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■大江健三郎略年譜

    
大人向き
講談社  
解説:尾崎真理子
定価:5000円(税別)
頁数:13頁
ISBN978-4-06-509000-8
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室 初出:1963年 雑誌「群像」5月号掲載
ホモ・セクシュアルを描く

 出世コースのトップにのっているエリート学生。彼の兄は戦時中に予科練を脱走して、女装姿で自殺をしている。兄は同じくホモ・セクシュアルな関係にあった男のあとを追って死んだのだ。そのことで思い悩んだ主人公は大学で同級ではあるが年輩の青髯とよばれる男に相談をする。青髯もホモ・セクシュアルであった。
 青髯の行動がプルーストの作品にでてくるシャルリュス男爵のようであり興味深い。

<冒頭>
 僕が二十歳で本郷の法学部にすすんだとき、田舎の伯父は、当時の政府の大蔵大臣もまた、僕とおなじ年齢でおなじ法学部に入った秀才だと調べてきて、僕を鼓舞激励したものだ。僕は頭の古いタイプの人間ではないが、それはやはり僕の将来の栄光にみちたキャリアのための、ひとつの予兆かもしれないと考えた。
<出版社のコピー>
 
<おすすめ度>
 ☆☆☆ 


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