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若い読者のための大江健三郎ワールド 作品紹介 |
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もうひとり和泉式部が生まれた日 |
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文藝春秋 | ||||
定価: 1300円(税別) 販売中止 |
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頁数:21頁 | ||||
ISBN4-16-308250-6 | ||||
初出:1984年5月号 雑誌『海』 | ||||
短編集『いかに木を殺すか』5番目の作品 | ||||
森の伝承と和泉式部の歌との組み合わせという突飛な発想が深い物語を作っている。 |
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<冒頭> | ||||
自分が育った森の谷間の、「大いなる女たち」の伝承について、長い物語を書く考えをいだく。計画は早くから立て、 − 生まれ出る前から、計画していたという気もするほどだ − 実際に仕事をはじめもした。いまも果たせずにはいるが、計画を忘れたことはない。文章を書く仕事をつづけてゆけば、かつは現世とその前後にめぐりあった・めぐりあう「大いなる女たち」に思いをはせることを止めなければ、ある日、どのように当の物語を書いてゆくべきか、氷粒の融けた水滴がガラス板にキラキラするのを見るように、一挙にわかっている、そうしたことがありうると感じる。 |
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<出版社のコピー> | ||||
「現代的でかつ芸術的」という批評が、若くして出発した僕の短篇への励ましだった。いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。 思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずに死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ。(大江健三郎) 想像力の大翼を駆って構築 する洵爛たる小説宇宙 四国の森のなかの谷間を舞台に、神話的伝承に支えられて 森を防衛する勇敢な女たち。グロテスクな性、滑稽な性の 饗宴と笑いにはじまり、優しさの極みに至る大江文学の傑作! |
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<おすすめ度> | ||||
☆☆☆☆ 販売中止 |
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