只今十年に一度の寒波が襲来。
十年前の寒さは流石に覚えていないけれど、
今日の寒さは十年後も覚えていられるだろうか?
ま、そんな心配はせずに、
そう、今日はゆっくり映画館!
12/26~1/25の新しい年の始まりを含む31日間に出会った作品は48本、
邦/洋画は13/35、新/旧は26/22となりました。
フランス映画の2つの特集を中心に旧作の本数が大きく増えました。
13本(新9本+旧4本)
【新作】
ブラックナイトパレード
かがみの孤城
嘘八百なにわ夢の陣
ファミリア
ぼくたちのホームパーティ
そして僕は途方に暮れる
映画 イチケイのカラス
そばかす
世界は僕らに気づかないAngry son
【旧作】
MOON CHILD
<俳優 渥美清 「とらさん」だけじゃない映画人生>
続拝啓天皇陛下様
拝啓総理大臣様
喜劇 急行列車
35本(新17本+旧18本)
【新作】
ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY
(I Wanna Dance with Somebody)
死を告げる女
(Anchor)
ほの蒼き瞳
(The Pale Blue Eye)
離ればなれになっても
(Gli Anni Piu Belli / The Best Years)
猫たちのアパートメント
( Cats’ Apartment)
ペルシャン・レッスン 戦場の教室
(Persian Lessons)
非常宣言
( Emergency Declaration)
モリコーネ 映画が恋した音楽家Ennio
(Ennio)
SHE SAIDシー・セッドその名を暴け
(She Said)
コペンハーゲンに山をつくる
(Making A Mountain)(51分)
カンフー・スタントマン 龍虎武師
(龍虎武師/ Kung Fu Stuntmen)
パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女
( Special Delivery)
エンドロールのつづき
(Last Film Show)
ヒトラーのための虐殺会議
(Die Wannseekonferenz / The Conference)
ノースマン 導かれし復讐者
(The Northman)
母の聖戦
(La Civil)
【試写】
いつかの君にもわかること
(Nowhere Special)(2月17日公開)
UK Walker には既に掲載済み
【旧作】
<ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭>
モンパルナスの灯
(Les Amants de Montparnass)
パルムの僧院
(La Chartreuse de Parme)
しのび逢い
(Monsieur Ripois)
狂熱の孤独
(Les Orgueilleux)
肉体の悪魔
(Le Diable au Corps)
<ヌーヴェル・ヴァーグ前夜>
毒薬
(La Poson)
肉体の冠
(Casque d’Or)
ランジュ氏の犯罪
(Le Crime de Monsieur Lange)
曳き船
(Remorques)
フレンチ・カンカン
(Franch Cancan)
偽れる装い
(Falbalas)
情婦マノン
(Manon)
<アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション>
恋の手ほどき
(Gigi)
ジェイソンの肖像
(Portrait of Jason)
荒馬と女
(The Misfits)
孔雀夫人
(Dodsworth)
<その他>
暴力脱獄
(Cool Hand Luke)
おばあちゃんの家
( The Way Home)
(新作だけを対象にしています)
①-1 ペルシャン・レッスン 戦場の教室
毎年2~3本の映画が公開されるかと思われるナチス映画の中でも、かなり質の高い作品だ。フランスでユダヤ人として捕まった主人公は、自分がペルシャ人だと言うことによって生き延びる。強制収容所にペルシャ語を習いたい将校がいて、その
先生となることによって、ポーランド等の強制収容所に送られるのから逃れたのだ。架空のペルシャ語を作り出し教える日々のスリル。驚く。
①-2 モリコーネ映画が恋した音楽家 Ennio
1960年代の半ばに世界的に話題を呼んだマカロニウエスタンは、その激しい描写で人の眼を集めたが、そこに付けられた音楽は人の耳に強い印象を残した。1964年の「荒野の用心棒」はそのトップバッターとして、テーマ曲の衝撃度も大きかった。その後多くのマカロニウエスタンの音楽を手掛け一躍有名になったのがエンニオ・モリコーネだった。あれから半世紀以上経って、モリコーネの偉大さは、その作品の多さ、更に音楽を付けた作品種類の幅の広さ、音楽の多彩さなどで多くの人に認識されている。「荒野の用心棒」のセルジオ・レオーネ監督とは小学校の同級生だったというのも驚きだが、レオーネの全作品を担当したように、特定監督との結びつきは強い。このドキュメンタリーを監督したジョゼッペ・トルナトーレ監督もその一人。監督2作目の「ニュー・シネマ・パラダイス」以降の全作品を手掛けている。このドキュメンタリーは5年の歳月をかけて作ったという。
② ノースマン 導かれし復讐者
北欧の神話・伝説を脚本家ショーンと監督のロバート・エガースが翻案、父を殺された王子の復讐劇を描く。鋭利でなおかつ深い画面が見る者を魅了する。スウェーデン出身のアレクサンダー・スカルスガルドが王子アムレートを演じ、ニコール・キッドマン、イーサン・ホーック、アニャ・テイラー=ジョイなどが出演するハムレットの原典。
③ ほの蒼き瞳
原作「陸軍士官学校の死」(ルイス・ベイヤード作)に登場するのか否かは原作を読んでいないので知らないが、スコット・クーパーの脚本・監督になる映画には士官候補生の一人としてエドガー・アラン・ポーが登場する。原作にも登場するんでしょうね、この存在がキーになるから。楽しめるミステリーです。撮影監督はアメリカで活躍する高柳雅暢(マサノブ・タカヤナギ)。
他にも沢山あります、映画館で楽しめる映画!(上映が終了しているものもあります。)
◎かがみの孤城:辻村深月の同名小説からのアニメ映画化作品。監督は幅広いテーマのアニメ(クレヨンしんちゃん、カラフル、百日紅~Miss Hokusai~など)を作ってきた原恵一。学校に行けないというテーマからか、児童、学生が多く見に来ていた。
◎ファミリア:主人公は陶器職人の神谷誠治、私と同じ神谷姓だ。映画の中ではっきり愛知県とは特定されていなかったかと思うが、脚本のいながききよたか氏は愛知県出身であり、在日ブラジル人が多いのも愛知県でもあり、愛知県と考えても良いのだろう。外国人労働者がいなければ日本の社会が回らないほどの人数がいるのに、不安定な待遇しか与えられていない現状を糾弾する映画。
◎僕たちのホームパーティ:ゲイの男性が集まるホームパーティと言えば、1970年に作られたアメリカ映画「真夜中のパーティ」を思い出す。基本構造はこの映画もよく似ている。ただし、「真夜中~」は元々が舞台劇で、登場人物たちがそれぞれ結構舞台映えしそうな点を持っていたのと違い、今回の人物はぐっと地味になっている。今月のトークショー参照。
◎SHE SAIDシー・セッド その名を暴け:ニューヨークタイムズの女性記者二人が、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑を取材し、記事として発表するまでを描く実話ドラマ。映画のプロデューサーという立場を利用してのセクハラが明らかにされる。記者の一人ジョディ・カンターを演じたゾーイ・カザンはエリア・カザン(「エデンの東」監督)の孫。
◎コペンハーゲンに山をつくる:51分の中編で描かれるコペンハーゲンに山が作られるまでを追ったドキュメンタリー。短い時間にテキパキと、奇抜なアイディアを実現させていくまでが映像化されている。今月のトークショー参照。
◎そして僕は途方に暮れる:2018年に上演された同名の舞台劇からの映画化。原作・脚本・監督の三浦大輔、主演の藤ヶ谷太輔は舞台と同じだ。前半は主人公のあまりのダメ男ぶりにあきれ、その作り物めいた感じから話に乗れない。豊川悦司演じる父親が出てきて初めて話が面白くなるが、ちょっと遅すぎか。
◎カンフー・スタントマン 龍虎武師:ブルース・リーの「燃えよドラゴン」が1973年に世界的に大ヒット、カンフー映画ブームが始まったように見えるが、実は「ドラゴン危機一発」「ドラゴン怒りの鉄拳」はその前に香港で作られている。日本での公開は2作とも1974年だったが。香港にはカンフー映画を支えるスタントマンたちが大勢いて、信じられない技を見せる土壌ができていた。この映画はそのあたりの状況を詳しく教えてくれるドキュメンタリー。映画評論家でもあるウェイ・ジェンツーが3年の撮影期間をかけ、100人近くの香港アクション関係者に取材して作り上げた労作。カンフーファン必見作。
◎イチケイのカラス:浅見里都のマンガからテレビドラマが作られ、更に映画化された作品。 裁判官と弁護士ということで、うまくいけば社会派の作品になりえるが・・・、ちょっと甘い。テレビ好きには口当たりはいいだろうが。
◎いつかの君にもわかること:33歳の父と4歳の息子の物語。母は去って帰らず、職業としての窓拭きをしながら、男手一つで子育てをする父親。しかし病により余命が…。生きること、死ぬことをテーマに生を繋ぐ物語を作ったのは、ウベルト・パゾリーニ監督。前作は「おみおくりの作法」で、その日本でのリメイク「アイ・アムまきもと」にも関わっている。
◎世界は僕らに気付かないAngry son:群馬県太田市の高校生純悟は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親レイナと二人暮らし。この二人の生活は、感情をぶつけ合う戦場のようだが、その裏には社会に身の置き場がない、所謂マイノリティの状況がある。はっきりモノ言う映画を作った(監督・脚本)のは、自身トランスジェンダーである飯塚花笑。
◎パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女:韓国映画のパワーは今もって落ちないが、作品数増加に伴い時に迷走気味なものもある中、この作品はフルスロットル。痛快なアクション作品になっている。パク・デミン監督(脚本も)の3作目は面白さ満載。
◎ヒトラーのための虐殺会議:ベルリンの中心から車で30分ほどのところにあるヴァン湖畔にある邸宅で、1942年1月20日に開かれた会議はヴァンゼー会議と呼ばれる。15人が集まって検討されたのは「ユダヤ人問題の最終的解決」。90分ほどで終わった会議は、会議録が完全に残っており、それに沿って映画が作られた。
◎母の聖戦:メキシコでは誘拐ビジネスがあるとはどこかで読んでいた。その実体を描くこの作品は、チャウシェスク政権下のブカレストに生まれたテオドラ・アナ・ミハイによって作られた。その後ベルギーに逃れ、映画業界で働いてきた彼女の劇映画デビュー作。彼女があるメキシコ人女性から聞いた話が基になっている。ドキュメンタリー的に映画を作るのが難しいと感じたため、メキシコ人作家と共同で脚本を書き上げ映画を完成させた。話をしてくれた女性は、その後自宅の前で残酷に殺されたという。
<日本映画>神保町シアターの<俳優 渥美清 「とらさん」だけじゃない映画人生>で見た3本の中では、「続拝啓天皇陛下様」が印象深い。前年の「拝啓天皇陛下様」の続編として1964年に作られているが、監督・主演者は同じながら、物語的なつながりはない。兵隊の話ではあるが、戦後の日本社会をコミカルに、そして皮肉に描いていて感心する。前作は監督の野村芳太郎+多賀祥介の二人で脚本を書いていたが、続は更に山田洋次が加わり三人で書いている。多くの眼があったが故の視点の広さが良い方向に働いている。戦後1950年代末までの日本を知るには必見の映画。
<外国映画>先月号で紹介した<ジェラール・フィリップ 生誕100年映画祭>で5本の映画を見た。ジェラール・フィリップの役柄の広さには驚くばかり。一番驚いたのは「しのび逢い」である。1954年に日本公開された時は、今回公開時に付いている「ムッシュ・リポアの恋愛修行」という副題は付いていたのだろうか?名匠ルネ・クレマン(太陽がいっぱい)が何故かロンドンを舞台にして作ったコメディである。勿論基本は英語であるが、フランス人サークルの中でフランス語という状況だ。ルネ・クレマンというのも超レア。さらに1953年の「狂熱の孤独」は、サルトル原作「チフス」のインドシナからメキシコへ舞台を移し、酒浸りの元医者という役。この特集上映は2月16日まで続く。
<ヌーヴェル・ヴァーグ前夜>はフランスのヌーヴェル・ヴァーグが始まる前に活躍していた監督の中から、ヌーヴェル・ヴァーグに何かしら関係する9名を選んで上映している。今回見た7本の中では、「肉体の冠」「偽れる装い」「フレンチ・カンカン」が面白かった。
中でも、「穴」の監督ジャック・ベッケルの「偽れる装い」には驚いた。1945年に作られている。ファッション業界の話で、これ自体がベッケル的ではないが、凄くスマートにできていて、最近のファッション業界を描いた映画に引けを取らない。
<アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション>アカデミー賞で知られる米国映画芸術科学アカデミーと日本の国立映画アーカイブが共同開催で、米国が持つ映画コレクションから選ばれた作品の上映特集。4作品を見たが、「孔雀夫人」が面白かった。ウィリアム・ワイラー監督の1936年作品。夫婦で出かけたヨーロッパ旅行で、ヨーロッパとヨーロッパの男性に魅了された妻が・・・というお話。
1月11日 K’sシネマ「ぼくたちのホームパーティ」上映後対談 北丸雄二(ジャーナリスト、翻訳家、作家)、川野邉修一(監督)
7人のゲイが集まったホームパーティを描いた映画上映後の対談。東京新聞ニューヨーク支局長を3年勤めた後退社してフリーランスの書き手となり、計25年間ニューヨークから情報を発信してきた北丸氏が90%くらい話をされた。
同性愛を描く映画は昔からあったが、普通の作品というのはなかった。変な人として描いたり、コメディであったり、妙に肩ひじ張ったような作品が作られてきた。この作品は初めて普通の映画という感じがする。LGBTQ運動の高まりとともに当事者たちが語り直しているようだ。
監督はゲイが描かれた映画を見ても、自分の人生とは違うという違和感があったという。
新宿2丁目のゲイバーなどでも最近は下の名前だけは本名というふうになってきたが、ずっと全部匿名というのが普通だった。時代は少しづつ変わっている。普通の感覚で描かれた映画が出てきてよかったと北丸氏。
1月14日 イメージフォーラム「コペンハーゲンに山を」 ゲスト:ニールセン北村朋子 (文化翻訳家/Cultural Translator)、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長) 聞き手:関根健次(本作配給会社 ユナイテッドピープル株式会社 代表)
51分の中編ドキュメンタリーは1人の建築家の奇抜なアイディアの、計画から実現までを追っている。大きなごみ焼却場を作り、その上にスキー場やハイキングコースなどをつくろうとするのである。環境についての映画である。
そうしたテーマに合わせて登壇したお二人に配給会社の人が質問する形で話が進んだ。
建築家のビャルケ・インゲルスはトヨタ自動車が静岡県裾野市に建築中の実験都市の設計も担当しているらしい。
日本とデンマークの違いの一つは、デンマークでは本音で話すことができること。その基には答えは一つではないという考えがあり、何を言っても基本的に否定されることがない。そうした柔軟思考からアイディアが出て来たのではないか?さらに常に基本に戻るということがあり、議論していても、そもそも何のために話しているかというところに戻るというそもそも論議が定着している。
今回は映画自体についての話とはならなかったが、有意義な話を聞くことができた。
●2003年に公開された「MOON CHILD」は今や日本映画のヒットメーカーの一人と言える瀬々敬久監督の作品だ。それまでピンク映画を量産していた監督が、普通映画に転換していく契機となった1本だろう。画面、音楽などいかにも若々しい。
●1990年代、ミラマックスの名前は映画ファンには名作の宝庫、頼りになる製作会社という印象だったのが思い出される「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」。配給や製作された作品には次のようなものがあった。「セックスと嘘とビデオテープ」「パルプ・フィクション」「イングリッシュ・ペイシェント」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「恋におちたシェイクスピア」「シカゴ」「キル・ビル」「アビエイター」
ワインスタインは本当にひどいことをしていたと教えてくれるこの映画には、ミラマックスが如何に名作を送り出していたかも伝えている。
●カンフー映画で見られた多くの技は、そのルーツが京劇にあると教えてくれる「カンフー・スタントマン 龍虎武師」。日本軍が中国に侵略していた1930年代、多くの京劇関係者が難を逃れて香港に移住、1960年代には彼らが京劇を教える学校が4校できたという。こうした学校で鍛えられた若者は、しかし、京劇の人気が下降線となり、その活躍の場を映画のスタントに移したという。ブルース・リーはブームの火付け役ではあったが、ほぼ同時に亡くなってしまい、カンフーブームはしぼんでしまう。それを打破し、本物の武術を取り入れ活気を取り戻したのは、サモ・ハン、ジャッキー・チェンなどであった。そして彼らのアクションを支えたのがこうしたスタントマンたちだったのだ。
●2020年には826件の誘拐事件が報告されていると書かれていた「母の聖戦」の公式サイト。さらに、届け出率は1.4%で実際には年間約6万件の誘拐が頻発していると推定されるとあり、驚いた。
第95回アカデミー賞の授賞式は3月12日にロサンゼルス市ハリウッドにあるドルビーシアターにて行われる。そのノミネート作品が発表されたのは現地時間1月24日で、日本時間で昨夜のこと。その内容は次の通り。
最多のノミネートを獲得したのは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の11個、「イニシェリン島の精霊」と「西部戦線異状なし」がそれぞれ9個で続いている。
主要6部門のノミネート作品と受賞予想(題名の前に◎印)は以下の通り。◎を付けた作品は未見のものが多く、来月号で予想を変更する可能性大。
題名後ろの()内は日本での公開状況。
作品賞:
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(3月3日公開予定)
◎トップガン マーヴェリック(公開済)
イニシェリン島の精霊(1月27日公開予定)
フェイブルマンズ(3月3日公開予定)
TAR(ター)(5月公開予定)
エルヴィス(公開済)
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(公開済)
西部戦線異状なし(配信Netflix)
ウーマン・トーキング 私たちの選択(初夏公開予定)
逆転のトライアングル(2月23日公開予定)
監督賞:
◎スティーブン・スピルバーグ「フェイブルマンズ」(3月3日公開予定)
ダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月3日公開予定)
トッド・フィールド「TAR(ター)」(5月公開予定)
マーティン・マクドナー「イニシェリン島の精霊」(1月27日公開予定)
リューベン・オストルンド「逆転のトライアングル」(2月23日公開予定)
主演男優賞:
◎コリン・ファレル「イニシェリン島の精霊」(1月27日公開予定)
ブレンダン・フレイザー「ザ・ホエール」(4月公開予定)
オースティン・バトラー「エルヴィス」(公開済)
ビル・ナイ「生きる Living」(3月31日公開予定)
ポール・メスカル「アフターサン」(公開未定)
主演女優賞:
ケイト・ブランシェット「TAR(ター)」(5月公開予定)
◎ミッシェル・ヨー「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月3日公開予定)
ミシェル・ウィリアムズ「フェイブルマンズ」(3月3日公開予定)
アナ・デ・アルマス「ブロンド」(配信Netflix)
アンドレア・ライズボロー「To Leslie」(公開未定)
助演男優賞:
◎キー・ホイ・クァン「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月3日公開予定)
ブレンダン・グリーソン「イニシェリン島の精霊」(1月27日公開予定)
バリー・コーガン「イニシェリン島の精霊」(1月27日公開予定)
ジャド・ハーシュ「フェイブルマンズ」(3月3日公開予定)
ブライアン・タイリー・ヘンリー「その道の向こうに」(配信Apple TV)
助演女優賞:
アンジェラ・バセット「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」(公開済)
◎ケリー・コンドン「イニシェリン島の精霊」(1月27日公開予定)
ジェイミー・リー・カーティス「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月3日公開予定)
ステファニー・スー「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月3日公開予定)
ホン・チャウ「ザ・ホエール」(4月公開予定)
1月5日に「かがみの孤城」を見に行った。冬休みということもあって年齢幅が広かった。題材からだろうか、基本的には若い人が多かった。右隣の空席1席の向こうには多分高校生(ひょっとして中学生)の男女が座っていた。はじめは静かに見ていたのだが、いつの間にか結構話し声が聞こえるようになってきた。少し声は落としているが、まるでテレビでも見ながら話しているような感じだ。30分くらいは我慢していたが、我慢しきれず“黙ってください”と声をかけた。それからは静かになってホッとした。
実は左側の通路を挟んでの席に高齢者が一人で座っていた。飲み物と多分ポップコーンを買ってきていて、映画が始まると食べ始めた。それが変に音を立てて食べる人だったのだ。よほど注意しようかと思ったが20分くらい経って静かになった。ホッとしたら、反対の右側の学生たちから話声が聞こえてきたのだ。
話声に対してクレームしたのは随分久しぶりだった。
1月24日、有楽町駅前にある映画館ヒューマントラストシネマ有楽町に「母の聖戦」を見に出かけた。入口にあるチラシを眺めていると、この映画館でこれから上映される映画の色鮮やかなチラシ群が目を引いた。隣にいたおじいさん(80歳くらいか)もそこに興味があるようで、じっと見ていた。しかしよくよく見ると、上部に並んだ6種類のチラシはどれも同じ作品のものだった。
私“上の6つのチラシは同じ映画のものですね。”
おじいさん“えっ、本当ですか?”
私“裏面は皆同じですよ。6種類もチラシを作るのは珍しいですね。”
おじいさん“今まで2種類あるのはよく見ましたけど、6種類とはね!”
私“ちょっとやりすぎですね。経費掛け過ぎではないですかね。”
おじいさん“他の作品のチラシが置けませんね。そういえば、TOHOシネマズ日比谷には一切チラシがありませんね。”
私“確かにね。楽しくないですよね。”
チラシの作品は2月10日公開の「小さき麦の花」。
今月はここまで。
次号は、3月までにはあと4日の2月25日にお送りします。