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若い読者のための大江健三郎ワールド 作品紹介 |
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「河馬の勇士」と愛らしいラベオ |
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講談社文庫 | ||||
定価:619円(税別) | ||||
頁数:33頁 | ||||
ISBN4-06-275392-8 | ||||
カバーデザイン:司修 | 初出:1984年8月号 雑誌『文学界』 | |||
「河馬に噛まれる」の続編 | ||||
雑誌発表時の題名は「河馬に噛まれる Part2」 「左派赤軍」の「河馬の勇士」が十年後にどう変化していったということがテーマとなっている。 書名に出てくる「ラベオ」はウガンダの国立公園に住む河馬にまつわりついている魚のこと。河馬が陸上からおとしこむ植物や、河馬自体の糞を食べる。河馬が食物連鎖の機能を持っているがその役割を果たしている魚のこと。 |
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<冒頭> | ||||
ウガンダのマーチソン・フォールズ国立公園船着場で、日本人の青年が河馬に噛まれた。寡黙な被害者の様子をつたえる地方紙の記事をもとに、僕はひとつ短篇を書いた。自分にはめずらしい経験だが、この短篇をふくらませてテレヴィ・ドラマをつくりたいという、若い製作者たちの連絡が届いていた。僕は希望をいだいたのである。これまでおなじような申し出に応じたことはなかったのに。 |
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<出版社のコピー> | ||||
「浅間山荘」の銃撃戦と、雪深い森の若い死者たち。革命党派の課題をこえて、そこには戦後日本の精神史にきざまれた、もっとも悲劇的な惨たらしさがある。しかもユーモアの地下水もにじみ出るほどの人間的な深みで受けとめたい。文学の仕事なのだから・・・・ 永く考えた後、手法のことなる架空の短篇をくみあわせて、出来事の全体に対置することにした。主題としては長篇にひとしく、同時代、あるいは同じ不幸を生きる自分の個人史も透けて見える。 |
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<おすすめ度> | ||||
☆☆☆☆★ 自選短篇作品 | ||||
ISBN4-16-308780-X 文藝春秋 | ||||
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