために韓国籍を放棄、ドイツのパスポートで入国。今まであまり見られなかった北朝鮮の日常生活が見られる。ここまで撮らせてくれるんだという感じ。

 

セラヴィ!:よくこんな人たちをまとめて結婚式商売をやっているなぁ、感心するくらいチームのメンバーはひとりひとり勝手に動いている。傍で見ている分には面白いという事になるが、日本人としては笑ってみていられるか?フランス人は“セラヴィ!―まぁ、これも人生さ!”と笑って圧倒的No.1大ヒット!日本人よ、大きくなれるか?

 

バトル・オブ・セクシーズ:1973年、テニスの女子プレイヤーNo.1ビリー・ジーン・キングは女性の賞金が男性の1/8しかないのに憤慨、女子テニス協会を設立。29歳になっていた彼女は、55歳の元男性チャンピオン、ボビー・リッグスの挑戦を受け試合を行う。当時まだテニスをしていなかった私はあまりよくは知らなかったこの“事件”の映画化。

 

菊とギロチン:最近続々良作を量産している瀬々監督の新作は、彼が30年来映画化を目指していたという題材。大正末期、アナキスト集団と女相撲興行という2つの集団の若者たちの生き方を描く。監督の青き思いだけは伝わる。

エヴァ:イギリスの作家J・ハドリー・チェイスの「悪女イブ」が原作、同じ原作から作られた「エヴァの匂い」とはかなり違う感触。今回は女、男どちらも恰好つけているが結構下卑たところが見える。

 

返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す:沖縄返還に生涯をかけた外交官千葉一夫の活動を描く。自分の信ずるものに邁進する主人公を見ていると、前川喜平さんの「面従腹背」を思い出す。NHKの放送済みドラマに新たな映像を加え再編集して映画に。

 

ボリショイ・バレエ 2人のスワン:ロシアにおけるバレエの地位がいかに高いものであるかは様々な映画から知っていた。今回はボリショイ・バレエ学校に同期入学したふたり、1人はド田舎からやってきた貧乏人で才能がある子、もう一人はモスクワの金持ち令嬢で才能もある子の戦いが描かれる。少女漫画のノリで楽しめた。

 

グッバイ・ゴダール:1968年は色々なことがあった。アメリカではキング牧師、ロバート・ケネディが暗殺された。映画界では5/10~24開催予定だったカンヌ映画祭が、5/19にカンヌ映画祭粉砕事件が勃発(ゴダールの演説で始まった)し、途中で中止になった。これが5/21にパリで起こる五月革命に波及したのだ。この年に作られた「中国女」以降の作品を見ていず、私にとってもグッバイだったなと。

 

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス:前作から18年、ライ・クーダーがプロデュースした同名アルバムを基にヴィム・ベンダースが監督した初作でもミュージシャンは高齢だったのだが、その後を追った続編が登場。音楽が心地よい。この作品の惹句は“18年の愛をこめて”、正にね。

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<日本映画>


長谷川和彦監督作品:「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男
1946年1月生まれの長谷川監督は72歳になった。1976年「青春の殺人者」で監督デビューし、その年のキネマ旬報1位を獲得。1979年「太陽を盗んだ男」を発表し、キネマ旬報2位を獲得した。しかし、その後さまざまな企画はあったが作品として結実することはなく、今のところ監督としての作品は2本にとどまっている。当時日本映画をあまり見ていなかった私でさえ、長谷川監督の次作はどうなったのかと気にしていた。

 

30代前半で送り出してきた2本の作品は、若者が持つ躍動感に満ちていた。題材自体がセンセーショナルなものだった。見る者の興味を掴む。人に見てもらえて初めて映画になるという、映画製作の基本が体に染みついていたようだ。こういう感覚を持っている人は貴重だ。
当時「太陽…」は主演に沢田研二を迎えながら大きなヒットにならなかったなどとも言われたらしいが、つい最近のキネマ旬報で70年代のベスト映画が選ばれたのでは、「太陽…」が1位、「青春…」が11位となっていた。

 

 

 

<外国映画>


フリッツ・ラング監督作品:「メトロポリス」「スピオーネ」「西部魂」「復讐は俺に任せろ」「無頼の谷
フリッツ・ラングはオーストリア出身(1890~1976)。第一次大戦従軍後、脚本家としてドイツのウーファー社に入社、1919年には監督デビュー、サイレントからトーキー初期のドイツ映画黄金期を夫人の脚本家テア・フォン・ハルボウと共に築き上げた。ユダヤ人のラングは1934年フランスに亡命、その後ハリウッドに渡った。

 

フリッツ・ラングの映画は練られた脚本に卓越した映像、あいまっての語りの上手さが特徴だ。サイレントの「メトロポリス」「スピオーネ」は1927、8年に作られ共に150分前後と長い映画だが、一刻も緩いところがない。
「メトロポリス」にはいくつもの版があったことを調べて知った。実は30年以上前に見たことがあるのだが、それはジョルジオ・モロダー版と言われている82分のものだった。オリジナルのドイツでの初公開版は210分と言われているが、アメリカ公開時は114分になり、製作会社のウーファーは莫大な製作費を回収するためアメリカ版に合わせて上映回数を増やすことにしたという。さらに、第二次大戦の混乱のため失われたり、新たに長い版が見つかったりして今回見た148分版になったらしい。
製作時から100年後の2026年の世界で、ロボットが登場するのだが、その美しいロボットは「スター・ウォーズ」のC-3POに影響を与えたことでも有名だ。

 

 

 

Ⅲ 今月の懐かしい人

 

☆アンディ・マクダエル


オンリー・ザ・ブレイブ」でジェフ・ブリッジスの妻を演じていたのはアンディ・マクダエル、1990年前後には「セックスと嘘とビデオテープ」「グリーンカード」などで主役を演じていた。その後はいつの間にか目立たなくなり、引退したのかとも思っていたので、この作品で出てきた時にはまだ俳優やっていたんだという印象。ほとんど昔と変わらない涼しげな立ち姿だった。

 

 

 

☆マンディ・パティンキン


ワンダー 君は太陽」で主人公の男の子が通う学校の校長を演じていたのはマンディ・パティンキン、バーブラ・ストライサンドが監督・主演したミュージカル映画「愛のイエントル」で相手役を演じたりしているが、元々はブロードウェー「エビータ」でトニー賞の主演男優賞を獲得しているミュージカルスター。
今回は子供たちを優しく見守る校長先生を演じて良い味でした。

 

 

 

 

 

Ⅳ  今月の惹句(じゃっく)

 

6/26~7/25の間に封切りされた作品の惹句の中から、今月は恋について2つ。

 

これは恋?それとも、ほろ酔い?正しい日 間違えた日
これは“恋”そのものについてでもあるし、この作品についてでもある。


ゴダールに恋した、1968年のパリグッバイ・ゴダール
ゴダールなんかにを含み、映画の総てについての惹句。

 

 

 

 

 

Ⅴ 今月のつぶやき


●山火事でヘリコプターなどから消火剤投下のニュースを見るたび、アメリカは凄いなと思っていたが、プライベートの消火組織まであると教えてくれたのが「オンリー・ザ・ブレイブ」、しかも各地にあったりするようで感心した。

 

●町田康原作、宮藤官九郎脚本、石井岳龍監督で作られ評価も高い「パンク侍、斬られて候」だが、私は乗れなかった。一生懸命面白がっているので、こちらはちょっと引いてしまったのだ。

 

●先月2本見たホン・サンス監督、キム・ミニ主演作、今月も2本見た。「正しい日 間違えた日」と「クレアのカメラ」だ。これで二人のコンビ4作を見たのだが、今回の2作品の男性主人公は共に映画監督だ。サンス監督自身を描いたものではないだろうが、それでも監督がこうした男性監督像を作るということがその後ろに彼自身の思いがあると感じられる。この後2人はどんな作品を作るのだろうか?

 

●スター・ウォーズシリーズのスピンオフ作品の2作目「ハン・ソロ」はハン・ソロについての前日譚だ。明るく、調子がよく、常に飛び出していくハン・ソロイメージはハリソン・フォードが作り出したものだが、それに比べるとオールデン・エアエンライクは暗さが先に立つ。映画自体もあっけらかんぶりが殆どないのが残念。

 

●もちろん猫に演じさせるのは大変だろうと分かるのだが、人間がそのまま猫を演じる「猫は抱くもの」は、やはり実際の猫でやって欲しかった。舞台であればまだ分かるのだが。

 

●ジョゼフ・ロージー監督の1982年の作品「」は日本も舞台になっていて、当時の東京、京都などが画面に現れる。なかなか細かいところまできっちり撮られている。しかし、東京の高級ホテルのスイートに日本間もあるのだが、主人公たちが土足で上がるのはどういう料簡だったのだろう。

 

●1924年パリオリンピックに出場したイギリスの陸上チームについての映画「炎のランナー」はヴァンゲリスの音楽と共に印象に残る映画だった。選手の一人エリック・リデルは宣教師で日曜は走ることができないため、種目100mから400mに変えて金メダルを取った。この後リデルは中国に宣教師として赴任する。日本軍が侵略し、その後太平洋戦争に進み、捕虜として収容所に入れられ、病死するまでを描いたのが「最後のランナー」だ。

 

●ウィンチェスターと言えばイギリスやアメリカにある都市名だが、「ウィンチェスターハウス」はウィンチェスター銃を開発して資産を築いたウィンチェスター一族の家。カリフォルニア州サンノゼに今もあるらしい。ウィンチェスター銃によって殺された人々の霊を閉じ込めるために未亡人が部屋の増築を続け、500室を超えることに…。う~む。

 

 

 

 



今月のトピックス:真夏のアラカルト


Ⅰ 橋本忍さん


先月号でご紹介した“100歳の脚本家”橋本忍さんが7月19日逝去された。執筆されていた天皇を主題にした小説「天武の夢」は未完に終わってしまった。
7月16日にご自宅を訪ねた朝日新聞の記者によればお元気だったという事だが、肺炎のため7月19日午前9時26分に逝かれたという。

 

弟子という2人にかけた彼の言葉から印象的なものを。


to山田洋次(映画監督):“そんな映画、やめた方がいいよ”


to中島丈博(脚本家):“うまく書こうと思うな、正確に書け”

 

黒澤組の仲間だった野上照代(スクリプター)さんが橋本さんについて言った言葉:
“伊丹万作監督の奥様が「光源氏の君」と呼んだのを憶えています。それくらいの二枚目、それが作品にも表れています。人間の性格の裏を描写するといったことより、真直ぐなテーマを得意としていたんじゃないか。”

 

長い間映画の面白さを教えて頂きありがとうございました。

ご冥福をお祈りいたします

 

 

 

 

Ⅱ シネクイントの復活 


かつてシネクイントは渋谷パルコPart3にあったが約2年前に閉館となった。その後パルコPart3の前にあったシネマライズも閉館となったので、スペイン坂を上っていく映画館は無くなってしまった。さらにここからほど近く、Loftの前にあった渋谷シネパレスも今年の5月で閉館になってしまった。こうしてミニシアターのメッカであった渋谷から、今も映画館は消え続けている。

 

そんな中、シネクイントが復活した。と言っても5月に閉館したシネパレスをそのまま使用して7月6日(金)に復活開場したのだ。
そのことを知ったのは7月5日に翌日の映画スケジュールをチェックしていた時、シネクイントという見慣れた名前の映画館が出てきたからだ。それまでこの情報は知らなかった。広く情報発信をしていなかったのではないか?
いずれにしろシネパレス→シネクイントとなってオープンするというので、オープン当日の封切り2作(「セラヴィ!」「バトル・オブ・セクシーズ」)を見ることにして映画館に向かった。「セラヴィ!」は09:45の開映なので20分前の09:25には着くように出かけた。復活とはいえ映画館オープンの初日だから何かお祝いがあるかもしれないしと邪推しながらビル7階に着いたのは09:26だった。しかし、「09:25にオープンしますのでしばらくお待ちください」のお知らせを付けたロープが張られたままだった。ロープの向こうには関係者らしい方々が6~7名黙って立っている。お祝いの花かごも5つくらい並んでいた。制服を着た女性も居たのでお呼びして、“もう09:25は過ぎていますが”と申し上げてやっと中に入れてもらえた。誰からも“いらっしゃいませ”の声はなかった。
更にスクリーン1の館内に入ろうとすると“準備中ですのでお待ちください”と言うのでソファに座って待つことに。“お待たせいたしました。”の声がかかったのは何と09:43頃、開映2分前である。こんな準備で大丈夫か?初めてのオープンでもないという気のゆるみか?ちなみに、2本の映画の始まる前にはそれぞれの監督が“シネクイントオープンおめでとう”のメッセージを告げる映像が流された。

 

 

 

 

 

Ⅲ 森達也、香山リカの出演映画


旧作を見ていると、その当時は知らなかった俳優で今は有名という人が出ていてうれしくなることがある。
例えば、今月の外国映画の旧作では、「復讐は俺に任せろ」で若き日のリー・マーヴィンに出会った。Wikipediaによれば、1924年生まれで、サイパン線で負傷して除隊、戦後、配管工として働くが誘われてオフ・ブロードウェイの舞台に、1950年にハリウッドに移り戦争映画の端役で出演するようになる。デビュー当時はその風貌からB級映画の悪役専門だったとある。1953年のこの作品では作品中一番の悪役、女の顔に煮えたぎるコーヒーをぶちまけ強烈な印象を残していた。後に「キャットバルー」でアカデミー主演男優賞を受賞。彼の出演作で好きなのは「モンテ・ウオルシュ」(1970年)、西部劇時代の末期、去り行くカウボーイを描く。ジャンヌ・モローのハリウッド初出演作、彼女とパートナーになったとも言われた。

 

前置きが長くなったが、1979年の「太陽を盗んだ男」(今月の旧作参照)を見ていたら、出演者の中に森達也、香山リカの名前があった。1956年、1960年生まれだから出演していても不思議はない。森は映像関係の人だからあり得るが、19歳の香山は大学時代のアルバイトか?
という事でサイトで調べると、同じ疑問を持った人がいてYAHOO知恵袋に聞いていた。そのベストアンサーは次の通り。

 

『森達也は、その森達也です。ジュリーに間違えられる役だそうです。
香山リカは、同姓同名なだけで、心理学者の香山リカではありません。子役の子だそうです。』

 

 

 

 

 

Ⅳ ディズニー、Foxの結末


これも先月お伝えしたディズニーによる21世紀フォックスの買収劇、コムキャストが横から買収額を提案していたが、最終的に断念したと発表した。さらに、独占禁止審査も大きな関門だったが、米司法省がフォックスが全米に抱える地方スポーツ放送局の分離を条件にディズニーの買収を認めたことでほぼ確実になった。

 

 

 

 

Ⅴ 平日の昼間なのに


6月23日に封切られているので、その作品を見た7月23日は1か月後という事になる。気にはなりつつも封切り当時は新宿の1館のみ、なかなかスケジュールに合わず行けなかった。2週間ほど前に渋谷の1館が増えた。やっと見たのは7月23日(月)13:00の回だったのだが、立ち見が出る超満員、皆さん階段通路に座っていた。
その作品は「カメラを止めるな!」。

 

 

 

今月はここまで。

次は暑い夏も終わりに近づきつつあるだろう8/25にお送りします。


                         - 神谷二三夫 -


感想はこちらへ 

back                           

               

copyright