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■大江健三郎略年譜

  
河馬の昇天
講談社文庫   
定価:619円(税別)
頁数:30頁
IISBN4-06-275392-8
カバーデザイン:司修 初出:1985年第2号(3月) 雑誌『へるめす』
       
   
<冒頭>
   青春時、自分が影響づけられた書物の、とくに詩集、訳詩集は、購入して三十年を越える古さのものをふくめ、学生の頃たびかさねた引越しにもかかわらず、すべて懐かしく褐色した背表紙を書架に並べている。いまは、ただ一冊をのぞいて。じsつは当の一冊がかけていることに永く気づかなかったのだが、それは当の詩人を読むに際して、本国で刊行された、さらに総合的な版を使う習慣になっていたからだ。
<出版社のコピー>
「浅間山荘」の銃撃戦と、雪深い森の若い死者たち。革命党派の課題をこえて、そこには戦後日本の精神史にきざまれた、もっとも悲劇的な惨たらしさがある。しかもユーモアの地下水もにじみ出るほどの人間的な深みで受けとめたい。文学の仕事なのだから・・・・
永く考えた後、手法のことなる架空の短篇をくみあわせて、出来事の全体に対置することにした。主題としては長篇にひとしく、同時代、あるいは同じ不幸を生きる自分の個人史も透けて見える。
<おすすめ度>
☆☆☆
SBN4-16-308780-X 文藝春秋
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