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■大江健三郎略年譜

    
善き人間 
講談社  
解説:尾崎真理子
定価:5000円(税別)
頁数:19頁
ISBN978-4-06-509000-8
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室 初出:1962年 雑誌「新潮」10月号掲載
同性愛を扱った短編

 1962年(昭和37年)、この年の7月に発表された「ヴィリリテ」に続き、この作品でも男性の同性愛がテーマとして扱かわれている。14歳の少年は夏休みのアルバイトでホテルのペット預かりの仕事をしている。そこに宿泊している大学教員の妻とエレベータ係の老人で物語を作っている。同性愛を断ち切ろうとしている大学教員とその相手である学生は睡眠薬で眠っている。
 
少年は大学教師、その妻、そして学生を悪い人間と考えるが、老人はみんなお互いに苦しんでいて、良い人間という。
 
「老人と海」のみを読み続ける老人の存在が面白い。

<冒頭>
 少年がホテルの七階の窓をひらき体をのりだして、玄関の縞の天幕わきの薄暗がりを見下ろすと、五人の青年の裸の頭が鼠のむれのように動きまわっているのが見えた。
<出版社のコピー>
 
<おすすめ度>
 ☆☆ 


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