2018年5月10日
アメリカ銃規制と高校生
昨年、ラスベガスで58人の犠牲者が、そして、今年3月14日午前10時、フロリダ州パークランドの高校で19歳の少年が高性能ライフルAR-15を乱射して生徒14名と大人3人を殺した。
アメリカは20年以上前から各地の学校で銃乱射事件が起きている。1992年、当時16歳の日本人留学生、服部君がルイジアナ州バトンルージュで銃の犠牲になったのを思い出す。
事件のたびに銃規制が叫ばれているが残念ながら何の解決もされていない。それは、合衆国憲法修正第2条に国民は抵抗権(抵抗のための武装)が認められていることや圧力団体全米ライフル協会NRA(National Rifle Association)が解決を難しくしている。NRAは資金力をバックに多大な寄付を大物政治家にしている。
そこで、大人が何もしないなら俺たちが・・・と高校生が立ち上がったのである。
Enough is enough(もうたくさんだ)、#neveragain(二度と繰り返すな)と書かれたプラカードを掲げてアメリカの高校生が抗議行動を起こしたのだ。
3月14日(水)10時になったら教室を出て1分間の黙とうを捧げ、其のあと、街に出てデモ行進をしようとSNSに投稿した。たちまち、全米に拡散して各地で黙祷を捧げてその後デモ行進となった。学校はこれを黙認した。
そして、対抗策として、今はまだ17歳でも秋までに18歳になれば選挙権を行使できるので秋の中間選挙(11月)で反対する議員を落選させると云う。前オバマ大統領でさえ議会の反対とNRAの圧力団体の反対でなにもできなかった銃規制問題、高校生の抗議行動でこの流れが銃規制強化策にどのように影響を与えるか期待したい。
日本では銃ではなく国会での無意味な討論が続いている。日本の若者は2017年に18歳から選挙権が与えられた。ぜひ投票で日本の恥をさらすような国会議員は落選させ“世界に通用する日本社会”を目指せる議員を高校生の新しい力で変えられないか。