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■大江健三郎略年譜

    
新潮文庫  
定価:552円(税別)
頁数:43頁(文庫版)
ISBN4-10-112608-9
カバー画:山下菊二 初出:1958年 雑誌文学界3月号掲載
第39回芥川賞候補作品
 
 「飼育」とともに昭和33年上半期の芥川賞候補作品となる。
平均年齢14歳の少年院に入っている「僕」の物語。「罪」を悔いあたらめるために、夕暮れの時間を壁の前ですごす少年達。粗暴な若い教官、鳩を飼う門衛夫婦、院長夫婦とその養子の混血の中学生。閉ざされた社会での罪。
すこしわかりにくい作品かもしれない。

<冒頭>

 夕暮れると僕らあさぎいろの服を着こみ、やはりあさぎいろの地に藍の線の入った帽子をまぶかにかぶった者たちは、少年院の昏い光にとざされた中庭を黙りこんだまま横切り、所どころに血いろのしみのふきでている高いコンクリート壁の下まで歩いて行くのだった。
 
<出版社のコピー>
<おすすめ度>
 ☆☆☆★

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