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■大江健三郎略年譜

    
報復する青年
講談社  
解説:尾崎真理子
定価:5800円(税別)
頁数:12頁
ISBN978-4-06-509004-6
ブックデザイン 鈴木成一デザイン室 初出:1959年 雑誌「別冊文藝春秋」12月号掲載
現実世界から疎外されてしまった青年

  
 洋館二階から20メートルほど離れた女の部屋。青年は夕暮れになるとそこで行われる女の着替えを毎日見続けていた。英語のスロー・バラードを歌いながら女は着替える。青年はかつて自分の所属していた組織から不法監禁を受けていた。しかし裁判では偽証証言のために有罪とすることができなかった。青年はかつての組織の仲間4人への報復をするため洋館に閉じこもることになったのだ。
 

<冒頭>

 
 
満足したような猫が呻くような声で女が歌っている、いつも満足した猫のような声で。青年がむっくりと躰をおこし窓ぎわに、閉ざされて壁のように暗黒の窓ぎわに足音をしのばせてちかづく。
 

<出版社のコピー>
 
<おすすめ度>
 ☆☆★ 


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