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ブラジル風のポルトガル語 |
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| 新潮社文庫 | |||
| 定価:476円(税別) | |||
| 頁数:35頁(文庫版) | |||
| ISBN4-10-112607-0 | |||
| カバー画:山下菊二 | 初出:1964年2月号 『世界』掲載 | ||
| 題名のおもしろさ、比喩の巧みさ | |||
| 四国の山奥、そこに開拓村として戦時中にできた小さな集落がある。番内(ばんない)とよばれる十数戸、50人ほどの小さな集団があるとき突如として消えた。消えた理由はだれにもわからない。その集落あたりの森林監視員をやっているのは主人公の大学時代の同級生。彼が突如として東京にやってきて消えた住民のひとりが葛飾に住んでいるという情報を得、呼び戻そうとする。 大江の作品はその題名がキャッチーなものが沢山ある。この作品の題名「ブラジル風のポルトガル語」もそのひとつ。おもわずなんだろうと興味をもってしまう。さらにこの作品では大江の比喩が光っている。 |
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| <冒頭> | |||
ジープに乗ったぼくと森林監視員とは、香りたてる深い森を暗渠のようにつらぬく道を疾走し、カーブでは落葉をかぶった赭土をえぐりとっては弾きとばした。落葉は黒く赭土は朱く、数しれないイモリを轢いて疾走するみたいだった。やがれ、われわれは不意に、視界のひらける高台に出た。 |
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| <出版社のコピー> | |||
| <おすすめ度> | |||
| ☆☆☆★ | |||
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