2022年(令和4年)1月1日
夫婦別姓問題でふと思ったこと
数年前から夫婦別姓問題が国会で議論されてはいますがまだ解決に至っていません。なぜ日本では国会で本気で議論されないのでしょうか。個人主義やジェンダー・センシティビティが強まる傾向にあるにもかかわらず・・です。
欧米では結婚してもどちらの名前でも自由に選択できてどんな理由であれ姓を変えたいと思えば変えることができるのです。例えば、米国では両性の名前を組み合わせたり、両親の名前をハイフンで付け加えたり自由に決めることができます。子供の名前もどちらの姓を名乗るかも自由です。それでも社会はうまく行っています。
私がビザセンターにいた頃、外国籍のパスポートの名前欄を見て名前がやたら長くてパスポートの名前が途中で切れていたのです。不思議に思ったのですが理由がわかりました。長い名前もIC付パスポートでIC内には収められていたわけですね。
日本は戸籍制度があり結婚後どちらかの姓に統一しなければならず2人が別々の姓を名乗ることは出来ません。夫婦別姓だと通常、市区町村役場では住民登録を受け付けてくれません。どちらかの名前に統一しないと結婚しても社会保障制度が適応されないことになります。男尊女卑の明治時代の考え方が強く先進国である日本は世界のスピード変化にはついていけないのです。欧米先進国社会では名前の役割はシェイクスピアが云うWhat’s in a name? (名前がいったい何だと言うのか)程度なのです。
日本が夫婦別姓の討論が真剣でない大きな理由は国会議員構成で男性が多くを占めていて結婚後も名前を変える必要がない人たちだからです。また、男女構成のクオーター制が云われていても男性議員が多すぎるため、なかなか実行されていません。若返って女性の首相のいる国のように変化に沿った柔軟なアイディアで政治を行ってほしいものです。
最近、地方自治体では国の政策と関係なく住民登録できる市区町村が増えてきています。LGBT(性差別で悩むマイノリティー)の方や仕事上、旧姓が定着している女性は事実婚を選びますので朗報です。余談ですが米国や一部の国ではパスポートの男女性別欄にM、F以外のX(男女どちらにも属さない性)が表記されることが加わりました。
夫婦別姓問題一つをとってみても解決できない日本がコロナ後の経済の復活を上手く進められるのだろうかとふと心配になった次第です。