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父よ、あなたはどこへ行くのか?
新潮社文庫  
解説:渡辺広士
定価:552円(税別)
頁数:52頁(文庫版)
ISBN4-10-112609-7
カバー画:山下菊二 初出:1968年10月号 雑誌『文学界』掲載
父親の復元
 単行本として出版された「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」では第三部「オーデンとブレイクの詩を核とする二つの中篇」の後半作品のうち「a 裏」がこの作品になる。
 作品としても複雑で難解。想像力を鍛え上げてとりくまないと、ちょっと難しいかも。
 大江ファンの中でもプロ向きかもしれない。

<冒頭>
 a 表

 ・・・・・自己幽閉の日々が続くうち父は、>と書いて僕は、あらためてこの草稿を中断せざるをえ
ない行きづまりに逢着したことに気づく。


 どこの国の博物館においてであったか、前世紀の怪物の下顎の一部分の化石をものに、巨大な
骨格の全体を再現した模型をみたことがある。

<出版社のコピー>
外部からおそいかかる時代の狂気、あるいは、自分の内部から暗い過去との血のつながりにおいて、自分ひとりの存在に根ざしてあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感とそこからの解放の道を、豊かな詩的感覚と想像力で構築する。「万延元年のフットボール」から「洪水はわが魂に及び」への橋わたしをする、ひとつながりの充実した作品群である。
<おすすめ度>
☆☆☆    

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