旅行会社の置かれている位置づけ
今の旅行会社がどんな社会環境にあるのかすこし勉強をしておきましょう。
これからの5年間は同じような状況が続きます。
会社選びをするなかでの将来性について参考にしてください。
1)テロ事件後
2001 年9月11日の世界貿易センタービルを含めた米国同時テロ事件はその後の旅行業に大きな影響をあ たえています。勿論旅行業だけではないのですが、もともと平和なときに伸びてゆく産業である旅行業
においては他の産業以上に深刻な影響がつづいています。
9.11以降頻繁に発生するテロ・紛争・疫病リスクなどの影響で、旅行業の売上は大きく落ちこんでいま
す。現在の旅行業構造・旅行ビジネスモデルでは昨今の国内外の政治・社会状況や自然災害など直接コ ントロール不可能な事象に大きな影響を受続けます。こうしたリスクは今後も軽減される見込みはあま
りないと言えるでしょう。
2)M&A
グローバル化、ボーダーレス化により、外国企業の日本マーケット進出、発展著しいアジアへの日本企
業のより一層の展開、業種を超えたM&A、各産業における業界再編等が促進され、旅行業といえども企
業環境が激変しています。今まで考えられなかったような企業の吸収合併が続くでしょう。でも、金融
機関のような大型な合併はあまり起こりません。
3)インターネットの普及
1995年頃から急激に広まったインターネットは旅行業を大きく変えました。旅行業が持っていた旅館・
ホテルと言った宿泊機関の情報、航空会社・鉄道・バスといった運輸機関の情報、国内・海外の観光地
情報はかつては旅行会社が独自のノウハウで集め、それが消費者にとっての付加価値を生み出すもので した。しかし、インターネットの普及はこの情報が誰でも、どこでも、かつ無料で手に入れることが
できるよう変化させました。旅行会社は宿泊施設、運輸機関、観光地情報だけでは消費者が求めるような付 加価値を生み出せなくなりました。今ではそれらの情報は公平に業者にも消費者にも与えられています
。
替わって出てきたのが”企画性”であります。この企画性というのは一例をあげれば”有名人といく温
泉地めぐり”であったり、手続きが面倒な”見本市に行くツアー”などです。一般的には広く市場に出回っ
ていて、たやすく手に入るというものではなく、個人あるいは法人が簡単には購入できないようなもの
を企画・提案してゆく、といったことになってきています。考える力というものが必要となっています。
4)高齢化社会
これから来る高齢化社会において余暇需要は増加すると見込まれます。これは旅行会社にとっては大き なビジネスチャンスです。しかし単純に旅行需要が増えるとは限りません。なぜなら団塊の世代は成長
期において個性的に生きるということを学んできています。そのため余暇に対する考え方も世代全体を ひとくくりにすることはできません。いろんな楽しみ方を求めてきます。単純な観光性旅行だけでは満
足をしない世代です。やはり同じように企画力が必要になってきます。
5)観光政策の強化
ビジット・ジャパン・キャンペーンに代表される国を挙げての観光政策により、インバウンド市場(訪
日旅行者)は拡大します。同時に各地域行政においても観光行政の重要性は増しています。旅行業者は いままであまり行政と一緒になって需要促進ということをやった経験はほとんどありませんが、これからは国も
観光を大きな産業のひとつと位置づけるようになりましたので、国・地方行政とうまくやってゆくとい うことが必要となってきました。
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