3 旅行”業”
これから旅行会社の仕事を詳しく見てゆこうと思います。そのためにまず旅行会社の正しい把握をしましょう。旅行会社とはなにをもって“旅行業者”と呼ぶのか?
旅行会社の仕事は旅行業者の「業務定義」をみてみないといけません。「旅行業法」という法律では”旅行業”を次のように定義しています。
『報酬を得て、旅行業務を取り扱うことを、事業とする』
(旅行業法第2、3条)
要するに、お金を貰って旅行業務をするところが“旅行業者”ということになります。この「お金を貰って」というところが大切なところです。(*)
“旅行業者“と”旅行会社“、どのように違うかといいますと、旅行業をやるには個人でも法人でもできます。個人がやっている旅行業というのはめったにお目にかかれないかもしませんが、日本ではそのような資格(登録)を持っている人がいるのです。旅行業を法人としてやる場合、それが”旅行会社“になります。このサイトはあくまでも”旅行会社“という法人に就職をしようという人向けのガイドを提供します。
さて報酬ですが、「旅行業者の報酬」は基本的には次のようなもので得ています。
@旅行者から収受する「取扱手数料」
A運送・宿泊機関から収受する「販売手数料」
B他社のパッケージツアーを販売した場合の、当該他社から
収受する「販売手数料」
いずれも「手数料」ということが根幹になっています。旅行業者はこの「手数料」で長い間商売をしてきました。しかし、今では手数料以外の収入もあげるようになってきています。その理由は手数料は利益幅が非常に少ないため(おおよそ10%前後)、企業を維持してゆくことが非常に難しいからです。
手数料以外では企画料などを得ています。これは旅行会社が自主的にあるいはお客様からの要望で企画をすることによって得る収入です。
旅行会社が宿泊業者や運輸業者から「仕入」ということをして、独自の仕入値を持ち、それに旅行会社独自の値段を自由につけてゆくことが増えてきています。こういったものも企画料の範囲になります。しかし、旅行会社では取り扱う商品の値段がほとんど公になっているため、公の値段を超えて売るということは一般的にはできません。やはり旅行会社の収入は「手数料+α」でしかありません。
ここでは、旅行業が“旅行業務を行って、報酬を得るもの”ということが理解できました。
(*)
就職面接をしていたら、「旅行会社はなんでも高すぎます。儲けすぎです。」という人がいました。どうも報酬を得てサービスを提供するということが理解できない人のようでした。利益を上げるということが悪のように思っていたのでしょうね。こういったひとは就職活動の前に、先に世の中の仕組みの勉強をしておかないといけませんね。それにしても旅行会社で儲けすぎているというところがどこにあるのか、教えてほしかったものです。
次へ ( 4 旅行”業務” )
Copyright2004-2010(c) Cogito-Kobo All rights reserved |