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■大江健三郎略年譜

  
死に先だつ苦痛について
講談社文庫   
定価:619円(税別)
頁数:112頁
IISBN4-06-275392-8
カバーデザイン:司修 初出:1985年9号号 雑誌『文学界』
切実なる死への恐怖       
   
<冒頭>
         1
 障害のある息子が二十歳になった機会に、母親に再会させようと森のなかの谷間の村に連れて帰った。その際、息子が祖母の年齢を聞いて、− 八十歳になりましたか!ああ、大変なものだな!八十歳になったのでは、もう死ぬのではないでしょうか?大変なことだな!と申しのべた次第を、ひとつの短篇に書いた。

<出版社のコピー>
「浅間山荘」の銃撃戦と、雪深い森の若い死者たち。革命党派の課題をこえて、そこには戦後日本の精神史にきざまれた、もっとも悲劇的な惨たらしさがある。しかもユーモアの地下水もにじみ出るほどの人間的な深みで受けとめたい。文学の仕事なのだから・・・・
永く考えた後、手法のことなる架空の短篇をくみあわせて、出来事の全体に対置することにした。主題としては長篇にひとしく、同時代、あるいは同じ不幸を生きる自分の個人史も透けて見える。
<おすすめ度>
☆☆☆
SBN4-16-308780-X 文藝春秋
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