2022年(令和4年)7月1日
海外での事故体験談（2）
メキシコ・カプルコ（ACA）での会議出席のためシアトルで乗り換えてメキシコシティ（MEX)に向かうユナイテッド航空（UA便）での大事故になる前の不時着体験談です。
成田空港（NRT）発シアトル空港（SEA）へ。優待券を使用しているので空席の多い路線でやや遠回りでの移動でした。シアトル空港離陸後、暫くすると「眼鏡をはずして頭を腕で抱えて前の背もたれに伏せること、サンフランシスコ空港（SFO）に緊急着陸すること、着陸後はスムーズに脱出するよう」アナウンスがありました。酸素マスクは出ていません。原因についてもアナウンスされていなかったと思います。窓側席に座っていたのでなんだろかと、窓越しに外を見たところエンジンから煙が出ていたのでエンジントラブルだと気付きました。その瞬間、頭が真っ白になりました。機内クルーは慌てず、この程度はよくあるかように手慣れたものでした。しかし、初めての経験だったので恐怖を感じました。
無事着陸。我々は前扉から脱出するよう指示を受け心臓をどきどきさせながら脱出しました。脱出した瞬間、航空機の周りには消防車が数台待機していて赤ランプが点灯し周りは火事のような色に染まっていました。ハリウッド映画の「ダイハードシリーズ」の事件解決後の空港シーンのようで物々しかった。とにかく無事に着陸出来て良かったと安堵した瞬間でした。待合室に案内され、しばらくしてアナウンスがありUA航空別便でメキシコシティに向かうことになりました。メキシコシティ空港到着後は当日のアカプルコまでの乗り継ぎ便がなかったのでUA航空の手配でメキシコシティに宿泊して翌朝アカプルコに向かうことになり会議には間に合いました。
余談ですが、サンフランシスコ空港に緊急着陸したとき、学生らしき男性が日本人ですか・・と私に声を震わせながら問いかけてきたので「はい」と答えたらメキシコシティまで一緒してもいいですか？・・・とお願いされ一緒することになりました。また彼は私がトイレに行くので立ち上がったらどこに行くのですか？・・と聞いてきてトイレまでついてきました（笑）。よっぽど不安だったのでしょうね。さらに、メキシコシティ-空港到着時、不運にも彼は荷物検査になりました。なぜ不運なのか、当時の荷物検査基準は赤と青ランプが一定の周期で回っていて赤ランプにあった人は荷物検査になるからです。不安げな彼を見ながら別れました。
次回はロサンゼルスシティでの大地震体験談です。