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■大江健三郎略年譜

    
人生の親戚
新潮社文庫  
解説:河合隼雄
定価:438円(税別)
頁数:256頁(文庫版)
ISBN4-10-112617-8
初出:1989年3月 雑誌『新潮』
伊藤整文学賞受賞の長編小説 
 
 この小説の主人公である倉木まり恵はじつに魅力的なひとである。知恵遅れの長男と事故で車椅子になった次男という母。その二人の子供は同時に自殺をしてします。残った女性はどのように生きてゆくのか。
生きるということはなんと複雑で困難にみちていることか。
最後をメキシコで聖女のように迎えた女性の物語。

<冒頭>
   一章
 年少の友達から<− 愛する女のように、未来を愛する人たちがいた、というアイルラン
ドの詩人の一節をよみました>と、手紙に書いてきた。<ここでは未来を愛する人たちが主
題で、それを意味づけるために、愛する女のようにという比喩があるのでしょう。しかhし、
これを読んだ僕には、愛する女と未来を愛する人たちとが、一緒に、数寄屋橋公園に張った、
テントで立ち働いている光景が浮かんだのです。

<出版社のコピー>
人生の途上で堪えがたい悲しみに直面したとき、人はその事実をいかに受けとめ、その後の人生をどう生き得るのか。知恵遅れの長男と事故による障害で車椅子に乗る次男ーー 二人の息子を同時に自殺で失った女性が、その悲惨を真正面から引き受け、苦しみの果てにたどりついた生の地平は? 魂の癒しを探り、生きることへの励ましに満ちた感動的な長編小説。第一回伊藤整文学賞受賞作。
<おすすめ度>
  ☆☆☆☆ 

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