2023年 1月号 決算報告back

 

寒波襲来で急に寒くなってきました。
新年に向けて冬本番です。
本番といえば緊張するもの。
緊張をほぐすには、
そう、映画館!?

 

 

 

今月の映画

 

11/26~12/25の岸田政権の防衛費増、原発へ転換の30日間に出会った作品は45本、邦/洋画は19/26,新/旧は31/14となりました。
日本映画の旧作をかなり楽しみました。



<日本映画>

   19本(新9本+旧10本)

【新作】
やまぶき 
母性 
人生クライマー 山野井泰史の垂直の世界 完全版 
月の満ち欠け 
The First Slam Dunk 
ラーゲリより愛を込めて 
戦場記者、 ケイコ 目を澄ませて 
Dr.コトー診療所
 
【旧作】
<日本のマストロヤンニ 船越英二>
心の日月 
女賭博師 花の切り札 
ある関係 


<没後10年 女優・山田五十鈴>
樋口一葉 
歌行燈 
夜の流れ 
昨日消えた男 
猫と庄造と二人のをんな 
流れる

 

<午前十時の映画祭12>
蜘蛛巣城

 

<外国映画>

   26本(新22本+旧4本)

【新作】
ビージーズ 栄光の軌跡
  (The Bee Gees: How Can You Mend A Broken Heart) 
バルド 偽りの記録と一握りの真実
  (Bardo, falsa cronica de unas cuantas verdades /   Bardo: False Chronicle of A Handful of Truths) 
ストレンジ・ワールド/もう一つの世界
  (Strange World) 
シスター 夏のわかれ道
  (我的姐姐 / Sister) 
マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説
  (Quant) 
グリーン・ナイト
  (The Green Knight) 
ブラック・アダム
  (Black Adam) 
泣いたり笑ったり
  (Croce e Delizia / An Almost Ordinary Summer) 
あのこと
  (L'Evenement / Happening) 
セールスマン
  (Salesman) 
マッドゴッド
  (Mad God) 
ファイブ・デビルス
  (Les Cinq Diables / The Five Devils) 
夜明けの歌
  (Shades of The Heart) 
MEN同じ顔の男たち
  (Men) 
ホワイトノイズ
  (White Noise) 
1950 水門橋決戦
  (長津湖之水門橋 / The Batt;le at Lake Changin ll) 
Never Goin’Backネバー・ゴーイン・バック
  (Never Goin’ Back)  
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
  (Avatar: The Way of Water) 
ジェラール・フィリップ 最後の冬
  (Gerard Philipe, Le Dernier Hiver du Cid

   / Gerard Philipe, The Last Winter) 
フラッグ・デイ 父を想う日

  (Flag Day)

 

【試写】
ドリーム・ホース
  (Dream Horse)
  (1月6日公開) UK Walkerには

   すでに掲載済みです
エンパイア・オブ・ライト
  (Empire of Light)
  (2月23日公開)1月下旬に掲載予定。 

 

【旧作】
ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭>
愛人ジュリエット
  (Juliette ou La Clef des Songes

   / Juliette or The Key of Dreams ) 
花咲ける騎士道
  (Fanfan La Tulipe)  
赤と黒
  (Le Rouge et Le Noir) 
夜の騎士道
  (Les Grandes Manoeuvres / The Grand Maneuver)

 

 

Ⅰ 今月のベストスリー

  (新作だけを対象にしています)

 

 ケイコ 目を澄ませて
実在の聴覚障害のある女性プロボクサーの生き方から着想を得て、三宅唱が新たな物語を脚本(酒井雅秋と共同)にし、監督した作品。音が聞こえない世界故か、彼女の生き方には嘘がない。自分で確かめながら、飾ることなく進む。それでも必ずしも希望通りに事が運ぶわけではない。主演の岸ゆきのはボクシング場面も含めて主人公を生きている。

 

② アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
13年前の「アバター」は内容も革新的、更に3Dの映像としての新しさも見せてくれた。その続編の登場。その間3Dは多くの作品でも使われ一面普通のことに。ジェームズ・キャメロンは13年という長い空白を意識してか、映画の前半は前からのつなぎを意識して丁寧な話を積み重ね、後半は一気にスピードを上げる。これだけうまく作られれば、青い人に違和感を持つ人も引き入れられるのでは?

 

 ラーゲリより愛を込めて
シベリア抑留の話は小学生のころ戦争に関連して耳にしていた。しかも戦後10年くらいたって帰ってきたということも。今年ウクライナ侵攻が始まり、ロシアの残虐行為を知るに及んで、この抑留の事を思い出す。辺見じゅんのノンフィクション作品「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を原作として映画化。シベリア抑留の事を正面から描いている。ソ連という国がひどいことをしていたことを思い知らされる。

 

 

 

 

他にも沢山あります、映画館で楽しめる映画!(上映が終了しているものもあります。)


バルド 偽りの記録と一握りの真実:メキシコのアレハンドロ・イニャリトウ監督は米アカデミー監督賞を2度受賞しているが、その新作はNetflix作品となった。厚みのある描写は流石だが、2時間40分ほどの長さはいくらなんでも長すぎる。後半1時間はいつ終わってもいいという時が何度もあった。Netflix作品のため映画館ではもう見られないかも。

 

シスター 夏のわかれ道:交通事故で突然両親が亡くなってしまった主人公のもとに16~7歳も年の離れた弟がやってくる。看護師をしながら大学院進学を目指す彼女は早く自立し、弟がいることさえ知らなかったのだ。これもかなり驚く話だが、結末にもちょっと驚く。

 

母性:イヤミスの女王と呼ばれる湊かなえの同名小説の映画化。監督は廣木隆一。自分の子供に無償の愛を注ぐ母性に疑問を投げかけるイヤミスの本領発揮。3代に渡って母娘の関係が絡み合う。

 

人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版:日本にも素晴らしいクライマーがいたんですね。登山界のアカデミー賞、「ピオレドール生涯功労賞」を2021年にアジア人として初受賞。クライマーとしては先輩の奥さんと二人で登った際の遭難で手足の指を自身は10本、奥さんは18本失ったのにもめげず上り続ける57歳。奥さんの明るさも凄い。

 

グリーン・ナイト:アーサー王の物語に関係ありそうだが…。予備知識なしに見る(私です)と結構分かりづらいこの映画、調べると主人公サー・ガウェインはアーサー王の甥だという。14世紀の作者不明の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」からの映画化。知って見れば結構深い。叙事詩を現代英語に翻訳したのは「指輪物語」のトールキンだという。

 

泣いたり笑ったり:イタリアからやってきた新作コメディは、2つの家の父親同士が結婚するというお話。方や裕福な家の60歳代の小柄な男、方や貧しい漁師の50歳代の大きな男。この接点のない二人にはそれぞれ妻はいないものの家族があり、さまざまな対立がおこる・・・。LGBTQ関係に対する様々な考え方を取り入れて笑いを誘い、楽しめる。

 

The First Slam Dunk:1990~6年に少年ジャンプに連載されたSlam Dunkの映画化。
漫画を描いた井上雄彦が原作・脚本・監督を行ったオリジナルストーリー。あるバスケットボール試合だけを描くアニメ。そのリアルな描写はバスケファンにはたまらないだろう。

 

あのこと:今年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー原作の映画化。42歳のフランスの女性監督オードレイ・ディヴァンが長編2作目として脚本・監督を担当した映画も今年のヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞している。エルノー自身の経験を書いた物語は1960年代フランスで違法だった中絶をリアルに描いている。

 

マッドゴッド:フィル・ティペットをご存知だろうか?ストップモーションアニメ、あるいはコマ撮り(動かないものを一コマずつ動かして撮影する方法)で「スターウォーズ」「ロボコップ」シリーズなどで特殊効果を担当してきた名手。その彼が監督として、CG映像ではないストップモーションアニメで作り上げた新作。

 

MEN 同じ顔の男たち:「ビーチ」では原作者、「わたしを離さないで」では脚本家の俊英アレックス・ガーランドが脚本・監督をしたこの映画は、不気味な美しさを秘めた恐怖映画。主演はジェシー・バックリーで、2018年の「ワイルド・ローズ」で素晴らしい歌唱力で魅了したイギリス女優だ。しかし、その後、歌う役はなくこの映画でも悲鳴さえあげない。しかし映画の公式サイトを見ると、2021年に舞台の「キャバレー」でオリヴィエ賞のミュージカル主演女優賞受賞とあり、やっと安心。舞台観たかった。

 

ドリーム・ホース:イギリスのウェールズを舞台に、何とも心躍る、勇気をくれる映画が新年1月6日に公開される。今は寂れた元炭鉱村の主婦が、競馬馬の組合馬主という方法で村の人たちをまとめ盛り上げる。しかもこれは実話だという。この映画の前にまずドキュメンタリーが作られ、話の素晴らしさから改めてこの映画が作られたという。面白く、楽しめる作品です。

 

戦場記者:「人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界」に続くTBSドキュメンタリー(TBS DOCS)の第2弾として公開。TBSロンドンに所属し中近東を一人で担当している須賀川監督のドキュメンタリー。今月のトークショー参照。

 

Dr.コトー診療所:原作漫画を読んでいず、テレビドラマ化されたのも見ていないので16年ぶりのDr.コトーといわれても感慨はない。予告編の時から中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」が使われていて、やっぱり名曲かもと思っていたのだが、調べたらこの曲はドラマ用に作られたようで映画に使われるのも当然とあった。16年前と同じキャスト、スタッフでの映画化、そこに意味があったんでしょう。映画の公式サイトを読んで色々なことが分かりました。出演者の感想も出ていて、これも読みであり。

 

 

 


Ⅱ 今月の旧作

 

<日本映画>

3つの特集上映を楽しんだ。


<日本のマストロヤンニ 船越英二>

船越英二がマストロヤンニだったのか。言われてみればうなずける。コメディから悲劇、人生劇・・・良い人から悪い人まで・・・の幅広さ。
今回見た3本(心の日月、女賭博師 花の切り札、ある関係)の中では、「ある関係」がおススメ。妻・淡島千景の従妹を無理やりモノにして関係を続ける船越・・・笑ってしまう不倫サスペンス、脚本・監督をした木村恵吾の腕が冴える。

 

<没後10年 女優・山田五十鈴>

6才の時から常磐津、長唄、清元、日本舞踊の稽古を始めたとWikipediaにある山田五十鈴。その芸の確かさにうならされた、その芸に裏打ちされた彼女の自信に感心させられた作品を6本(樋口一葉、歌行燈、夜の流れ、昨日消えた男、猫と庄造と二人のをんな、流れる)見た。
彼女の芸がなければ作品が存在しなかったであろう「歌行燈」、花柳界の移り変わる時代の中で自分の生き方を守ろうとする「流れる」等、すべての作品が輝いていた。

 

<午前十時の映画祭12>

もう12回目になるのかと感慨深い午前10時の映画祭。
今さらながら、初めて見る「蜘蛛巣城」、日本の戦国時代に展開する黒澤明のマクベスは、三船敏郎と山田五十鈴の共演。それにしても凄い弓矢が降ってくる。

 

 

 

<外国映画>

先月号で紹介した<ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭>で4本の旧作(愛人ジュリエット、花咲ける騎士道、赤と黒、夜の騎士道)と1本の新作ドキュメンタリー(ジェラール・フィリップ 最後の冬)を見た。
36歳で逝ってしまったジェラール・フィリップ、新作ドキュメンタリーを見ると過労による死と分かる。早死にした俳優と言う共通点から、37歳で亡くなった市川雷蔵を思い出す。善人から悪人、明るい役から暗い役まであらゆる役を演じながらも、ある種の品位を崩さなかった点も似ている。
東京では3つの映画館(シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷)で最長2月16まで上映されている。できれば来月も引き続き見たいと思っている。

 

 

 

 

 

Ⅲ 今月のトークショー 

 

12月17日 角川シネマ有楽町「戦場記者」上映後対談 アンドリー・ナザレンコ(ウクライナ・ハルキウ出身の政治評論家)、須賀川拓監督、アキバさん(監督と同じTBS社員)
パレスチナ、アフガニスタン、ウクライナを取り上げている「戦場記者」の上映後、ウクライナ出身のナザレンコさんを挟んで、左手に須賀川監督、右手に同じTBS社員で同じ部署のアキバさん(男性、須賀川さんの上司らしい)が立っての対談。
ナザレンコさんが自分が学んだハルキウの第17学校が今はなく、無力感があると述べられ、アキバさんが確かにハルキウを訪ねると、まるでゴーストタウンのようだったと加えられた。電気が来ないためエレベータも動かず、84歳のおばあちゃんが階段を上っていたという。戦争になると人間がいつの間にか数字になる、死傷者何名のようにとナザレンコさん。戦争状態になれてしまうと、空爆の警報下でも青空チェスなどをしていて戦争と日常の混じり合いが見られるとも。
ロシアの戦争は順に拡がっている。戦争は割に合わないと知らせるべきでは?東欧のことわざに”無関心はダラダラと人を殺している”というのがあります。
監督は戦場記者というタイトルには抵抗があったというが、押し切られたようだ。

 

 

 

 

 今月のつぶやき

 

●今ロードショー中の「ホイットニー・ヒューストン」は彼女を描くドラマだが、最近やたらに多い60年代以降のミュージシャンのドキュメンタリーの1本「ビージーズ 栄光の軌跡」を楽しんだ。彼らのピークは二つあって、60年代のデビューから70年代前半までの≪マサチューセッツ≫≪メロディ・フェア≫などのソフト・ロック期と、70年代後半の≪ステイン・アライヴ≫などのディスコ期に分かれることに気づかされた。いずれにしても映像に会うメロディーが多く、「小さな恋のメロディー」や「サタデー・ナイト・フィーバー」が思い出される。

 

●ディズニーは今岐路に立っているのでは?と感じさせる「ストレンジ・ワールド/もう一つの世界」だった。なんだか昔の雰囲気が濃い中で語られる冒険物語、しかしそこに同性愛描写があり、そのために中国では上映されなかったなど、ちぐはぐ感が残る。

 

●そのお店が日本にしか残っていないことを知って驚いた「マリー・クワントスウィンギング・ロンドンの伝説」。しかもブランドが日本の会社に移った後は、クワント自身は一切かかわっていないというのにも驚いた。ドキュメンタリーとしてはちょっと物足りない。

 

●アメコミ映画にはヒーローと悪役がいて戦いを繰り広げるが、最近は悪役が主役になることもあるという1本が「ブラック・アダム」。今まで力に任せて正義の味方を演じてきたドウェイン・ジョンソンが悪役アダムを演じている。こうした作品が作られるのは「ジョーカー」の影響も大きいと思われる。が、しかし、中途半端に正義側に立つと面白くもない。

 

●10月号の今月のつぶやきで取り上げた「1950 鋼の第7中隊」の続編が「1950 水門橋決戦」。これまた戦争場面ばかりで、しかも米中の戦いは、今、余りに現実的過ぎる。

 

●彼の活躍や家庭での姿から最後までを追ったドキュメンタリー「ジェラール・フィリップ 最後の冬」。多くの事を知ることができたが、一つ違和感があった。日本語のナレーションだ。彼の声と違う声調は仕方がないとしても、言葉の使い方などが妙に硬く、気になるときつい声も向いていないと感じた。上映中誰の声だろう?とずっと思っていたが、終了後確認すると本木雅弘だった。こんなにひどい声だったっけ?いずれにしてもミスキャストでは?

 

●かつてマドンナの旦那だったショーン・ペン、4年経って1989年に別れた。1991年にはロビン・ライトと同棲し長女ディランを設け、1996年に結婚、2010年に離婚となった。1991年には監督作品「インディアン・ランナー」を発表、監督7作目の最新作が「フラッグ・デイ 父を想う日」だ。自身が父を演じ、ディランが娘を演じている。それだからか、余りに感情的で面白くなかった。

 

 

 



今月のトピックス:決算報告  

 

Ⅰ 決算報告(正確には支出報告です)

 

今年も年末がやってきた。見せよう会通信の会計年度は12月26日~12月25日となっている。この通信の発行月日に合わせている。決算報告は毎年1月号に掲載している。元旦にお送りする新年特別号に載せれば、年度が一つになり良いではないかと時に思うのだが、年末は忙しく、更に元旦に計算するのは面倒なので、1週間ずれた会計年度で続けてきた。


ということで、今年もこの1月号で決算報告をすることに。
今年は次のようになった。後ろの( )内は昨年の数字。

 

期間: 2021/12/26 ~ 2022/12/25
支出額: 481630円 (471820円)
映画本数: 496本 (491本)
1本当たり金額: 971円 (961円)

 

昨年とほぼ同じ数字という結果。この2年は同じペースで映画館に通ったことになる。細かく言えば、1本当たりの金額が10円アップした。上の数字には含めていないが、496本見た内、旧作が86本だった。昨年の491本のうち旧作は104本だった。旧作の料金は基本的に新作よりは安い。新作だけで比べると、今年410本、昨年387本で、多分この差が金額アップに出たのだと思われる。
コロナの3年目が過ぎようとしている。この間我々の行動もコロナと共に動くことに慣れてきた。今年の後半、第7波の終焉がはっきりしたあたりから、多くの人が集まることも気をつけてではあるが行われるようになってきた。
こうした状況下、映画館もコロナ前の状況に近づきつつある。

 

 

 

 

Ⅱ 東映


今年後半の興行収入では東映が躍進している。毎週発表される国内興行収入のランキングでは、長らく東宝の強さが目立ってきた。今の日本の大手映画会社3社の中では、東宝が松竹、東映を大きくリードしてきたのである。その差は圧倒的だった。


それが今年の後半少し変わってきた。東映の大躍進である。その要因はアニメである。元々東映には漫画祭りの伝統があったのだが、最近は東宝の分厚いアニメ路線にやられていた。もちろん今も東宝の「ドラえもん」や「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」シリーズは健在である。さらに今年前半には「呪術廻戦」が、後半には「すずめの戸締り」もあったので、手堅いのだった。
しかし、今年後半の東映には「One Piece Red」があった。今までも「One Piece」シリーズはヒットしていたが、今回は異常なヒットだったのだ。週の興収ベスト1を13回獲得している。公開後20週が経過した先週のベストテンでもまだ9位とがんばっている。詳しい興収は分からないが185億を超えていると思われる。


更に現在大ヒットしているのが「The First Slam Dunk」、3週連続で1位をキープしている。2作品に共通しているのは、題名が英語というか、ローマ字であることと、少年ジャンプ連載のマンガということだ。


9月末の時点で東映の1月からの興行収入が220億円を突破したと発表された。今までの年間興行収入の最高が2009年の180億弱ということで、まだ3カ月を残して東映の年間興行収入の歴代1位の成績を収めることとなった。この時点での「One Piece Red」の興収は165億とされていて、それ以降20億が増えている。更に「The First Slam Dunk」のヒットがあり41億を超えているので、今年の東映の年間興収は300億に近づくだろう。

 

 

 

 

今月はここまで。


次号は、新しい年が始まる2023年1月1日、元旦に新年特別号をお送りします。

 


                         - 神谷二三夫 -


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