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■大江健三郎略年譜

    
戦いの今日
新潮社文庫    
解説:江藤 淳
定価:550円(税別)
頁:73頁(文庫)
ISBN4-10-112601-1
カバー画:山下菊二 初出:1958年(昭和33年) 雑誌中央公論9月号掲載
朝鮮戦争を題材に
 軽い気持ちで始めた反戦活動。それが思わぬ方向に。
 時代は朝鮮戦争の頃。朝鮮に出兵することになっている米兵。知識階層に属する19歳の金髪兵士アシュレイ。主人公である「かれ」とその弟。外国人相手の娼婦菊栄。
 逃亡を支援するはずの日本の革新運動組織のいいかげんさ。アメリカの人種差別の問題。短い小説の中にさまざまな問題が複雑に盛り込まれている。
 作者の初期の頃の関心が描かれていてる。

<冒頭>

 夏、かれと弟は汗にまみれ唇をひびわれさせて暑い舗道に立っていた。皮膚のうちがわをくすぐったくして熱の玉がはしっていた。そしてそれにかかわらず悪寒が体のおくそこを揺りうごかしにきた。

<出版社のコピー>
<おすすめ度>
☆☆☆★

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