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■大江健三郎略年譜

  
               
「涙を流す人」の楡
講談社文芸文庫  
解説:井口時男
定価:1200円(税別)
頁数:21頁(文庫版)
ISBN4-06-196382-1
  初出:1991年11月号 『Literary Switch』掲載
   
 

 <冒頭>
 N大学の公邸の離れで、ベルギー滞在の第一夜を過した後、妻ともども大使夫人からこ
まかな配慮をあたえられて、僕らは穏やかな朝食のときをすごしていた。Nさんはいくらか皮
膚の底が暗い感じだったが、きびきびしかつは荘重なテーブル・マナーは、あいかわらず
気持ちが良かった。それでいて夫人に弟のようなわがままさをあらわす仕方で、ペシミステ
ィックなことを口にしたりもした。


 <出版社のコピー>
 障害を持つわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。
 少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。
 「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものを
 なぞる過程でしだいに独特なものをつくってゆく」という
 方法意識の作家「僕」が綴る、表題作九篇の短篇小説。
 切迫した震える如き感動、時にユーモアと諧謔をたたえて
 還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。
 <お勧め度>
☆☆☆ 

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