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上機嫌
新潮社文庫  
定価:552円(税別)
頁数:60頁(文庫版)
ISBN4-10-112608-9
カバー画:山下菊二 初出:1959年 雑誌「新潮」11月号掲載
  大江が描く昭和30年代初頭の風俗と青年の苦闘
 
 映画女優Kと作家として成功しているわたし。それとオートバイ事故でであった青年。大江の改行がほとんどないスピーディで実験的な文体がぐいぐいと引き込んでゆく。まるで外国の小説を読んでいるよう。
 常に新しい表現方法を求めていた大江の実験小説といえるのではないだろうか。

<冒頭>
 
 わたしは裸の胸を夏の陽に灼きながら、これも殆ど上半身裸の映画女優のKと指をからみあわせ草むらに横たわって眼をつむり、わたしたちが隠れている斜面の上のドライブ・ウェイを失踪するオートバイの轟音を、時々地獄に関係のあるイメージにとらえられながらじっと聴いていた。
 
<出版社のコピー>
<おすすめ度>
 ☆☆☆★

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