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1     
部屋
講談社  
解説:尾崎真理子
定価:5800円(税別)
頁数:11頁
ISBN978-4-06-509002-2
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室 初出:1959年 雑誌「新潮」6月号掲載
性的不能者になってしまった青年
  
 二十四歳で性的不能者になってしまった青年。彼は映画批評家をしている。そして女優のKが明日には情人になるためにやってくることになっている。そこに隣室に住んでいる中年の女が十歳になる黒人とのハーフの娘マギイを預かってほしいとやってくる。マギイを預かりながら二人の不思議な会話が始まる。
 性不能者、黒人、娼婦など大江の初期作品によく出てくる設定ではあるが、作品のテイストがちょと変わっている。不思議な味わいの短篇である。
  
<冒頭>

 
 《なぜ自殺しないのか?》と一人の憂鬱な青年がホテルの六階の部屋の窓をあけて暗い夕暮の港を見わたしながら、自分に、二十四歳で映画批評を寄稿して生活している自分に問いかけていた。
 

<出版社のコピー>
 
<おすすめ度>
 ☆☆★ 


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