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若い読者のための大江健三郎ワールド 作品紹介 |
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揚げソーセージの食べ方 |
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文藝春秋 | ||||
定価: 1300円(税別) 販売中止 |
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頁数:25頁 | ||||
ISBN4-16-308250-6 | ||||
初出:1984年1月号 雑誌『世界』 | ||||
短編集『いかに木を殺すか』冒頭の作品 | ||||
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<冒頭> | ||||
数日のシンポジムの発言者として、あるいは短期の客員研究者(リサーチ・アソシエイト)として、アメリカの大学の教員宿舎(ファカリティー・クラブ)に滞在する。大学の歴史が、あるいは大学人の歴史が、地道なりに洗練されているコンチネンタル風朝食に、僕としていささかの不満もない。夕食には学生たちが、土地柄の、いずれも生きいきとした暮しぶりをあらわす大学近辺で、中国料理かメキシコ料理の店に行く。そこがなかば難民に近い人たちの新規開店で、アルコール飲料の許可をとっていない場合、店の帰りにやはり学生のための酒場で、水差しに注いだビールを飲んでくる。 |
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<出版社のコピー> | ||||
「現代的でかつ芸術的」という批評が、若くして出発した僕の短篇への励ましだった。いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。 思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずに死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ。(大江健三郎) 想像力の大翼を駆って構築 する洵爛たる小説宇宙 四国の森のなかの谷間を舞台に、神話的伝承に支えられて 森を防衛する勇敢な女たち。グロテスクな性、滑稽な性の 饗宴と笑いにはじまり、優しさの極みに至る大江文学の傑作! |
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<おすすめ度> | ||||
☆☆☆☆☆ |
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