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若い読者のための大江健三郎ワールド 作品紹介 |
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案内人(ストーカー) |
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講談社文芸文庫 | ||||||
解説:伊丹十三 | ||||||
定価:1050円(税別) | ||||||
頁数:25頁(文庫版) | ||||||
ISBN4-06-196343-0 | ||||||
カバーデザイン:菊地信義 | 初出:1990年5月 『Switch』 | |||||
連作「静かな生活」の3 | ||||||
大江作品には珍しく障害のある兄イーヨー、その妹であるマーちゃんの語りによる作品。若い女性の言葉だから全体に柔らかく読みやすい。 タルコフスキーの映画では、隕石が落下してひとつの村がなくなるということが描かれている。このような大災厄が起こると、その後には「千年王国」が熱望されて、メシアとみなされる人物が出現する。これは「核時代」における不安と救済とに結びつく。マーちゃんは両親がイーヨーのことを「呪われた子供」と考えたことがあるのかが気になっている。 小説の最後、”やはり一種の「歓喜の歌」が聞こえるのを、自分の頭のすぐ上にあるイーヨーのふっくらした耳と一緒に、私は勇気にあふれて受けとめるようであったのだ。”で救いを感じることができる。 |
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<冒頭> | ||||||
深夜テレヴィ映画から弟が録画してくれた、タルコフスキーの『ストーカー』を見た。 めずらしくイーヨーが一緒に最後まで見たのは、かれにとってこの映画の音楽が面白かっ たからだ。私にはインドの音楽かと思われる、耳なれないものだったけれど。 |
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<出版社のコピー> | ||||||
精神に機器を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された三人の兄弟妹の日常。 脳に障害を持った長男のイーヨーは”ある性的事件”に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうかーーー。 <妹>の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアーが漂う。大江文学の深い祈り。 |
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<おすすめ度> | ||||||
☆☆☆☆ 自選短篇作品 |
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