18 面接にあたって
ときどき緊張からか、あるいは素直すぎるのか、志望動機で「航空会社の滑り止めで受けます」という本音を話してしまう人がいます。これはやめたほうがいいですね。旅行会社が人材不足で困っているという状況であれば別ですが、今は圧倒的に求人者のほうが多い時代です。面接は本音を語る場というよりもお互いが一番いい点をアピールしあう場所と割り切りましょう。”嘘も方便”といいます。営業技術のひとつですね。”御社が一番!”という気合を入れたエールは面接官にとっても、気持ちのいいもの。ただし、あまり過大なヨイショ!は煙たがられることになりますので、ほどほどに。
第7章でも書きましたが旅行会社には“旅行代理店”という表現をいやがるところが結構あります。これは旅行会社は“代理販売”をしているだけでなく、自分の会社で主体的に仕入をしたり、値段を決めたり、しているからという自負心からです。
一方、販売する素材を提供しているサプライヤー(航空会社や宿泊施設など)からは値段を勝手に決め流通の主導権をとろうとする旅行業界に反発を持っていることも少なくなく、やはり“旅行代理店と呼ぶところもあります。
皆さんは相手によって使い分けをしておいた方がいいでしょう。とりあえずは“旅行会社”と言っておけば無難ではありますが。
面接のある前にこれだけは読んでおきたいという資料を紹介します。
先ずはJNTO(国際観光振興機構)が発表している2005年の旅行者総数の報告です。
『訪日外客数・出国日本人数(2005年)』 資料提供JNTO
次に国土交通省からでている観光白書です。
「国土交通省 平成17年度観光の状況、平成18年度観光政策」
- 平成18年度(2006年度)版観光白書についてコメント -
<過去>
「平成16年度観光の状況」 資料提供 国土交通省 第1章 「外国人旅行者倍増」に向け飛躍の年 第2章 観光の現状 第3章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進施策 第4章 国民の観光旅行促進施策 第5章 観光交流空間の形成 第6章 観光産業の育成・高度化 第7章 交通機関等の利便向上 第8章 観光に係る安全確保対策
「平成17年度観光政策」 資料提供 国土交通省 第1章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進のための戦略的取組 第2章 国民の観光旅行促進のための取組 第3章 観光交流空間の形成のための取組 第4章 観光産業の育成・高度化のための取組 第5章 交通機関等の利便向上のための取組 第6章 観光に係る安全確保のための取組
このサイトの平成17年度の「全文」も眼をとおしておくといいのですが、上記の2つだけでも十分です。
行政が作った観光に対する評価ですから必ずしも旅行会社の現状とは異なりますが、ここに書かれていることを自分の言葉で話せれば、面接官の印象が格段にあがると思います。
「平成16年度において講じようとする観光政策」
こんな情報は知っておきましょう!!
こちらから (役立つ業界トピックス)
面接になるととても緊張をしてしまうひとがいます。面接をしているほうとしてはなるべく緊張をほぐしてあげようと冗談をいったりしたりすることもあります。
でも、それは慣れた面接官のこと。実は、大半の面接官は面接そのものが初めてであったり、あるいは一年に数回しかやることがなく、面接官自身も面接については素人であり、慣れていないひとなのです。旅行会社には大勢のひとが試験を受けに来ます。どの会社にも専門の採用担当社員というのはほとんどいません。人事担当は採用作業のための雑務が多く自分が面接官をいってにひきうけることはとてもできません。また、限られたひとだけで採用をしていると偏った傾向がでてきますので、同じ会社の役職者あたりに採用面接を依頼することが多いのです。この臨時採用官は普段は営業をやったり、あるいは企画造成、後方業務をやっている人たちです。この人たちもなれていません。そのため、人事担当者からいろんな採用面接注意書的なものを貰い、それに沿って面接を行ないます。
実際に面接官をやっていると何を質問していいのか、迷ってしまいます。勿論定番の、「自己紹介」「会社受験動機」「会社に入ったらなにをやりたいか」などは誰でもできますが、これらはすでにしっかりと練習がされてきていますので、まるでお芝居の台本読みのようなものになってしまいます。この部分は皆さんもしっかりと練習を積んできています。これができないひとは、だめですよ。しっかりと原稿を作り、何度も何度も練習をしてきてください。ここで失敗をするようでは、素人面接官を欺くことはできません。ここまでは無難にこなしてください。さて、その後の質問です。質問例題集というのがあり、いろんなことが書かれています。「大学で一番力をいれたことは?」「友達はあなたの性格をどのように言ってますか?」「最近感動したことは?」「最近読んだ本は?」とかいろいろとあります。実は、面接官が一番困るのは、その返ってきた答えをどう判断すればいいのか、ということなのです。数学の試験ではありませんので、その答えは間違いですなどということはありません。「サークルでこんなにもがんばりました」などと言われても、だからどうなんだ、それはすごいことなのか、それともあたりまえのことなのか、ということがわかりません。
実は面接官は答えの内容は期待していません。期待しているのは答え方です。よく考え、明瞭に、自信をもって答えているかどうか、そこが大事なのです。内容はいりません。判断できないからです。
素人面接官の採用基準ははきはき元気よく、あかるく素直に答えれるか、と言ったことが大事なのです。ですから面接官の質問に深く真剣に答えることは必要ありません。むしろウイットに富んだ、明瞭な返事ができればいいのです。問われたことへの内容ではなく、あくまでも答えるときの態度と思ったほうがいいですね。
役員面接のレベルにまで言っても、実は同じだと思っていいです。役員になるようなひとでも、やはり面接は大半のひとが素人です。相手も素人、自分たちと同じようになれていない人ということを頭の片隅にしまいこんで、逆にあなたは自信を持ってのぞみましょう。おどおどせずに、自信をもっているひと。そなんひとを好ましいと思ってくれます。
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