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6  旅行会社の規模
 

 @ 社員数から見た会社規模

  
これだけ会社があれば、希望している旅行会社への就職もたやすいのでは、と思ってはいけません。会社の規模も重要になってきます。まず、会社の規模を社員数(従業員数)で見てみましょう。

     

     

   社員数  

  1001人 以上

  101人 〜 1000人 

   
 51人 〜  100人      

会社数

 18


100


 86

  2006年日本旅行業協会会員会社データと各社のHPより集計)

                        <主要旅行会社 社員数一覧へ>
 

現在、日本には1000人以上の社員がいる大企業と呼んでもいい旅行会社は18社あります。でも、そのうち4社はJRなど運輸機関が旅行業をやっている社員を報告したもので、純粋な旅行を専業としているところではありません。旅行の専業会社で見ると1000人以上規模の会社はわずかに14社しかありません。
 

さらに見てみますと、なんと100人以上の従業員がいる会社は全部で118社しかありません。51人以上の会社数とみても総数で200社強ほどしかありません。

驚きませんか?旅行会社は10.700社もあるのに、ほとんどは50人以下、大半は10人から20人程度の小企業ばかりだったのです。社員数50人以下の会社では新卒の定期採用というのはほとんどやっていません。ここは一旦対象外としなくてはなりません。一般的に名前の通った、言い換えれば多くの人が就職をしたいと希望する会社は実はせいぜい100社程度しかありません。また、その中でも本当に希望したくなる会社はやはり2030社程度なのかもしれませんね。その意味では旅行業界は狭き門かもしれません。
   

 *ホームページなどで発表している従業員数について
これは各社基準がまちまちです。社員数というと正社員をいい、従業員というとパート、契約社員、アルバイトなども含める、という基準もあるようですが、必ずしも統一されていません。

社員の中に契約社員を入れて発表しているところ、旅行部門以外の社員まで含めて発表しているところなどまちまちです。旅行部門で働いているひとの従業員数をみたい場合には、日本旅行業協会のホームページなどで調べるようにしましょう。
 

*日本旅行業協会会員リスト 
 
 
 

 A 社員数と会社数の比率


では、旅行会社10.700社のすべての社員数は全体ではどれほどになるのでしょうか。

これは正確なデータはありません。かなり古いデータですが2001年に国土交通省、都道府県庁でアンケートに答えた会社数7.475社での合計は111.756人でした。これから推定して約12万人ほどいるのではないかと言われています。

この内第1種旅行業者に所属する社員数が7万人、さらにその内1000人以上の大規模旅行会社での合計数が4万人となっています。
 
 
 

 B 資本金と会社規模との関係

 
旅行会社の規模を判断する場合に、ここでは資本金での会社の規模を見ていません。なぜなのでしょうか?
 

一般的に旅行業は資本金をあまり大きくする産業ではありません。

大手の代表格である近畿日本ツーリストは75億円です。これは随分と多い方です。業界を代表する日本旅行は40億円。この10年で急成長をしてついには航空会社まで作ってしまったHIS68億円。しかし、トップ企業であるJTBはわずかに23億円です。大半の企業は1億円以下です。

では、他の産業と比較してみましょう。電器メーカーの東芝は2749億円。日産自動車は6058億円。花王は854億円。もう、とても旅行会社とは比較などできません。旅行会社を語るときには資本金比較はあまり意味がありません。
 

*旅行会社でも業界10位ぐらいに位置する日本通運は701億円というのがありますが、もちろん専業は運送業です。JRの各社も旅行業としても大きな役割を占めていますが、やはり専業は運輸業。本業の一部としての旅行業でしかありません。
 

旅行会社は資本金を多く必要としないと言いましたが、なぜなのでしょうか。その理由は旅行会社は設備をほとんど持っていないからです。自社ビルで営業しているところはほんのわずかです。大半は賃貸ビルの、それもその一角。もちろん工場もなければ、生産ラインもありません。研究開発をするといっても他の産業とは比較にならないほどごくわずかのものだけで十分。最近でこそコンピュータが必要となっていますが、それも大半はごく小規模のものです。大規模ネットワークを持っている旅行会社はごくわずかしかありません。
 

また、航空予約のための仕組みは別の会社(GDS)からリースで借りているだけですから、開発のための投資をするところはほとんどありません。また、仕入にかかる費用も実際に物資を購入するというものではありませんので、事前の資金はほとんど不要です。

旅行会社にとって一番多くかかっている経費は人件費です。会社によっては60%を越える人件費率のところも珍しくはありません。ですから、資本金額を見て会社規模を参考にすることはあまり意味がありません。
 

やはり、職を得るという立場からすれば、会社の規模をわかりやすく見るには社員数が一番でしょう。また、その際にはそれぞれの会社の旅行業登録の種類をみておきましょう。旅行業1種というのは大規模になるのかというと、それは無関係です。1種を持っているのに23人でやっている会社もあります。次の章で詳しくみますが、海外旅行の企画をやりたいとおもっているひとはあくまでも1種の会社を選ばなくてはなりません。そして、一定の会社の規模がなければ企画という職種さえもない、ということになってしまいます。就職のための会社選びとしてはこちらのほうがずっと重要となります。

それぞれの会社がやっている業務範囲を事前によく調べましょう。

 

「主要旅行会社社員数一覧」で会社を探す場合には、会社の登録種別もよく見るようにしましょう



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