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■大江健三郎略年譜

    
セヴンティーン
新潮社文庫  
解説:渡辺広士
定価:520円(税別)
頁数:62頁(文庫版)
ISBN4-10-112604-6
カバー画:ウイリアム・ブレイク 初出:1961年 雑誌「文学界」1月号掲載
初期の中篇傑作
 間違いなく初期作品での傑作のひとつです。1960年頃、右に左に揺れ動く若者の切ない語り。2018年に出版となった第2部「政治少年死す」と一緒に読んでください。21世紀に通じる物語です。
<冒頭>
 今日はおれの誕生日だった。おれは17歳になった、セヴンティーンだ。家族のものは父も母も兄もみんな、おれの誕生日に気がつかないか、気がつかないふりをしていた。それで、おれも黙っていた。夕暮れに、自衛隊の病院で看護婦をしている姉が帰ってきて、風呂場で石鹸を体じゅうにぬりたくっているおれに《17歳ね、自分の肉をつかんでみたくない?》といいにきた。
<出版社のコピー>
性に耽溺し、政治に陶酔する右翼少年の肖像。
<おすすめ度>
 ☆☆☆☆☆ 自選短編作品


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