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■大江健三郎略年譜

  
いかに木を殺すか
文藝春秋  
定価:
1300円(税別)
頁数:63頁
ISBN4-16-308250-6
初出:1984年11月号 雑誌『新潮』
       
   
<冒頭>
   How to kill a tree. シカゴで会った日系アメリカ人の歴史学者の、こちらは韓国系アメリカ人である夫人からおくられたハワイの写真集に、このタイトルをつけた切実な物語があった。発行から時をへたその写真集には、日進月歩するカメラと印刷技術の今日でありながら、またハワイの風物という月並な主題をあつかいながら、古典的なといいたいほどの風格があり、引き付けられた。オアフ島のハイスクールで知りあい、苦学の末、アメリカ本土で職をえて結婚した歴史学者夫婦の、写真集への思いのたくし方に共感させるものがあるのでもあった。

<出版社のコピー>
 「現代的でかつ芸術的」という批評が、若くして出発した僕の短篇への励ましだった。いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。
 思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずに死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ。(大江健三郎)



     想像力の大翼を駆って構築
     する洵爛たる小説宇宙


   四国の森のなかの谷間を舞台に、神話的伝承に支えられて
   森を防衛する勇敢な女たち。グロテスクな性、滑稽な性の
   饗宴と笑いにはじまり、優しさの極みに至る大江文学の傑作!

<おすすめ度>
☆☆☆☆
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