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■大江健三郎略年譜

    
ヒロシマ・ノート
岩波新書  
解説:なし  
定価:700円(税別)
頁数:186頁(新書版)
ISBN4-00-415027-2
初出: 1963年10月より 雑誌『世界』
    ヒロシマに対する思い
 
 わたしが始めて読んだ大江健三郎の本。高校生のときであった。わたしにとってはわすれられない一冊。ここから途中休みが何度も入りながら、大江健三郎を読み続けてきた。そして、さまざまなことを教えてもらった。この本と出会わなかったら、今の自分はなかっただろうとまで思う本。
 今読み返してもとても40年前に書かれたとは思えない新鮮な作品です。

<冒頭>
 このような本を、個人的な話から書きはじめるのは、妥当ではないかもしれない。しかし、こ
こにおさめた広島をめぐるエッセイのすべては、僕自身にとっても、また、終始一緒にこの仕
事をした編集者の安井良介君にとっても、おのおののきわめて個人的な内部の奥底にかかわっ
ているものである。したがって僕は、1963年夏の広島にわれわれがはじめて一緒に旅行し
たときの、ふたりの個人的な事情について書きとめておきたいのである。
<出版社のコピー>
 広島の悲劇は過去のものではない。1963年夏、現地を訪れた著者の見たものは、十数年後のある日突如として氏の宣告をうける被爆者たちの”悲惨と威厳”に満ちた姿であり医師たちの献身であった。著者と広島とのかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。平和の思想の人間的基盤を明らかにし、現代という時代に対決する告発の書。
<おすすめ度>
☆☆☆☆★

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