2019年 7月号back

昼間は晴れるらしいが、今朝は雲が多くはっきりしない空模様。
しとしとジメジメはまだこれからが本番を迎えそう。
暫くは我慢が続く。
気分転換、そう、それには映画館!

 

 

 

今月の映画

 

5/26~6/25の関東の梅雨入りを含む31日間に出会った作品は50本、
ちょっと見過ぎです。注意したい。
珍しくも日本映画が新作だけで13本、旧作を入れれば22本となりました。



<日本映画>

空母いぶき 
兄消える 
長いお別れ 
僕はイエス様が嫌い 
武蔵 
さよならくちびる 
町田くんの世界 
ウィアーリトルゾンビーズ 
ずぶぬれて犬ころ 
泣くな赤鬼 
エリカ38 
旅のはじまり世界のおわり 
ザ・ファブル
暗夜行路(旧) 
プーサン(旧) 
夜の河(旧) 
にっぽんのおばあちゃん(旧) 
お引越し(旧) 
妻として女として(旧) 
女舞(旧) 
燃えつきた地図(旧) 
色ざんげ(旧)

 

 

<外国映画>

ベン・イズ・バック
  (ben is Back) 
コレット
  (Colette) 
ニューヨーク公共図書館
  (EX Liblis – The New York Public Library) 
マルリナの明日
  (Marlina The Murderer in Four Acts) 
ガルヴェストン
  (Galveston) 
アメリカン・アニマルズ
  (American Animals) 
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
  (Godzilla:King of The Monsters) 
パリの家族たち
  (La Fete des Meres) 
パリ,嘘つきな恋
  (Tout Le Monde Debout / Rolling to You) 
誰もそれを知っている
  (Todos Lo Saben / Everybody Knows) 
アラジン
  (Aladdin) 
スノー・ロワイヤル
  (Cold Pursuit) 
氷の王者ジョン・カリー
  (The Ice King) 
クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代
  (Klimt & Schiele Eros and Psyche) 
メン・イン・ブラック:インターナショナル
  (Men in Black International) 
7月の物語(含む「勇者たちの休息」)
  (Contes de Juillet / July Tales) 
アナと世界の終わり
  (Anna and The Apocalypse) 
ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた
  (Hearts Beat Loud) 
ハウス・ジャック・ビルト
  (The House That Jack built) 
アマンダと僕
  (Amanda) 
X-MEN:ダーク・フェニックス
  (X-men:Dark Phoenix)


(映画祭)
ウェスタン
  (Western) 
ヤン・パラフ
  (Jan Palach) 
クィーン・オブ・アイルランド
  (The Queen of Ireland) 
エッシャー 無限の旅
  (M.C.Escher-Het Oneindige Zoeken /
   M.C.Escher-Journey to Infinity) 
ロミー・シュナイダー その光と影
  (3 Tage in Quiberon / 3 Days in Quiberon)
心と体と
  (testrol es Lelekrol / On Body and Soul)
キオスク
  (Der Trafikant / The Tabacconist)

 

 

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)

 

① ニューヨーク公共図書館
フレドリック・ワイズマン監督の最新ドキュメンタリーはニューヨーク公共図書館の様々な面を見せてくれる。ワイズマンらしく通り一遍の描写ではなく丁寧に見せてくれるので3時間25分の長さだが、面白く楽しめる。

 

② 泣くな赤鬼
重松清原作の映画化。ごく普通の人たちの何かに成功するわけでもない人生の中で、教え子が自分より早く逝ってしまう。教え子は野球部を途中で辞めてしまうし、10年後に会った時は末期がんになっていた。重松ドラマは常に期待を裏切ってくれる。

 

③ ハーツ・ビート・ラウド
NYCブルックリンの更に少し南、レッドフックを舞台にその町で17年間レコード盤の店を経営してきた父とUCLAの医学部を目指して旅立とうとしている娘。二人はセッションするのを楽しみにしてきた。店じまいの日、明日は娘の旅立ちという日、2人は店内で初のライブを行う。自然な盛り上がりに乾杯!

 

 

 

他にも面白い作品があります。映画館でお楽しみください。

 

空母いぶき:かわぐちかいじの漫画が原作、架空の国想定とはいえ近未来に起こりうる海上での探り合いをリアルに描く。ただ、余りに周りに気を使い過ぎの部分もあり、緊迫感は今一つとなってしまった。TV局とか、ラストの顔見世とか不要でしょう。

 

ベン・イズ・バック:有名人を時々見せしめのように逮捕している日本の薬中毒の現状と比べれば深刻度は段違いに大きいだろうアメリカ。厳しい現実をきちんと描く。変な話「空母いぶき」より緊張度は高いかも。

 

コレット:自分の原作の舞台「ジジ」にオードリー・ヘップバーンを選んだ人とは知っていたコレット女史。彼女の前半生を描いたこの作品を見ると、彼女がいかに時代の先を行く女性だったかが分かる。映画はその雰囲気をうまく伝えてくれる。

 

マルリナの明日:インドネシアからやってきた女性主演のアクション編は、ナシゴレン・ウエスタンとか宣伝された。テンポの良さと画面の美しさで見る者を引っ張っていく。

 

長いお別れ:前作「湯を沸かすほどの熱い愛」で商業映画デビューを果たした中野量太監督の2作目は中島京子の連作短編からの映画化だ。驚きのあった前作と違い、認知症の父を巡る7年に渡る家族の物語はむしろ冷静かも。

 

さよならくちびる:素人っぽい女性のデュオチーム、ハルレオを巡るドラマは付き人の男性を含め3名での引退コンサートツアーを追う。LGBT問題も結構しっかり描かれ、人の弱さも浮き彫りに。

 

スノー・ロワイヤル:ハンス・ペーター・モランド監督が自身のノルウェー映画をハリウッドに呼ばれてリメイク。なかなか快適なアクション映画になった。

 

氷の王者ジョン・カリー:イギリスのフィギュアスケーター、ジョン・カリーの名前は知っていたが、これほどフィギュアスケートを芸術にまで高めようとしていたとは知らなかった。ゲイだったことも関係していたのだろう。

 

ずぶぬれて犬ころ:住宅顕信(すみたくけんしん)という俳人は知らなかった。1987年に25歳で夭折した彼の物語と、現在いじめられている男子中学生の話を並行して描く。顕信は自由律俳句を作っていて、題名もその1句。

 

アナと世界の終わり:ゾンビは増殖し、遂にミュージカルにまで手を出した。これは必勝パターンのゾンビ・学園・ミュージカルだ。

 

エリカ38:樹木希林がプロデュースという事で話題になっている浅田美代子主演の女詐欺師の物語。監督は日比遊一という人。高倉健のドキュメンタリー「健さん」を作った人で、ニューヨーク在住の写真家。エリカ38の深い色の画面作りはそれ故か。

 

アマンダと僕:パリで暮らすダヴィッドは街の植物を伐採する仕事を不定期にしながら、貸しアパートの管理人もしている。シングルマザーの姉が娘アマンダとパリに住んでいて、時々アマンダの小学校に迎えに行ったりしている。そんな日常が普通に描かれる映画は、突然姉が逝ったことで、24歳の叔父と7歳の姪が一緒に住むことになり、二人の再生の物語が静かに描かれ、心に沁みる。

 

X-MEN:ダーク・フェニックス:X-MENシリーズはミュータントの存在を認めるという意味でマーベルの中でも特異なものだ。今回はぐんとスケールアップ、楽しめる。

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

旧作は日本映画ばかり9本を見た。その中では一番最近(1993年)に作られた「お引越し」が印象深い。
何といっても田畑智子のデビュー作である。小学6年生を演じている。中井貴一と桜田淳子が演じる両親と暮らしていたが、両親の不仲で父が出て行くお引越しの映画。彼女がいなければ成立しない映画。まるで「地下鉄のザジ」のように飛び跳ねた映画を作ったのは相米慎二監督。改めて調べていたら私と同じ誕生日で、1年先輩だった。

 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー

 

国立映画アーカイブではフィルムセンターの頃から毎年EUフィルムデーズと称するヨーロッパ映画の特集上映をしてきた。今年で17回目となる。今年は24本が上映された。日本で初めて公開される作品を中心に、2~3年前に封切られたり、映画祭で上映された作品を含めたプログラムが組まれる。監督等の映画関係者もかなり来日、上映後のトークショーも行われる。今回は7本を見た。
EUフィルムデーズは東京の後、京都、広島、福岡でも上映される。

 

6/01 ヤン・パラフ ロベルト・セドラーチェック監督/東京外国語大学篠原琢教授
1968年のプラハの春の後、1969年1月にヴァツーラフ広場で焼身自殺をした青年ヤン・パラフを描く。
映画でも描かれた通り、パラフはごく普通の目立たない青年だったという。自分一人で考え、周りの人に相談することなく思ったことを実行する。静かで強い信念の人。それはチェコ人一般にも当てはまる性質だという。プラハの春は世界の人に強い衝撃を与えた。ヤン・パラフの焼身自殺も同様に衝撃的だ。知らずにいたことが恥ずかしい。

 

6/04 エッシャー 無限の旅 ロビン・ルッツ監督/マラインケ・デ・ヨング監督
エッシャーと言えば、だまし絵で日本でも有名だ。ありえない階段とか、立方体などがよく見られる。エッシャーの生涯を追ったドキュメンタリーには彼の息子二人がインタビューされていて、面白い。エッシャーのだまし絵ではない初期の作品や、日本に駐在していた父親の影響からか版画的な技法を使ったところなど、エッシャーについての新しいイメージを与えてくれる。映画は非常にポップに作られていて、見ていて楽しい。
この作品、9月に日本で封切りされることが決まったという。

 

6/23 キオスク 酒寄進一(原作翻訳者)
1937年オーストリア・ザルツカンマーグートに母と暮らしていた17歳のフランツは、ウィーンに出て母の知り合いが営業するキオスクで働き始める。ナチスの影におびえ、翌年には併合されるという時代の変わり目。少年から青年への成長と共に時代の変化も描かれ、フランツの内面など精神医学者フロイトと絡め繊細に、しかもシャープに描かれる。

 

トークショーはなかったが「ロミー・シュナイダーその光と影」も面白く見た。亡くなる前年の1981年、フランスのキブロンに療養のために滞在していたロミーのもとにドイツのシュテルン誌の記者がインタビューにやってきた3日間を映画化。少しでもロミーを知っていればより興味深く見ることができる。演じるマリー・ボイヤーも雰囲気が似ている。

 

 

 

 

Ⅳ 今月の懐かしい人

 

☆ボー・ブリッジス
「ガルヴェストン」でギャングの親分を演じていたのはボー・ブリッジス。初めての試写会で見た「ある戦慄」(1967年)でニューヨークの地下鉄で戦っていたのが印象深い。
ロイド・ブリッジスの息子で、弟はジェフ・ブリッジスだ。今年77歳、50年以上の長い俳優生活、ほぼ脇役で時々顔を見せてくれる。若い頃の良心的アメリカ青年といった印象をいつまでも保持している。

 

☆クロード・ブラッスール
「パリ、嘘つきの恋」で遊びではない真剣な恋に…というプレイボーイの主人公の父親を演じていたのはクロード・ブラッスール。それほど目立つ人ではない。この人もほぼ脇役。ソフィー・マルソーが主演した「ラ・ブーム」で彼女の父親を演じていた。
老人ホームで悠々自適な生活を送る今回の父親役、結構合っていた。
父親のピエール・ブラッスールも俳優で、彼より有名だった。

 

☆柳澤愼一(昔は柳沢真一)
「兄消える」で兄を演じていたのは柳澤愼一、子供の頃数多くのテレビ番組に出ていたのを見ている。なんだかはっきりしないボーとした風貌、ジャズ歌手でもあったらしいが、我々の世代にはコメディアンとして記憶されているだろう。「奥さまは魔女」のダーリンの声を吹き替えていた。1932年生まれの86歳。

 

 

 

 

Ⅴ 今月の不思議


#「ガルヴェストン」の原作はアメリカ人が書き、アメリカが舞台の映画で英語で作られているが、監督はフランスの女優メラニー・ロランだった。彼女は「イングロリアス・バスターズ」などアメリカ映画にも出てはいるし、監督作は長編としては3作目だから全くあり得ないということはないのだが、それでも何故フランスの女優がという疑問が消えない。作品としてはかなり良くできているのだが。

 

#「アメリカン・アニマルズ」は実話の映画化だ。ラストで本人たちの姿が見られるだろうと思っていると、始まって5分も経たないうちに本人が現れる。俳優たちが演じると、その時の状況について本人たちが解説的に話すのだ。このパターンが最後まで続く。これって逆に本人たちの言葉を先にすればドキュメンタリー内の説明ストーリーになる訳で、非常に微妙。新しい方法で、当人のキャラクターが面白い人もいるが、ちょっとどっちつかずの印象が残る。

 

 

Ⅵ 今月のつぶやき

 

●エルヴィス・コステロやパティ・スミスが演奏ではなくトークショーをしていたりする「ニューヨーク公共図書館」は、他にも働く人を募集する会社の人が話していたり、勿論童話の朗読会はあるし、更に公共のお金と寄付によって運営されている図書館の運営会議までを映し出して、退屈しない。

 

●ぬいぐるみの中に入って活躍した中島春雄さんは2年前のアカデミー賞でもメモリアルで名前が出てきた。彼への感謝の辞も出てくる「ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ」は今一つ楽しめなかった。なんだか人間は関係なくモンスター同士の戦いになりすぎていて。

 

●別冊マーガレットに連載されたという「町田くんの世界」は、少女漫画雑誌連載とは思えなかった。特に町田くんの走り方は少年漫画の世界でしょう。原作でもあんな風に走るのだろうか?

 

●今や一時のジブリというブランド以上に日本の映画界で力を発揮するディズニーブランド。そのおかげか超大ヒットらしい日本での「アラジン」興行。元々がそうだったのか分かりませんが、作品がまるでマーベルものみたいに力でねじ伏せてくるのが私にはちょっと。

 

●ドキュメンタリーなので日本語のナレーションでも悪くないと思ったのだが、「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」の柄本佑のナレーションは内容の難しさゆえか頭に入ってこない。字幕を読んだ方がまだ記憶に残ったかも。まあ、私の理解力低下もあり得る。

 

●ウズベキスタンを前田敦子がさ迷い歩く「旅のはじまり世界のおわり」はほぼ観光映画といえる。強い物語がある訳ではなく、その場の状況をゆれるカメラで描く。ただ、余りに酷いTVディレクター(日本の今を表すか)と、歌手になりたいというリポーターの歌があまり上手くないのが難か。黒沢監督はそれも分かって作っている?あそこで朗々と歌われたら恥ずかしい?

 

●私の感性が鈍いのかもしれないし、さらに最近のCMはあまり見ていないのだが、映像的にあまりにCMのようなものに接するとそれだけで引いてしまう。そんな作品が2つ、「ウィーアーリトルゾンビーズ」と「ザ・ファブル」だ。この描写で感じてくれと強要されるようで。見慣れている人には乗りやすいかも。

 

 

 

 

 



今月のトピックス:超実写版


Ⅰ 超実写版


最近ディズニーは自身のアニメーションの実写化に励んでいるように見える。今やエンターテイメント界の帝王になったディズニーは、その出自からアニメーションの素材が豊富にあり、その実写化は舞台を含め多く行われてきた。何を今更というくらいに。
例えばディズニーが初めて「美女と野獣」を作ったのは1991年のアニメーションだった。原作はフランスの昔話で、ジャン・コクトーが1946年にジャン・マレーを起用して作った実写版があった。そこにアニメーションで鍛えた非人間に話をさせる技を加え、ミュージカルにしたものがこの作品だった。当時、ミュージカル映画があまり作られていず、久しぶりのミュージカル映画に渇きが癒されたのを憶えている。
1994年ディズニー初の劇場ミュージカルとして「美女と野獣」がブロードウェーで上演された。基本的にアニメーション作品を劇場用に持ってきたものだ。そして、この劇場ミュージカルを基に作られた実写版映画ミュージカル「美女と野獣」が2017年に封切られた。
今年の春に封切られた「ダンボ」はディズニーのアニメからの実写映画化だった。この時、アニメが実写でできる時代になったのだと思ったものだ。

 

ここまでくれば、どんなものでも実写版として作ることができる。で、今予告編が上映されている「ライオンキング」の実写版がやってくる。
よくよく考えてみると「ライオンキング」は人間が出てこない。動物のみで作られる。昔のディズニーにも実写の動物ものがあった。有名な「砂漠は生きている」は、しかし、ドキュメンタリーである。その表情等がいかに人間に似ていようと、動物にやらせている訳ではない、できないのだから。今やそれができるようになった。やってくる「ライオンキング」はCGを駆使、CG映画とも言えるだろう。
これを実写版と言っていいか迷ったのだろう。ディズニーは、<実写もアニメーションも超えた驚異の“超実写版”映像>とサイトで案内している。

 

ライオンキングは1994年に作られたアニメーション映画だったものを、1997年にブロードウェーで劇場用ミュージカルにして上演した。ジュリー・テイモアによって発想されたその上演方法(人間が動物を演じる)が評判となり大ヒット、上演回数ではブロードウェー史上5番目ではあるものの、興行収入では史上1位となっている。
今回の超実写版「ライオンキング」はもちろん人間ではなく動物のCGが動物を演じる(?)。そこに違和感があるかもしれない。歌ったりするのだろうから。まあ、ディズニーのことだから、その対処には抜かりはないだろうと想像するのだが。

 

 

 

 

Ⅱ 攻める映画館


5月31日(金)の朝日新聞の夕刊は、1面に「攻める映画館 値上げの波 あす26年ぶり一般料金改定」の見出しの元、翌日6月1日から値上げされる映画館の入場料金について大きな記事を掲載している。
26年の間には、消費税の2度の値上げ(3%→5%→8%)があったにもかかわらず一般料金は1800円で据え置きされていた。(シニア料金は→8%の時に値上げされた。)一時よりは騒がれなくなったとはいえ、今も1800円は高すぎると言われるが、ついに値上げされる。しかし、今回は必ずしも横並びとはいかなかった。記事によると、各シネコンチェーンの一般料金は次のようになる。


TOHOシネマズ:1900円
東急レクリエーション(109シネマズ):1900円
松竹マルチプレックスシアター:丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーのみ 1900円
ティ・ジョイ:新宿バルト9のみ 1900円
シネマサンシャイン:1800円(据え置き)
ユナイテッドシネマ:1800円(据え置き)
イオンエンターテインメント:1800円(据え置き)

 

シネコンでもチェーンによって、または場所によって料金が違うことになる。記事にはないが、都内のシネコン以外の独立封切館は調べた限りでは料金値上げはしていない。
シニア料金は上記の7つのシネコンチェーンの中では、一番下のイオンのみが据え置きの1100円、他はすべて1200円に値上げしている。
同じ作品でも見る映画館によって料金が違うことになる。東京など大都市で、シネコンチェーンが複数あるところでは安いシネコンを選ぶことが可能になった。

TOHOシネマズが6月1日からの値上げを発表した時、防衛策を考えた。TOHOシネマイレージカードの2つの特典(6回で1回無料と、上映時間を1分1マイルとして、6000マイルで1ヶ月無料パス)を最大限利用するため、5月末までTOHOシネマズをせっせと利用した。6/03からの1ヶ月無料パスをゲット、今年中にもう1回パスを取得しようと考えている(パス特典は2019年12月末で廃止)。まあ、大した抵抗にはならないけど。

きたかったなあ。

 

 

 

 

Ⅲ 恐怖の長さ

 

ハンガリーの映画監督タル・ベーラは2011年の作品「ニーチェの馬」で映画監督を引退すると表明した。56歳という若さだった。彼の1994年の作品「サタンタンゴ」が今年9月13日に封切りされることになった。
この作品は438分、つまり7時間18分という恐ろしい長さの作品だ。
普通の映画3~4本分のボリュームになる。当日料金は3900円均一、前売りは劇場窓口のみにて3600円で、シニア料金などはありません。トライしますか?

 

 

 

 

 

Ⅳ おじさんシンクロ競作


4月末頃に見たのはフランス映画のチラシだった。水着姿のおじさんが8人写っている。
最近見たのはイギリス映画のチラシで、8人のおじさんが輪になっている水着姿の絵と写真。
チラシを読むと、どちらもスウェーデンに実在する中年男性シンクロチームをモデルにしているらしい。どちらも2018年製作、どちらもキノフィルム/木下グループの配給となっている。何とも珍しい競作となったものだ。
それぞれの作品は次の通り。

 

フランス映画「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」 封切り日:7月12日
原題:Le Grand Bain(フランス語)/ Sink or Swim(英語)
(つぶやき“フランス映画なのに英語優先は工夫が足りない?)
監督:ジル・ルルーシュ  出演:マチュー・アマルリック、ギョーム・カネ
惹句:人生を舞え。ぶざまにかっこよく。
宣伝文句:フランスで動員400万人突破の大ヒット作!実話をもとにした、おじさんシクロチームが巻き起こす、七転八起の生きざま改革!

 

イギリス映画「シンクロ・ダンディーズ!」  封切り日:9月20日
原題:Swimming with Men
監督:オリヴァー・パーカー  出演:ロブ・ブライドン、ルパート・グレイヴス
惹句:はだか一貫、花咲かす!
宣伝文句:2019年版「フル・モンティ」が誕生!実在の中年男性シンクロチームの映画化!さえない日々に二度目の青春を輝かす、抱腹絶倒のスポ根ブリティッシュ・コメディ!

 

日本には「ウォーター・ボーイズ」(2001年)があったが、彼等がおじさんになった続編を作ってもいいかも!チーム再結成とかでね。
それにしても、興行勝負、どちらが勝つんでしょうかね?

 

 

 

 

 

Ⅴ 「主戦場」出演者が提訴


先月号で紹介した韓国慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー「主戦場」が、登場した5人から訴えられている。
訴えた5人:ケント・ギルバート、トニー・マラーノ、藤岡信勝、藤木俊一、山本優美子
内容:修士論文に使うためと言われ取材を受けた内容が、商業映画に使われたのは不当として、映画の上映差し止めと計1300万円の損害賠償を求める。
上の5人はいずれも右寄りの発言をした人々。他に同様発言の櫻井よしこ、杉田水脈、加瀬英明は加わっていない。これに対し監督のミキ・デザキは承諾書と合意書を示して反論している。どうなっていくんでしょう。興味津々!

 

 

 

 

今月はここまで。
次号は梅雨は明けているだろうと思いたい7月25日にお送りします。

 

 


                         - 神谷二三夫 -


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